任意整理

任意整理で銀行口座は凍結に?凍結の条件や対象・解除のタイミングをご紹介!

さいむくん
さいむくん
ともだちよ、聞きたいことがあるんだけどいいかい?

任意整理をしたら、銀行の口座が凍結してしまうと聞いたんだけど、それって本当?

銀行が使えなくなったら、生活に思いっきり影響すると思うんだけど…。

銀行からお金を借りている状態で任意整理すると口座が凍結するって聞いたことがあるな。

とはいえ、銀行がまったく使えなくなったら生活にも困るはず。

本当に凍結するのか、対処法はないのか、先生に聞いてみよう!

ともだち
ともだち

この記事では「任意整理と口座凍結について」解説していきます!

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任意整理で凍結の対象となる銀行口座は?

先生
先生
結論からいうと、条件にあてはまる口座はすべて凍結になってしまう可能性が高いんだ。

まずは、「任意整理した際に口座凍結の対象となる口座」について紹介していこう。

×:任意整理した銀行の全口座

先生
先生
シンプルな話で、借入がある銀行相手に任意整理をしようとすると、その銀行で開設している口座がすべて凍結してしまうんだ。

例えばUFJ銀行から借入をしていた場合、UFJ銀行の全口座が凍結すると思ってもらったほうがいいね。

先生、どうして任意整理をすると口座凍結してしまうんですか?
さいむくん
さいむくん
先生
先生
簡単にいえば、口座の中にあるお金を自由に使えないようにして、借金を少しでも改修したいということだろうね。

凍結時に口座の中身にあるお金は借金返済に充てられてしまうんだよ。それを「相殺(そうさい)」というよ。

相殺については「預金が借金と相殺される」で詳しく説明するから!

銀行カードローンを利用していた場合も凍結

先生
先生
銀行だけでなく、銀行が提供している融資サービス(カードローンなど)を任意整理した場合も、同じように銀行口座が凍結される。

例えば、「バンクイック」での借入を任意整理した場合、大元であるUFJ銀行の口座がすべて凍結してしまうからね。

消費者金融やカードローンでの借入を任意整理したい人は、銀行口座への影響がないか調べておいた方がいいと思う。

消費者金融からの借入を任意整理する場合は要注意

せんせい
せんせい
実は、消費者金融からの借入がある場合も銀行口座の凍結に注意しなくてはいけないんだ。

大手の消費者金融の中には、銀行が運営元になっているところが多い。

消費者金融からと、その運営元の銀行のカードローンの両方から借入をしている場合は、消費者金融のローンだけを任意整理しても銀行の口座が凍結されてしまう可能性が高いんだ。

?? たとえばどういう時ですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
たとえば、アコムは三菱UFJフィナンシャルグループの子会社。

アコムとUFJのカードローンから両方借入があった時には、アコムからの借金だけを任意整理したとしても三菱UFJの口座は凍結されてしまうのさ。

逆に、UFJのカードローンを利用していない場合には、アコムを任意整理したとしても銀行口座凍結の心配はないよ。

実際にどの口座が凍結されてしまうかを素人で判断するのは危険ですね…。

任意整理することになったら、担当の弁護士にしっかり確認しておこう!

ともだち
ともだち

〇:借入はあるが任意整理はしていない銀行の口座

先生
先生
凍結をするのは「借入があり、かつ任意整理をした銀行の口座」だけなんだ。

借入があっても、任意整理をしなければ口座凍結はしない。ちょっとややこしいから、以下の表をみてね。

銀行名 借入 任意整理 口座凍結
A銀行 あり する する
B銀行 あり しない しない
C金融(銀行ではない) あり する しない
表のとおり、A銀行とB銀行から借入があるけど、任意整理をするのはA銀行だけ、なんていう選択もできる。

その場合、A銀行の口座だけが凍結する。

ついでに説明しちゃうけど、C金融のような、銀行とは関係のないところからの借入を任意整理した場合、特に口座凍結することはないからね。

先生
先生

〇:借入がなかった銀行の口座

先生
先生
いわなくてもわかると思うけど、借入がない銀行の口座が凍結することはないからね。

ただし、1つでも任意整理するとブラックリストになってしまう。

だから、「A銀行が凍結したから、他の銀行からお金を借りよう」と思っても審査に落ちる可能性が非常に高くなるよ。

「任意整理をする=業者や銀行はお金を貸してくれなくなる」だと思って、後悔しないかよく考えてね!

