このままだと借金の返済も生活もままならないので、自己破産しようと思っているんです。
でも、自己破産をすると生活保護を受けられないという噂を聞いたので、どうすればいいのか迷っていて…。
自己破産と生活保護について色々と誤解があるようだよ。
せっかくだから、今日は自己破産と生活保護についてしっかり学んでいこうか!
さいむくんのように、「生活保護受給者でも自己破産はできるのか?」「自己破産をしても生活保護を受給し続けられるのか?」といった疑問をお持ちの方は多いと思います。
結論からいうと、『生活保護受給者でも自己破産はできますし、自己破産をしたからといって生活保護が打ち切られることはありません』。
ただ、生活保護と自己破産の両方を検討する場合は、適切な順序が存在します。
そこでこの記事では、以下の3点について詳しく解説します。
- 自己破産と生活保護、それぞれの仕組み
- 自己破産と生活保護の適切な順序
- 法テラスを利用することで自己破産の費用を免除してもらう方法
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結論:自己破産をしても生活保護は受給できる
でも、ルールを破ったりすると保護費の支給を打ち切られる可能性もあるから注意が必要だよ。
これから詳しく教えてあげるね!
自己破産と生活保護をおさらい
結論からいうと、『自己破産と生活保護のどちらも、収入が途絶えてしまったり借金で苦しんだりしている人を救済するための仕組み』なんだよ。
自己破産:裁判所を通じて借金をゼロにする手続き
よくある誤解としては、以下のようなものがあるかな。
- 会社をクビになる
- 家族が取り立てにあってしまう
- 現金や家財、ひいては住む場所まで失う
- 戸籍や住民票に破産が記録される
- 選挙権を失う
- 『生活保護を打ち切られる』
ただ、『20万円を超える価値のある財産や、99万円以上の現金は差し押さえられてしまう』から注意は必要だね。
あとは、一定期間ローンやクレジットカードを利用できなくなってしまうなどのデメリットもあるけど、借金から解放されて生活を立て直すことに専念できるんだ。
生活保護:国民として最低限の生活を維持するための補助金
生活保護というのは、憲法で定められている『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障するために制定されている制度』なんだ。
『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。(日本国憲法 第25条)』
『生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。 (生活保護制度)』
【引用:生活保護法 – 厚生労働省 】
憲法で保障されているということは、誰でも生活保護を受けられるんですか?
- 最低限の生活費に充てられるだけの収入や貯金・財産がない
- 病気や怪我等、身体上の問題で働くことができない
- 家族や親族から援助を受けられない
- 生活保護以外に国や自治体の援助を受けることができない
でも、最低限の生活費っていうのはどのくらいなんでしょう。
まり、『東京で一人暮らしをしていて年収156万円以下の人の場合は生活保護を受給できる』という計算になるね。
住んでいる地域や家族構成によって最低限の生活費は異なるから、詳しくは地域の福祉事務所で相談する必要があるけど、だいたいこのくらいが基準だと思ってもらっていいかな。
生活保護費の金額や内訳
でも具体的にどのくらいの金額をもらえるんですか?
単純に、『最低限の生活費と月収の差額を受け取ることができる』よ。
最低限の生活費ということだから、生活を営む上で生じる費用についてしか受け取ることはできないことも要注意だ。
生活保護費の内訳を以下にまとめておいたから確認しておこう!
生活を営む上で生じる費用 | 対応する扶助の種類 |
日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱水費等) | 生活扶助 |
アパート等の家賃 | 住宅扶助 |
義務教育を受けるために必要な学用否品費 | 教育扶助 |
医療サービスの費用 | 医療扶助 |
介護サービスの費用 | 介護扶助 |
出産費用 | 出産扶助 |
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 | 生業扶助 |
葬祭費用 | 葬祭扶助 |
生活保護費から借金を返すのは避けるべき!
そうしたら、生活保護で受け取ったお金を借金の返済に充てればなんとかなりそうだな…。
生活保護費というのは、生活費に充てるために国が保障してくれているお金なんだ。
だから、生活保護で受給したお金で借金を返済することは避けるべきだよ。
生活保護費を借金返済に充てていることが発覚すると不正受給と判断されて、生活保護を打ち切られる可能性もあるから注意が必要だよ。
自己破産にかかる費用はいくら?法テラスが自己破産代を負担してくれるのでご安心を
でも、自己破産をするのにもお金がかかるんですよね?とても自分で払える気がしないんですけど…。
自己破産を検討するほどお金に困っているのに、この金額を用意するのはなかなか大変だよね。
でも大丈夫!そんな時は、法テラスに相談すれば安心だよ!
自己破産にかかる費用の相場は40~100万円くらい
といっても、手続きによってかかる費用は大きく変動するから表で紹介するよ。
費用 | 同時廃止事件 | 少額管財事件 | 通常管財事件 |
裁判所費用 | 1~3万円 | 約20万円 | 約50万円 |
弁護士費用 | 約40~45万円 | 約40~50万円 | 約40~50万円 |
総額 | 約41~48万円 | 約60~70万円 | 約90~100万円 |
法テラスとは国が設立した司法支援機関
法テラスを利用するためには一定基準以下の収入である必要があるんだけど、その分『さまざまな法手続きにかかる費用を立て替えてくれたり、無料で法律相談にのってくれる』すごい組織なんだよ。
お金がないひとでも法律相談にのってくれるんですね!
【引用:民事法律扶助制度 – 法テラス】
法テラスで依頼すると自己破産の費用は約15万円~
具体的な金額は下の表を参考にしてね。
着手金 | 実費 | トータル | |
1~10社 | 13万2,000円 | 2万3,000円 | 15万5,000円 |
11~20社 | 15万4,000円 | 2万3,000円 | 17万7,000円 |
21社以上 | 18万7,000円 | 2万3,000円 | 21万円 |
生活困窮者の自己破産代は法テラスが立て替えてくれる
でも、自己破産するほどお金に困っている人は弁護士費用を負担するのが難しいことも事実…。
これは生活に困っている人にとってはとてもありがたい制度ですね。
【引用:民事法律扶助制度 – 法テラス】
生活保護なら弁護士費用が免除される可能性がある
この免除される制度を、償還免除(しょうかんめんじょ)なんていったりする。
償還免除は、自己破産後に申請できるからね。手続きが難しい場合は、法テラスで聞いてみよう。
【参考:生活保護を受給していない方の償還免除申請について – 法テラス】
【参考:契約弁護士・司法書士のみなさまへ – 法テラス】
生活保護受給者の自己破産は認められやすい
でも、この法テラスというのは、生活保護を受けていても使えるんですか?
生活保護を受給しながら借金を返済するのは現実的にはかなり難しいから、生活保護受給中であればむしろ自己破産は認めてもらいやすいともいえるね。
自己破産と生活保護のベストなタイミングは?
自己破産をした後でも生活保護を受けられるということはわかったんですけど、どちらを先に進めたらいいのでしょうか?
◎:①自己破産後に生活保護を申請する
◯:②自己破産と生活保護を同時に申請する
△:③生活保護受給中に自己破産をする
詳しく教えて欲しいです!
①自己破産してから生活保護を申請するのがベスト
自己破産と生活保護に直接の関係はない
もう一度生活保護を受給できる要件を確認しておこうか。
- 最低限の生活費に充てられるだけの収入や貯金・財産がない
- 病気や怪我等、身体上の問題で働くことができない
- 家族や親族から援助を受けられない
- 生活保護以外に国や自治体の援助を受けることができない
だから、『自己破産をしていても生活保護の受給は可能だし、受給額などにも影響はない』んだよ。
自己破産をすると生活保護が認められやすい
その理由としては、すでに説明したなかにヒントがあるんだけど、わかるかな?
『生活保護費を借金返済に充てることは違法で、仮に返済に充てれば生活保護が打ち切られるリスクもある』んだ。
そうなると、最低限の生活も維持できなくなってしまうよね。
だから、借金をもっていると生活保護が認められない可能性があるんだよ。
まず自己破産をすれば取り立てを止められる
生活保護と自己破産について考えている人は、収入が途絶えていて借金にも追われているというかなり精神的にもキツい状態だと思うんだ。
まずは心の負担を減らすことも大切だから、借金の取り立てから解放されるために自己破産からすすめたほうがいいといえるね。
『まずは自己破産をして取り立てから解放された方がいい』ですね!
②自己破産と生活保護を同時に進めるのもOK
でも、なるべく早く生活保護費を受け取りたいしな…。せめて、自己破産と生活保護を同時にすすめることはできないんですか?
役所の指導で自己破産を勧められる可能性がある
ただ、『借金がある状態で生活保護の申請をすると、まずは自己破産を勧められる可能性が高い』ね。
生活保護の相談役になる役所の人としても、しっかりその人の生活を立て直せるように考えてくれているわけだからね。
自己破産に失敗することで生活保護の申請に悪影響がでるかも
『一部自己破産が認められない借金もある』んだよ。
例えば、ギャンブルや浪費が原因でつくってしまった借金は自己破産が認められないね。
そうすると、生活保護費を借金の返済に充てる流れになるのが自然な気がしますね。
役所の人が「生活保護費で借金を返そうとする」と判断して受給を認めない可能性がある。
だから、『まずは弁護士に相談をして自己破産をすすめてから生活保護の受給申請をしたほうが確実』なんだ。
③生活保護受給中に自己破産するのはよくない
でも、借金を抱えたまま生活保護を受けることも可能ではあるんですよね。
生活保護を先に受けてしまっている場合に自己破産をしようとするとどうなるんでしょうか?
生活保護を受給していたら自己破産はできない?
生活保護を受給していても、自己破産はできるんだ。
自己破産をするにはいくつか条件があるけど、職業の制限はない。
だから、生活保護や無職でも自己破産ができるんだよ。むしろ、生活保護や無職など、借金が返済できない人こそ、自己破産すべきだよ。
それに、生活保護の人が禁止されているのは、自己破産ではなく、生活保護費から借金を返済すること。
生活保護費は、最低限の生活をおくるための費用で、借金返済のためのお金じゃないからだよ。
生活保護を受給しているなら、すぐ自己破産したほうがいいといえるんだね。
すでに受給中であればすぐに自己破産した方がいい
生活保護を受給しているということは、最低限の生活に充分な収入がないということだよね。
そんな状況で借金を返済し続けるのは現実的でないし、仮に生活保護費を借金の返済に充てようものなら生活保護自体が打ち切りになってしまうリスクもあるからね!
借金を抱えたまま生活保護を受給するのがよくない理由
だけど、『借金を抱えたまま生活保護を受給するのは非常にリスクが高い』んだよ。
借金を抱えたまま生活保護を受給するのがよくない理由は、主に以下の3つだね。
- 生活保護費を借金返済に充ててしまう可能性があるから
- 受給中も取り立ての連絡が止まらないから
- 生活保護終了後を見計らって訴えられる可能性があるから
生活保護費を借金返済に充ててしまう可能性があるから
生活保護を受けているということは、何か事情があって最低限の生活に必要な収入がないという状態だよね。
そんな中で、生活保護を打ち切られてしまって、さらに借金だけ残っている状態になってしまったら…。
受給中も取り立ての連絡が止まらないから
生活保護は、あくまで国や自治体が生活に困窮しているひとを救ってあげるための制度だから、お金を貸している貸金業者からしたらまったく関係がないことなのさ。
生活保護終了後を見計らって訴えられる可能性があるから
つまり、貸金業者からしても、生活保護を受給している人に返済の催促をしたところで、借金を回収することは難しいんだよ。
逆にいえば、生活保護の期間が終われば収入も戻ってきているはずだから借金の返済は可能と判断されてしまう。
そして、生活保護を受給しているあいだ返済が滞っていた分の不利益を回収するために、業者が裁判を起こして差し押さえを執行しようとしてくる可能性が高いんだ。
それにしても、仕事にも復帰して生活保護から立ち直った矢先、貸金業者から裁判を起こされるなんて悲惨すぎる。
そんな悲劇を避けるためにも、『まずは生活保護を受給する前に自己破産で借金を整理しておくべき』ですね。
自己破産することはケースワーカーに伝えるべき
生活保護を担当してくれているケースワーカーさんに自己破産がバレるのってちょっと怖いなと思うのですが…。
怒られたり、生活保護を打ち切られたりしないですか?
