自己破産

「少額管財事件」とは?自己破産の手間や費用の負担を軽くする制度

さいむくん
さいむくん
自己破産をカンタンに安く済ませる方法があるって聞いたんですけど、ホントにそんな裏ワザみたいなものがあるんですか?
裏ワザとかそんなものじゃないよ。

さいむくんが言っているのは「少額管財事件」のことだね。

たしかに、通常の自己破産と比べると手続きもカンタンになっているし、自己破産にかかる費用も抑えられるんだ。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
でも、少額管財事件の制度を利用するには条件があるんですよね?
そもそも少額管財事件は「自己破産って面倒だし、お金もないから手続き費用も払えない」っていう人のために創設された制度だから、条件はきびしくないよ。
せんせい
せんせい

「自己破産」にはいくつかの種類があります。そのひとつが「少額管財事件」です。

自己破産という言葉は知っていても「少額管財事件」という名前は聞いたことがない方も多いでしょう。

少額管財事件の内容や適用の基準、注意点を解説します。

\LINEで減額診断しよう!/

無料!匿名OK!

少額管財事件とは

せんせい
せんせい
まずは「少額管財事件」がどんな手続きなのかを確認しておこう。
なんか「事件」って言われるとちょっと身構えちゃいますよね…
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
「事件」って聞くとどうしても犯罪をイメージしちゃうよね。

でもそれは「刑事事件」っていう意味で、ここでは「手続き」という意味の法律用語だと理解しよう。

破産手続きを容易にした制度

せんせい
せんせい
少額管財事件とは、半年から1年くらいはかかる自己破産の手続きを簡素化して、ぐっと短縮する手続きだよ。

通常なら何度も裁判所に出向いたり貸主との集会に何度も参加したりといった手間がかかるけど、少額管財事件では原則1回の期日で済むんだ。

手続き開始から終結までの期間はおおむね3か月だから、負担は大幅に軽減されるよ。

\LINEで無料相談しよう!/

↓↓自己破産に強い↓↓

破産手続きにかかる費用負担が軽い

せんせい
せんせい
少額管財事件では、裁判所に支払う費用が安く済むんだ。

自己破産の手続きを進める際は、財産の調査や処分のために裁判所が「管財人」を指定することになる。

その管財人に支払う報酬として「予納金」が必要になるんだけど、通常なら50万円以上かかるところが少額管財事件ならおおむね20万円で済むんだ。

お金がなくて困っている人が自己破産のために50万円も用意するのって、ほぼ無理ゲーですもんね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そういうこと!自己破産の制度は「経済的に困っている人を救うため」にあるし、自己破産を定めている破産法という法律にもその趣旨が明記されているんだ。

それなのに「お金がなくて手続きを進められない」という人も少なくないから、救済策として創設されたという背景があるよ。

「おおむね20万円」ってことは、20万円よりも高くなったり、安くなったりすることもあるんですか?
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
東京地裁では「最低20万円」とされているけど、ほかの地裁では20~23万円くらいを設定しているところが多いみたいだね。

債権者(貸主)を保護する目的もある

せんせい
せんせい
借金返済が難しい人に少額管財事件という制度を用意することは、かならずしも債務者(借主)だけに有利なわけじゃないんだ。
どういうことですか?
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
自己破産には「ぜんぜんお金も財産もない」という人のために、手続きを開始してすぐに破産を決定する「同時廃止」という手続きがある。

この手続きだと、債権者(貸主)は貸したお金を回収するチャンスがなくなるんだ。

でも、少額管財事件なら、少なくとも「どのくらいの財産があるのかを調べて換金するチャンスはある」ってことになるよ。

なるほど…いきなり「争ってもムダ」みたいな結論をつきつけられるなら、貸主にとっては少額管財事件のほうが有利なんですね。
さいむくん
さいむくん

「少額管財」ができるのは東京地裁だけ?

せんせい
せんせい
実は、少額管財事件はどこの裁判所でも利用できるわけじゃないんだ。

お住まいの地域によっては、少額管財事件を利用できないこともあるから注意が必要だよ。

少額管財は東京地裁が始めた独自の制度

せんせい
せんせい
少額管財事件は、平成11年に東京地裁がはじめた独自の制度だったんだ。

これが全国にも広がったわけだけど、導入していない地域もある。

だから、少額管財事件の取り扱いがないところに住んでいると本制度を利用できない。

少額管財事件をはじめたのが東京地裁なら、どこに住んでいても東京地裁に申請すればいいんじゃないですか?
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
ところが、自己破産を含めて裁判所の手続きには「管轄」がある。

東京に住んでいるわけじゃないのに東京地裁に申立てをすることは「管轄違い」となるからNGなんだ。

名称が違うだけで全国に同様の制度がある

ともだち
ともだち
自分が住んでいる地域の裁判所が少額管財事件を取り扱っていなければ、少額管財事件としての取り扱いは受けられないんですね。
ただし、少額管財事件と同様の制度は全国に広がっている。