任意整理で口座凍結する流れとタイミング

先生
先生
それでは、実際に口座凍結するまでの流れとタイミングを紹介するからね。

まずは以下の表をみてみよう。画像内の番号に沿って解説していくよ。

①弁護士に依頼・受任通知を送付|即日~数日

先生
先生
まずは弁護士に任意整理を依頼することからはじまる。

ここで、弁護士から銀行(貸金業者)へ「受任通知」と呼ばれるものが送られるんだ。

受任通知とは

弁護士に任意整理(債務整理)を依頼したとき、弁護士から貸金業者へ送られる書類。中には以下の内容が記されている。

  • 弁護士が任意整理の依頼を受けたこと
  • 今後本人に対して取り立てをしてはいけないこと
  • 過去の取引履歴を提出すること
現段階では、まだ任意整理ははじまっていない。

正しく表現するなら「これから任意整理をすることを銀行側に伝えた状態」とでもいえばいいかな。

この時点で銀行への返済はストップするから、その間に生活を立て直したり、弁護士費用を貯めたりしよう。

先生
先生

②口座が凍結する|依頼後1~2週間

先生
先生
銀行が受任通知を受け取ってから1~2週間以内で、口座の凍結が開始するよ。

凍結までのタイミングにはばらつきがあるから、「お金を抜くのが間に合わなかった」なんてことにならないよう、事前にお金を空にして、給料を受け取る口座を変更しておいてね。

③凍結が解除される|依頼後3ヶ月

先生
先生
口座の凍結が解除されるのは一般的には3か月くらい。「保証会社による代理弁済」が完了したタイミングであることが多いかな。

以下の図をみてね。

番号に沿って図を見てもらえるとわかるんだけど、借主(債務者)が返済できなかった分については、まずは保証会社が代わりに返済するんだ。

保証会社が代わりに返済した時点で、銀行からの借金はなくなるわけだよね。そのタイミングで口座凍結は解除されるよ。

もちろん、借金がなくなったわけではなく、貸主(債権者)が保証会社に変わっただけだから、返済はしなければいけない。

先生
先生

④任意整理の交渉開始|依頼後3~6ヶ月

先生
先生
①(弁護士への依頼)から半年程度したら、弁護士が銀行と借金減額についての交渉を開始するよ。
先生、質問があります。どうして弁護士に依頼してから交渉開始まで半年もかかってしまうんですか?

その間、弁護士は何をしているのですか?

さいむくん
さいむくん
先生
先生
いいところに気がついたね。

結論、「弁護士に依頼をしてから実際に減額の交渉がはじまるまでの期間」に関しては、口座凍結は一切関係ないんだ。

これは、「依頼者が任意整理に必要な弁護士費用を貯めるための期間」だよ。

弁護士に依頼した時点で必要な費用が払えるのであれば弁護士はすぐに動きだすし、足りないようであれば弁護士事務所へ費用の積み立てを行う。

その期間が平均して半年程度ということかな。銀行への返済はストップしているから、浮いた分のお金を弁護士事務所に積み立てていこう。

弁護士や司法書士と相談して、無理のない積み立てプランを組むから安心してね。

口座が凍結することで起こる影響

先生
先生
次に「口座凍結とは一体何なのか?何がおこるのか?」を紹介していくよ。

約3ヶ月の間口座が一切使えなくなる

せんせい
せんせい
銀行口座が凍結されると、凍結が解除されるまでその口座は一切使えなくなってしまう。

凍結期間は銀行にもよって異なるけれど、一般的には3ヶ月程度とされているよ。

任意整理によって借金がなくなるわけではないから、いったん銀行の保証会社が借りていた人に代わって返済をしてくれるんだ。

銀行の保証会社ってなんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
お金をきちんと返してくれない人がでてきた時のために銀行が契約している会社のことだよ。

