ネットで検索すると過払い金請求をしたせいで「ブラックリストに登録された」とか「クレジットカードが使えなくなった」なんてコメントがあったんですけど、ホントにそんなことが起きるんですか?
過払い金請求をすると大きなメリットが得られるけど、反面、状況次第ではデメリットが生じることもあるんだ。
「過払い金請求」とは、貸金業者が違法な金利を適用していたことで支払いすぎていたお金を取り返すための手続きです。
違法な金利といっても、いわゆるヤミ金業者ばかりが相手になるわけではありません。
テレビCMをしているような大手の消費者金融や有名な大手クレジットカード会社も、都合の良い解釈で違法な金利を適用していたのです。
もし過払い金が発生しているなら「ぜひ取り返したい!」と考えるのは当然ですが、世間には過払い金請求に関する誤った情報も出回っており、デメリットが気になって請求に踏み切れない人も少なくありません。
過払い金請求をすることのデメリットと、デメリットを回避するための方法を解説します。
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過払い金請求のデメリット
過払い金よりも借金が多い場合ブラックリストにのる
借金完済後に過払い金を請求 | ブラックリストにのらない |
過払い金で借金を完済出来た | ブラックリストにのらない |
過払い金請求をしても借金が残った | ブラックリストにのる |
つまり、引き直し計算によって過払い金が発生すれば返還されるし、借金の残額のほうが多ければ借金減額となるわけだね。
同じ貸金業者から借金ができなくなる
だから時間さえ過ぎればまた借入できるようになるよ。
でも、貸金業者は、信用情報とは別に独自に顧客情報を管理しているんだ。
そのため、時間が経ったあとでも同じ業者からの借入はできないと考えたほうがいいね。
こうなってしまうと、同じ業者の利用はあきらめたほうがいいだろうね。
過払い金を請求した会社のクレジットカードは使えなくなる
ただし、そのクレジットカードは強制解約されてしまう。
ネットショッピングの決済や公共料金などの決済に利用しているなら、支払い方法を変えないといけないよ。
なんだかひどい気がするんですが…
借金が残っていなくても、過払い金請求は「債務の整理・調整」にあたるから強制解約の対象になるっていう理屈みたいだね。
専門家に依頼する必要がある
貸金業者に「過払い金があるはずだから調べて」と求めても対応してくれない。
ところが正確な過払い金額の計算はとても難しくて素人では対応できないから、経験豊富な専門家に依頼することになるよ。
ただし、司法書士の場合は過払い金額が140万円以下未満の案件だけに限られてしまうんだ。
利用期間が長いと140万円超以上になるケースも少なくないから、最初から弁護士に依頼したほうが利口だよ。
生活保護の支給が停止される
苦しいなかで過払い金が返ってくれば嬉しいかもしれないね。
ただ、戻ってきた過払い金が最低生活費を上回る場合は、保護費を福祉事務所に返還するか、受給停止になるんだ。
最低生活費を超えなかった場合でも減額調整を受けるよ。
ブラックリストにのるデメリット
ただし「信用情報機関」という組織が管理している情報のなかに不利な情報が登録されてしまうよ。
信用情報は生活のさまざまなシーンで個人の支払い能力を判定する材料に使われているから、いろんなデメリットが生じるんだ。
クレジットカード・ローンの審査が通らなくなる
「この人は約束どおりに支払いをしてくれないかもしれない」と疑われて、審査で落とされてしまうよ。
携帯・スマホの分割払いができなくなる
実は分割払いの審査にも信用情報が利用されているから、ブラックリストにのってしまうと分割払いを断られてしまうんだ。
たとえば、Apple公式ではiPhone13・512GBモデルが税込みで134,800円だから、一括で購入するにはちょっと高すぎるんじゃないかな?