一般管財・簡易管財・小規模管財・少額予納管財・e管財などさまざまな名称で若干の違いはあっても基本的には同じものだと考えておけばいいよ。

せんせい
せんせい

少額管財事件の基準

せんせい
せんせい
少額管財事件を利用できる基準をまとめておこう。
少額管財事件の基準

手続き上の基準

  • 弁護士が代理人として申し立てること
  • 代理人弁護士によって事前の財産調査が尽くされていること

財産の基準

  • 資産総額が60万円未満であることが確実
これは個人が自己破産する場合の基準だけど、法人・個人事業主でも基本的な条件は同じだとおぼえておけばいい。

もっとも、事業をしていると事件も複雑になるから、債権者の数が300を超えたり、消費者問題に発展していたりするケースでは少額管財事件にならない可能性も高いよ。

せんせい
せんせい

少額管財事件のデメリット

せんせい
せんせい
少額管財事件は、借主にとってメリットをもたらすだけではないよ。

一定のデメリットがあることもしっかり理解しておこう。

弁護士による十分な財産調査が必要

せんせい
せんせい
少額管財事件は、個人での申立てを認めていない。

これは、弁護士によって事前に十分な財産調査が尽くされている必要があるからなんだ。

すると、個人が裁判所にいって「少額管財事件にしたい!」と言ってもダメなんですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
代理人弁護士による申立てが必須だから、個人で申し立てると通常の自己破産としての扱いを受けてしまうよ。

少額管財事件を扱っていない裁判所がある

せんせい
せんせい
少額管財事件を取り扱っていない裁判所が存在することも忘れてはいけないよ。
どうして少額管財事件を導入していない裁判所があるんですか?

いい制度だと思うから全国どこでもやればいいのに…

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そう思うよね?でも、少額管財事件を扱っていない裁判所は「借主に厳しい」っていうわけじゃないんだ。

この点は、次のポイントにつながるよ。

資産が20万円未満なら同時廃止のほうが有利

せんせい
せんせい
資産が20万円未満の場合は、財産調査の必要がない同時廃止のほうが圧倒的に有利だよ。

管財人が選任されないから予納金を支払う必要もないし、手間もかからないんだ。

それと「少額管財事件を扱っていない裁判所がある」ことと、何の関係があるんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
少額管財事件のポイントは「管財人による調査・処分の手間が大きく省かれている」という点にある。

少なくとも「大して調べもせずに結論が出る」ってわけじゃないから、管財人の仕事がなくなるわけじゃないんだ。

すると、管財人になる弁護士が少ない地域だと、少額管財事件よりも管財人の手間がない「同時廃止」のほうが選択されやすくなるよ。

なるほど!「少額管財事件にするくらいなら同時廃止」っていう考え方ですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
実際に自己破産のなかの内訳をみると、少額管財のほうが少数なんだ。

地域によっては少額管財の対象になるケースでも基準をゆるめて同時廃止にすることも多いから、地域性を理解している弁護士にアドバイスをもらうといいよ。

\LINEで無料相談しよう!/

↓↓自己破産に強い↓↓

少額管財事件にかかる弁護士費用

せんせい
せんせい
少額管財事件は「費用が抑えられる」といっても、それは裁判所に支払う予納金の話。

かならず代理人弁護士による申立てを求められる以上は、弁護士費用の負担は避けられないんだ。

弁護士費用の内訳

せんせい
せんせい
弁護士に自己破産の手続きを依頼すると、ここで挙げるとおり弁護士費用が発生するよ。

費用の項目

内容

相場

相談料

法律相談にかかる費用

30分あたり5000

着手金

依頼を受任したときにかかる頭金

2530万円

報酬金

依頼が成功したときに発生する報酬

2530万円

すると、50~60万円くらいの弁護士費用はかならずかかるってことですね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
決して安いとはいえない費用がかかるけど、弁護士が代理人になったことを「受任通知」で知らせれば返済はストップする。

すると毎月の返済もとりあえず止まるから、返済分を弁護士事務所にストックすれば数か月以内に着手金分のお金が貯まるよね?

「お金がないから弁護士にも依頼できない」とためらうよりも、まずは費用の負担も含めて弁護士に相談してみよう。

\LINEで無料相談しよう!/

↓↓自己破産に強い↓↓

少額管財事件なら自分でやったほうが安い?

さいむくん
さいむくん
少額管財事件にするためには弁護士費用がかかる…って言われると「弁護士にお願いせずに費用を節約したい」って考えちゃいますよね。
たしかに、50~60万円の弁護士費用の負担を考えるなら「自分でやったほうがいいのでは?」と考えるかもしれない。

でも、少額管財事件では弁護士による申立てが必須だから、自分で申し立てると通常の「管財事件」として扱われるんだ。

予納金も50万円以上になるし、ぜんぶ自分ですると手間もかかるから、結果、自力で進めるメリットは小さいよ。

せんせい
せんせい

\LINEで無料相談しよう!/

↓↓自己破産に強い↓↓

まとめ

せんせい
せんせい
少額管財事件は、自己破産のなかでも「手間・費用の負担が軽い」という手続きだよ。

東京地裁がはじめた制度だけど、全国にも同じような制度があるから裁判所のホームページやその街で活躍している弁護士に尋ねてみよう。

少額管財事件とは
  • 通常の自己破産(管財事件)よりも手続きが容易で予納金の負担も少ない手続き
  • 原則1回の期日で終了、3か月くらいで終結できる
  • 予納金がおおむね20万円で済む(通常の管財事件は50万円~)
  • 財産の総額が60万円未満で弁護士が代理人として申し立てる必要がある
  • 予納金の負担は少ないが、弁護士費用が発生する

少額管財事件は地域によって運用が異なる点もあるから、まずはお住いの地域で自己破産の実績が豊富な弁護士に相談することをおすすめするよ。
せんせい
せんせい
弁護士に相談することで
借金を大幅に減らせる可能性があります。
催促の電話を止めたい
毎月の返済額を減らしたい
返済するのが難しくなった
過払い金があるのか気になる

まずは借金問題の解決実績が豊富な
FAST法律事務所に無料でご相談ください。

今すぐご相談されたい方はこちら
0120-201-727
受付時間:24時間
著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール