管財人って、どんなことまで調べるのかな?面談で厳しいことを言われたらどうしよう…。
管財人とは、自己破産手続きのサポート役で、主に財産の調査などを担当します。管財人は、約20~50万円の報酬が必要となります。
この記事では、管財人の詳しい業務内容や費用などについて、分かりやすく紹介しています!
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自己破産の破産管財人とは?
破産管財人は、自己破産ではかなり重要な役割を果たすんだけど、破産管財人がつかない自己破産手続きもあったりする。
これから、破産管財人について説明するね。
破産管財人は自己破産手続きのサポート役
(定義)
第二条
(略)
12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。
【引用:破産法 – e-gov】
自己破産ってのは、借金の返済義務がなくなる代わりに、手続きによっては、財産を債権者に分配するんだよね。
破産管財人は、債権者のために破産者の財産の調査・分配をし、債務者のために破産を認めて再起の機会を与えるという、両方の立場に立って仕事をするんだ。
だから破産者にとっては、むしろ心強いサポート役ともいえるんだよ。
破産管財人が選任される理由
もうひとつは、破産管財人がつかないと、債務者が処分されたくない財産を隠したりする可能性があるからだね。
あるいは、ギャンブルで遊び尽くした人に都合よく破産を認めることになってしまう可能性があるからなんだ。
破産者の監視役としても破産管財人が選任されるわけだね。
破産管財人が選任されるのは管財事件・少額管財事件のとき
自己破産には何種類か手続きがあるってことですか?
自己破産には二種類ある
それが、同時廃止事件(どうじはいしじけん)と、管財事件(かんざいじけん)の2つだよ。
自己破産をするときには、このどちらかの手続きが選択されるんだ。
手続きの種類 | 手続きの内容 |
同時廃止事件 | 債務者にお金に換えられるような財産がない場合に選択される手続き |
管財事件 | 債務者にお金に換えられるような財産がある場合や、ギャンブル・浪費が借金の原因である場合に選択される手続き |
逆に、管財事件は、債務者にお金に換えられるような財産がある場合に選択されるよ。
同時廃止事件なら管財人はつかない
管財事件になると管財人がつく
同時廃止事件と違って、お金に換えられるような財産があったり、債務者の生活態度について調査することになるから、財産の調査や管理等を行う破産管財人が必要なんだ。
少額管財事件は管財人がつくが費用が安い
普通の管財事件では費用が高く自己破産も利用しにくい制度になってしまう。そのため、自己破産の手続きを簡単にできる事案については費用を抑えられるようにして、自己破産手続きをより身近にしたものなんだよ。
個人で自己破産をするような場合には、管財事件よりもこの少額管財事件が選択されるよ。
少額管財事件となる条件
条件1 | 破産手続きの代理人が弁護士であること |
条件2 | 事件が複雑で、管財事件が選択されるものでないこと |
破産管財人が選任される割合は約4割
統計によれば、近年はほぼ横ばいの数値となっているとのことだから、今もこんな感じの割合だと思ってね。
自己破産が管財事件になるケース
そのうえで、割合を示すとしたら、だいたい約27%〜40%ぐらいが管財事件となると思っていたらいいよ。
これから、管財事件になるような場合について説明するね。
不動産や自動車など20万円相当以上の財産を保有している
なんで、20万円以上になる場合に管財事件になるんですか?
ギャンブルや浪費が原因で借金をした
このような場合、破産管財人によって財産関係を調査する必要性があるからだね。
どれだけギャンブルや浪費につぎ込んでるか、借金を返済する資力や意思などを調べて、破産を認めるべきかを判断しないといけないからだね。
会社経営者や個人事業主
だから、破産管財人によって、しっかり財産の調査・管理をしてもらう必要性が高いんだ。
その他免責不許可事由に該当する
この免責不許可事由は、法律で決まっているんだ。
(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
【一部抜粋:破産法 – e-gov】
条文をかみ砕いて、該当行為をあげるとこんな感じだよ。
免責不許可事由の一覧
- 債権者の邪魔をするために、自分の財産を隠したり、壊したり、価値を減少させる。
- 破産手続きを遅らせるために、新しく不利な借金を負う。
- 特定の債権者を優遇して弁済する。
- 浪費やギャンブルによって借金を作った。
- 破産申立ての日から1年以内に、破産するとわかってて、それを隠して借金をした。
- 自分の財産関係に関する書類を隠したり、偽造したりした。
- 破産業務の邪魔をした。
- 自己破産の申立て7年以内に自己破産決定があった。
保有している現金によって異なる
これは、民事執行法(みんじしっこうほう)という法律で決まっていることなんだ。下の条文の金銭というのが、99万円以上を指すよ。
注意してほしいのは、99万円以上の「現金」であって、預金はここに含まれないということだね。
どういった運用を行っているのか知りたい人は、居住地を管轄する地方裁判所に確認するか、弁護士に聞いてみると確実だよ!
破産管財人の業務内容は?どこまで調査するの?
財産の調査や処分をするといわれても、あまりよくわからないです。
債務額の確定
その一覧表に書かれている債権者には、破産者にいくら貸しているのかを書いた債権届を出してもらう。
この債権者一覧表と債権届出とを比較して、双方の主張する債権債務の内容が正しいかを確認するよ。
ちゃんとすべての債権者に金銭を配当して弁済する必要があるからですね!