分割払いができないと、新規・機種変のどちらでもショップで「うーん、困った」と悩むことになるだろうね。
場合によっては賃貸契約が難しくなる
家賃保証会社のなかには、信用情報機関に登録している会社もあるし、そもそもクレジットカード会社が家賃保証業務を扱っている場合もある。
だから、不利な情報があると「この人は危険だ」と判断されて契約を断られてしまうかもしれないよ。
過払い金を請求するメリット
過払い金請求がもたらすメリットを確認していこう。
借金減額・完済ができる
違法な金利によって徴収されていた利息が過払い金なんだ。
「正しい金利で計算しなおしたらこんなに支払い過ぎていた」と返還を求める手続きなんだね。
これを正しい金利で計算しなおすことで過払い金が発生するんだ。
うまくいけば手元にお金が残る
たとえば50万円の限度額いっぱいで毎月のように返済・借入を繰り返してきたなんて人は、一気に完済できてさらに過払い金として手元にお金が残るかもしれないんだ。
完済・手元にお金が残ればブラックリストにのらない
過払い金で相殺すると完済できた場合や、さらに手元にお金が残った状況なら、ブラックリストにはのらないよ。
借金完済後に過払い金を請求 | ブラックリストにのらない |
過払い金で借金を完済出来た | ブラックリストにのらない |
過払い金請求をしても借金が残った | ブラックリストにのる |
過払い金請求でデメリットを回避する方法
でも「お金が返ってくるかも!」と見切り発車で過払い金請求に踏み切ってしまうと、借金の残額を相殺しきれずにブラックリストにのってしまうかもしれないんだ。
でも、契約者ならこれまでの取引明細を取り寄せることができるから、グレーゾーン金利が適用されてきた期間や支払い額を把握できる。
このあたりが「過払い金が発生するかな?」と見極めるポイントだね。
過払い金を自分で請求するデメリット
ゼロ和解させられる
- 取引明細を取り寄せたら「借入の残額を0円にするから和解しよう」と提案される
- 「和解書にサインしてくれたら利息を下げる」と提案される
- 和解書に「過払い金請求の権利を放棄する」という記載があり、応じると過払い金を請求できなくなる
本来なら過払い金を取り返せるのにゼロ和解に持ち込まれてしまったなんてケースも多いから、安易に和解書にサインするのは危険だよ。
もちろん、弁護士に対応を任せればこんな不利な和解案に応じることはないよ。
過払い金の引き直し計算が難しい
ところが、過去の取引にさかのぼって正しい金利で計算しなおすのは至難のワザだよ。
途中で1円でも間違えば計算結果には大きな誤差が生じてしまうこともあるんだ。
だから、過払い金請求に関する正しい知識と経験をもっている弁護士に依頼することをおすすめするよ。難しい計算もすべて任せられるからね。
返ってくる過払い金が少なく時間がかかりやすい
ほとんどの貸金業者はすでに多額の過払い金を支払ってきているから「できるだけ返還額を抑えたい」と考えている。
個人が相手だとせいぜい半額くらいが上限で和解を提案してくるよ。
裁判を起こせば全額回収も期待できるけど、裁判を起こす手間と時間がかかってしまうし、余計な費用もかかるんだ。
弁護士に依頼すれば、貸金業者が提案してくる金額も7~9割くらいにアップするし、裁判になる事態を避けながらスピーディーに回収できる可能性が高いんだ。
そもそも貸金業者が交渉に応じてくれない
任意の話し合いには応じないから、返してほしかったら裁判でも起こしてくれって相手にしてくれないこともあるんだ。
弁護士に対応を任せれば、貸金業者も「裁判になるよりも話し合いで解決したほうが得策」と考えるようになるから、真摯な対応が期待できるよ。
まとめ
- 借金返済中で過払い金より借金残額のほうが多いとブラックリストにのってしまう
- 利用中のクレジットカードが使えなくなる、同じ業者の利用は断られてしまう
- 生活保護を受給しているときは、保護費の返還や受給停止を受けることもある
- デメリットを避けるには弁護士への相談が得策
- 回収までのスピードが早く、回収額も増えるので、弁護士に対応を任せよう
ただし、自分で請求しても思いどおりの結果は得られないことが多いから、まずは弁護士に相談しよう。
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。