生活保護が打ち切られる心配はない
実は、自分から伝えない限り自己破産をしたことがケースワーカーに知られることもほとんどないんだよね。
だけど、しっかり伝えておかないと法テラスでの費用立て替えなどができない可能性もあるから、自己破産をしたことは正直にケースワーカーに伝えた方がいいともいえるよ。
ケースワーカーに虚偽の申告はしてはいけない
年金の受給が始まったとか、ネットオークションで私物が売れたとか、なんらかの収入があった場合は必ずケースワーカーに申告しないといけない。
『きちんと申告をしておかないと不正受給とみなされて、生活保護を打ち切られるだけでなく、生活保護費の返還をしなければいけない可能性がある』んだ。
生活保護受給中に新たな借金はしてはいけない!
実は、借金という行為も、手持ちのお金が増えるわけだから収入としてカウントされるんだ。
つまり、借金をした金額の分は生活保護費から引かれてしまうんだ!
さらには、『生活保護受給中に借金をしたことを隠したら不正受給にあたり、生活保護が打ち切りになってしまう』んだよ。
借金をしたことを隠していたら、生活保護が打ち切りになってしまう…どっちみち何もいいことはないですね…。
自己破産する人が生活保護を受給する際に知っておきたいこと
- 生活保護費を借金の返済にあてない
- 生活保護受給中に借金はできない
- 返還金を求められても自己破産できない
- 生活保護を受給すれば税金も免除される
- 生活保護受給中に自己破産をしても保護費を止められることはない
生活保護費を借金の返済にあてない
生活保護費はあくまでも最低限度の生活を保障するために支給されているから、借金の返済にあてることはできないんだ。
もし生活保護費で借金を返済したことがバレたら、支給を打ち切られる可能性があるよ。
生活保護受給中に借金はできない
法律上は、生活保護受給中に借金をすることを禁じてはない。でも、さっき話したように、生活保護費で借金の返済はできないからね。
それに、生活保護って段階で、借り入れの審査も通らないことがほとんどだよ。
結局借金して、返済できなくなったら、生活保護も意味がなくなっちゃいますもんね。
徴収金を求められても自己破産できない
この徴収金に関しては、自己破産をしても免除してもらうことができないんだ。だから不正受給に該当する行為はしちゃダメだよ。
生活保護を受給すれば税金などの支払いも免除される
免除される税金などは以下のとおり。
生活保護で免除される税金
- 住民税
- 所得税
- 自動車税
- 固定資産税 など
生活保護受給中に自己破産をしても保護費を止められることはない
ただし、「生活保護費を借金の返済にあてない」で話した通り、生活保護費で借金の返済をしていると、受給を打ち切られる可能性があるからね。
生活保護を受給する前か、受給後に借金は返済せずに自己破産をするかして、借金問題は早めに解決しよう。
自己破産を検討している場合はまず弁護士に相談を!
ただ、実際に自己破産をするときは1人では難しそうですね…。
『借金の相談についてはほとんどの弁護士が無料で受け付けてくれる』から、実際に自己破産をするかどうかはおいといてもまずは相談してみるといいよ!
せっかくだし、いろんな弁護士に相談してみて比較してみようかな!
まとめ
- 自己破産で借金を整理してから生活保護を申請するのがベスト!
- 自己破産をしても生活保護を打ち切られる心配はない
- 生活が困窮している場合は自己破産費用を法テラスが立て替えてくれる
だけど、『スムーズに生活を立て直していくためには、まずは自己破産をして借金を整理してから生活保護を申請するべき』なんですね!
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企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。