さいむくんのように、計画通りに返済ができなくなった人が出てきた時に、保証会社が代わりに銀行にお金を払ってくれるのさ。

つまり、立て替えてくれた保証会社に対して返済をしていくってイメージだね。

保証会社による銀行へ支払いが済めば銀行口座の凍結は解除される。

任意整理を申し込んでから、保証会社が銀行へ支払ってくれるまで、およそ3ヶ月ほどかかるってことさ。

預金が借金と相殺される

先生
先生
弁護士から銀行へ、受任通知が送られてから1~2週間で口座が凍結するんだけど、凍結した時点で口座の中に入っていたお金は銀行に没収されてしまうんだ。

例えば「借入が50万円、凍結時に口座に入っていたお金が5万円」だったとしよう。

その場合、口座の5万円は借金返済に充てられてしまう。残りの45万円が任意整理の対象となるんだ。それを相殺と呼ぶ。

相殺については民法505条に示されているよ。

(相殺の要件等)
第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
【引用:民法 – e-gov

ちょっとわかりにくいけれど、銀行側の「口座の中にある5万円は借金返済に充てさせてもらいました」という行為は法的にも認められているんだ。
先生
先生

お金を引き出すことができなくなる

先生
先生
もちろん、凍結中は口座からお金を引き出すことが出来なくなる。

凍結後に振り込まれた給料や年金は相殺されることはないけれど、引き出すこともできない。

つまり、凍結解除までの数か月間は生活が困難になるんだ。銀行からの借り入れを任意整理する際は、事前に給料口座を変更しておこう。

スマホ代や公共料金の引き落としがされなくなる

先生
先生
凍結した口座からは引き落としがされなくなる。つまり、スマホ代や公共料金、各種サブスクなどの支払いができなくなるんだ。

現金支払いに切り替えれば問題ないけれど、手間やストレスがかかるのは避けられない。

口座引き落としに設定しているものがあるなら、こちらも事前に口座を変更しておこう!

他銀行や消費者金融などからの借入も困難に

先生
先生
銀行のみならず、貸金業者に任意整理を申し出た時点で、そのことは「信用情報機関」に記録されてしまうんだよ。

信用情報機関には、「借入や返済状況、過去の申し込みなど」借金に関する個人情報が記録されている。

貸金業者は、借入審査の際は信用情報機関の情報をチェックするから、どの業者が相手でも「過去に任意整理をしている」という事実はバレてしまうと思った方がいい。

結果として、「どの業者もお金を貸してくれない」「クレジットカードが作れない」という現象が起こる。

これがいわゆるブラックリストと呼ばれる状態。もとに戻るには5年くらいかかるかな。

凍結とは直接関係ないけれど、「A銀行が凍結したからB銀行からお金を借りよう」なんて考えても、それはうまくいかないから覚えておいてね!

先生
先生

口座が強制解約される可能性もある

せんせい
せんせい
銀行によっては、契約によって『返済が不可能になったら口座は強制的に解約する』と決めているところもあるんだ。

その場合には、残念ながら凍結されたまま強制的に解約されてしまう。

もし銀行口座が凍結される場合には、その銀行との契約内容も確認しておくのが安心だね。

口座が凍結しても変わらないこと

せんせい
せんせい
銀行口座が凍結されたときの影響はよくわかったかな?

つぎは、口座が凍結されても変わらない点も確認しておこう!

