個人再生の積立金とは？返金や引き出し・期間はどうなる？

個人再生とは、裁判所に再生計画返済計画を認めてもらい、これに従って減額された借金を原則として3年間かけて返済していく手続きのことだ。

積み立てって言うからには、このお金は返ってこないのかな…？

履行(りこう)とは、債務を果たすこと。ここでは要するに借金を返済することだと思ってもらえばいい。

個人再生手続きにおける履行テストとは、裁判所に提出した再生計画に従って返済ができるかどうかを確認するために、再生計画通りのお金を実際に支払ってみるテストのことなんだ。

履行テストに失敗するということは、つまり再生計画に無理があるということ。

だから、再生計画の見直しを促されたり、再生計画自体が認められないことになってしまうよ。

ただし残念ながら、全額が返金されるわけではないんだ。

履行テストが行われる場合、個人再生手続きに再生委員という人が選任されるんだけど、この人の報酬が差し引かれた金額が返金されることになっているんだ。

通常はその地域で活動しており、債務者や債権者とは利害関係のない弁護士が選任されるよ。

裁判官はとても忙しいので、全ての個人再生手続に関与できるわけではないんだ。

そこで、再生委員が再生計画や書類のチェックなどを行い、裁判所をサポートするんだよ。

彼らは裁判所の職員ではなく、あくまで地域で活躍する弁護士だから、税金から報酬が支払われるわけではない。

そこで、履行テストで積み立てたお金の一部を報酬に充てることになるんだ。

もちろん、返済に充てることもできる。

例えば東京都の場合、分割予納金を再生委員の設置した口座に振り込むことになる。

大阪の場合には自分の口座に積み立てを行い、積立状況を裁判所に報告することになる。

そして履行テストの失敗は、すなわち個人再生手続きの失敗を意味するから、絶対に積立金を途中で引き出すことはしないようにね！

履行テストが実施される地域は東京や大阪など、人口が多く個人再生の申立て件数が多い地域に限定されているよ。

地方部のほとんどの地域では履行テストは行われていないんだ。

では先生、実際に履行テストで積み立てる金額や期間がどれくらいなのかも教えて！

そうでないと、履行テストを行う意味がなくなってしまうからね。

東京の場合には、最長6か月にわたって履行テストを行っていくことになるよ。

そういえば、履行テストの1回目の支払いは、個人再生の申立をして1週間後ぐらいには支払わなければならないんだ。

だから個人再生の申立をする際には、少なくとも履行テスト1、2回分のお金は用意しておいた方がいいだろうね。

でも先生、もしこの積立金の支払いに失敗しちゃったらどうなるの？

そのため、返済期間を長くするなど再生計画の見直しを行うことになるよ。

その場合には、借金の返済義務から解放される自己破産を検討することになるだろうね。

積立金については、再生委員がついてる場合、先ほど述べた報酬が差し引かれた金額は返金される。

もし報酬額に満たない金額しか積み立てられなかった場合には、返金されることはない。

個人再生手続きには時間も費用もかかるけど、これらがすべて無駄になってしまうから、履行テストをしっかりと行なって、個人再生を成功させられるようにしよう！

先生、履行テストを成功させるための秘訣があれば教えて！

個人再生手続きは、借金の大幅な減額を認めてもらった上で、残額を分割して返済していく手続きのことだったよね。

つまり、債権者に対して相当無理を強いて、債務者の人生を立て直すための救済制度なんだ。

例えば事故や病気などの理由により、一時的に収入が減ってしまったような場合だね。

そのような理由で支払いができないのに関わらず、「再生計画どおりの返済はできないじゃないか！」と責め立てるほど、裁判所は厳しくない。