財産の管理や処分
他にも、破産者の財産を、お金に換価する処分を行って、債権者に配当して弁済するのも、破産管財人の仕事だよ。
破産原因の調査
恥ずかしいから、なるべく調べられたくないんですけど…。
そして、調査の結果、借金を免除すべきかどうかの意見を裁判所に提出するんだ。
郵便物の転送
でも、破産管財人が郵便物の内容を確認した後は、郵便物を破産者に返却してもらえるから、自分が郵便物を確認できない心配はしなくて大丈夫だよ。
破産管財人の報酬はいくら?費用を払えない場合の対処法
以下からは、その費用の内訳と、費用を用意できない場合の対処法について解説していくね。
手続きの種類 | 費用 |
管財事件 | 約50万円 |
少額管財事件 | 約20万円 |
管財事件の場合、管財人の報酬は約50万円
だから、破産管財人の仕事も大変になる分、費用が高いわけだね。
でも、さっきも説明したように、個人で自己破産をするような場合には、次に紹介する少額管財事件になることがほとんどだから安心してほしい。
少額管財事件の場合、報酬は約20万円
費用は一括前払いが原則だが、分割できることもある
20万円を費用として払うのはなかなか難しいです。
このように、自己破産の運用は裁判訴によって大きく異なるんだ。だから。自分の住んでいる地域でどのような運用がなされているのか、弁護士に相談してみてね!
管財人費用を払えないときはまず弁護士に相談しよう
自己破産できないと困ります。
弁護士に依頼すると、債権者に対して「受任通知(じゅにんつうち)」というのを発送する。
そして、受任通知には法律上、債権者の取り立てを止める効果があるんだ。これを利用して、取立てを止めている間に費用を積み立てるという方法があるよ。
さらに、自己破産に詳しい弁護士だったら、予納金の用意をサポートするために、毎月弁護士に一定額を預けさせ、費用を用意できた段階で、自己破産を申し立てたりもする。
弁護士に依頼することで少額管財事件になるケースも多い
だから、わざわざ複雑な事案を扱う管財事件の手続きによる必要がないわけだね。
自己破産をするときは、弁護士を頼ってみよう。
厳しい管財人でも大丈夫!管財人との面談を成功させるコツと注意点
知らない人に任せるっていうのも怖いです。
これから、この面談について解説していこうか。
破産管財人との面談で聞かれる内容
ましてや借金の原因とかも聞かれちゃうんですよね…?
例えば、どうして借金ができたのかとか、今持ってる財産の詳細とか、破産するに至った経緯とかを聴いてくるよ。
破産管財人は、借金を免除してくれる方向で考えてくれるから、不安になりすぎず面談にのぞもう。
破産管財人に嘘をつくとリスクしかない
もしかして、ここで自分をよくみせておけば、免責される方向に向かったり…?
そもそも、管財人はすでに紹介したけど、裁判所に選任された弁護士がやるから、ウソをついても大概バレるよ。
浪費とかギャンブルとか無茶な借金ぐらいは、自己破産をする人の中では珍しくもないから、恥ずかしがらず、正直に答えるべきだね。
破産管財人の心証は自己破産に影響する
だから、ウソをついて自分をよく見せようとするような人は、反省の態度がみられず借金を免除すべきでないという方向に働いて、自己破産に失敗する可能性があるんだ。
しっかりと誠実に対応して、真面目に反省してる態度を見せ、破産管財人の心証をよくし他方がいいですね!
破産詐欺罪に該当する恐れがある
この詐欺破産罪を犯すと、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金、またはその両方が課されるよ。
(詐欺破産罪)
第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為
二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。
【引用:破産法 – e-gov】
気を付けよう。
書類を適切に作成し期限内に提出する
ちなみに、書類にウソを書いても、後々に書類に矛盾が生じてバレたりするからね。無駄なあがきはせずに、正直に書こう。
あと、期限外提出は、破産管財人に対して悪い印象を与えてしまう。破産管財人としては「書類も出せないのに、今後生活を立て直すことなんてできるの?」と思うからね。
破産管財人の心証は大事だから、しっかり余裕をもって書類を作成し、提出しよう。
自己破産手続きを弁護士に依頼する
でも、弁護士なら、書類作成から裁判所や債権者とのやり取りまで、自己破産の手続きをすべてを代理人としてやってくれるんだ。
それに、破産管財人のなかには、司法書士が面談に同行することを拒否してしまうことがあるんだ。
でも、弁護士なら破産管財人との面談の同席を許可してくれる。法律の専門家が面談についてきてくれる安心感が1つ目のメリットだね。
まとめ
- 破産管財人は、管財事件の時に選任される、自己破産手続きのサポート役。
- 自己破産手続きで、管財事件となるのは、約27%ぐらい。ギャンブルや浪費などの免責不許可事由に注意!
- 破産管財人は、破産者の郵便物、財産の管理・処分、破産に至る経緯の把握などを業務として行う。
- 破産管財人の報酬費用は、20~50万円するが、費用を分割したり、費用を積み立てたりできる。
- 破産管財人の心証は、自己破産の成功・失敗を左右するから、面談では正直に誠実に対応すること!
- 自己破産手続きは弁護士に頼むのが一番オススメ!
まずは、弁護士に相談しにいくところから、始めてみよう!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。