凍結後に入金された給料は解除後に受け取れる

せんせい
せんせい
本当は銀行口座が凍結された時点で給与の振込先も変えておくべきだけど、『万が一忘れてしまった!』という場合も安心して。

口座の凍結中も給与の振り込みなどは今まで通り行われるから、凍結が解除されればきちんと引き出せるよ。

相殺対象になるもの 口座凍結時点で口座に入っていたお金
相殺対象にならないもの 口座凍結後に振り込まれたお金(給料や年金など)
そもそもなぜ銀行が口座を凍結するかというと、口座に残っている残高を借金の返済にあてさせるため。

任意整理を申し込んだあとに受け取った給料は、借金の返済にあてるように強制することはできない。

つまり口座の凍結が解除されれば引き出せるのさ。

せんせい
せんせい

任意整理中でも他の銀行口座は開設できる

せんせい
せんせい
任意整理中は、凍結の対象となった銀行で口座をつくることはもちろんできない。

ただし、任意整理の手続き中でも他の銀行であれば口座の新規開設はできるよ。

もし給与振り込み先の変更などで新しい口座が必要になった時には、任意整理の対象になっていない銀行での口座開設を検討しよう。

口座が凍結する前にやっておくべきこと

先生
先生
だいぶ口座凍結について理解できてきたかな?

一応、口座が凍結する前にやっておくべきことをまとめたよ!

凍結する前にお金を全部抜いておく

先生
先生
任意整理をするくらいだから手持ちのお金も少なくなっているかもしれないね。

でも、そのまま任意整理したら口座のお金は銀行に没収(相殺)されてしまう可能性が高い。

だから、手続きに入る前に事前に口座の中身を空にしておこう。

凍結の対象とならない銀行口座に移すか、現金でもっておけば大丈夫だよ。

給与や年金を受け取る口座を変更する

先生
先生
口座が凍結すると、振り込みはされるものの、そのお金をおろすことができなくなる。

生活のためにも、給料や年金を受け取る口座は事前に必ず変更しておこう。

不安なことは、必ず弁護士や司法書士に相談してね!

スマホ代や公共料金が引き落される口座を変更する

先生
先生
毎月の支払いに関するものは、凍結された瞬間から引き落としがされなくなる。

引き落とし口座を変更しておくか、現金払いにしておくか、何かしらの対処をしよう。

クレジットカードでしか支払いができないものに関しては「プリペイドカード」や「デビットカード」「家族カード」などを使えば代用が可能だよ。

任意整理をする前に、凍結される口座は担当の弁護士に確認しよう

せんせい
せんせい
消費者金融からの借入を任意整理する場合は要注意』でも解説した通り、任意整理をすると思いがけない銀行の口座が凍結される可能性はある。

良心的な弁護士であれば、任意整理後の生活の変化についてまでしっかり面倒をみてくれるから、口座凍結の可能性などについては教えてくれるはず。

だけど、自分の身は自分でしっかり守らないといけないよね。

凍結されたら困る口座がある場合にはしっかりと担当の弁護士に確認しておこう!

まとめ

ともだち
ともだち
さいむくんお疲れさま!これで任意整理と口座凍結の説明はおしまいだよ。

今回の内容の中で、覚えておいた方がいいことを振り返ってみよう。

まとめ
  • 借入があり、かつ任意整理をした銀行の口座はすべて凍結する
  • 銀行が提供しているカードローンなどを利用している場合でも同じように凍結する
  • 凍結する期間は3ヶ月くらい
  • 凍結している期間は引き出しや、引き落としによる支払いができなくなる
  • 口座が凍結したとき、口座にお金があると借金と相殺されてしまう
  • 給料や年金が受け取れなくなるので、事前に口座を変更しておくべき
よくわかりました!

事前に口座を空にしておいて別銀行に移しておいて、かつ給料などを受け取る口座も変更しておけばいいんだね。

事前にどうすればいいか知っておけば、口座が凍結しても生活に困ることはなさそうだね。

どうもありがとうございました!

さいむくん
さいむくん
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール