自己破産

自己破産による親の財産や相続・家族・子供への影響は?財産を残す方法

さいむくん
さいむくん
自己破産すると、生活に必須の財産以外は失っちゃうんだよね?

そうすると親の財産ってどうなっちゃうのかな?

確かに…。自己破産と相続との関係も気になるよね。

そうだ!自己破産に詳しい弁護士の先生に相談に行ってみようよ!

ともだち
ともだち

自己破産についてお調べの方でこのようにお悩みの方はいませんか?

この記事では、自己破産によって親や配偶者の財産にどのような影響を及ぼすのか詳しく紹介しています。

また、財産を残すことができる、自己破産以外の債務整理の方法についても紹介しています!

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自己破産による親の財産相続への影響

せんせい
せんせい
ではまず、自己破産と相続との関係について紹介していくね。

自己破産も相続もややこしい法律のルールがあるんだけど、なるべく簡単に紹介するからしっかり読んでいってね!

相続できるかは、破産手続きのタイミングで決まる

せんせい
せんせい
自己破産をする人が親の財産を相続できるかどうかは、タイミング次第なんだ。

自己破産手続きを開始する前に相続が発生したのか、 開始後に相続が発生したのかで異なってくるんだよ。

確か相続は原則として、相続される人(今回は、親) が亡くなった時に発生するんだよね。

そうすると、自己破産する人が親の財産を相続できるかどうかは、 親の死亡時が破産手続き開始の前か後かで異なるってことか。

ともだち
ともだち

(相続開始の原因)
第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。
【出典】e-gov

せんせい
せんせい
そうそう。

これは、自己破産で清算することとなる財産の対象を、相続開始手続き開始時を基準に線引きするからなんだ。

少しややこしい話になってきたから、ここからは具体例で説明するね!

自己破産手続き開始後に相続が発生した場合:〇

せんせい
せんせい
自己破産手続き開始後に相続が発生した場合、つまり自己破産手続きを開始した後に親が亡くなった場合を考えてみよう。

この場合、相続財産は自己破産における清算の対象とはならないから、問題なく親の財産を相続することができる。

それって相続財産が多額の現金や不動産でも同じなの?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そういうことになるね。ただし、相続財産が必ずしもプラスとは限らない。

相続の対象には、現金などのプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も含まれるんだ。

(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
【出典】e-gov

なるほど。

じゃあ、せっかく自己破産をして借金から解放されたのに、親の財産を相続することによって、また借金を背負ってしまう可能性もあるのか…。

そうすると、 自己破産手続き開始後に親の財産を相続しようとする人は、相続すべきか相続放棄すべきかの相談を弁護士にしたほうがいいね!

ともだち
ともだち

自己破産手続き開始前に相続が発生した場合:×

せんせい
せんせい
次に、自己破産手続き開始前に相続が発生した場合、つまり自己破産手続きを開始する前に親が亡くなった場合を考えてみよう。

この場合には、相続財産が自己破産における清算の対象となるから、相続した財産も基本的に手放さなければならなくなる。

じゃあ、親から相続した不動産なども清算されちゃうんだね…。

逆に言うと、相続によって親のマイナスの財産(借金など)を相続した場合であっても、自己破産によって、その借金などから解放されることができるのか。

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
まとめるとこう!
自己破産手続き開始後に相続が発生した場合 親の財産は相続される
自己破産手続き開始前に相続が発生した場合 親の財産も相続分は没収される

自己破産前に相続が決まった場合の対処法

さいむくん
さいむくん
でも先生、親がいつ死ぬかをコントロールすることはできないわけで…。

もし自己破産手続きの開始前に相続が起きてしまったら、どうしたらいいの?

自己破産の申し立て前に相続が始まった場合は、正直ちょっとラッキーかも。

この場合には相続した財産を借金の返済にあてるなどして、自己破産を回避できる可能性があるもんね。

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
自己破産の申立をした後であって、自己破産手続き開始決定がなされるまでに相続が開始した場合、これは正直最悪のパターンだ。

自己破産には比較的手続きの簡単な同時廃止事件(どうじはいしじけん)と、手続きに費用と時間がかかる管財事件(かんじじけん)の二種類があるんだけど、このケースでは財産関係がややこしいからまず管財事件になってしまうだろうね…。

この場合、兄弟など他の相続人がいる場合には、思い切って相続放棄するのもいいかも。

相続放棄をすると一切の相続財産を受け取ることができなくなってしまうけど、その代わり不動産などを他の相続人名義で残すことができるもんね。

ともだち
ともだち

自分が自己破産:親・配偶者の財産への影響

さいむくん
さいむくん
なるほど…。自己破産と相続って、結構タイミングが命なんだね。

ここまでは親が死亡した場合について教えてもらったので、 以下からは親が生きてる間に自己破産をした場合、 親の財産にどのような影響があるのか教えてもらおう!

親・配偶者の財産に基本的には影響はない

せんせい
せんせい
や配偶者が存命の場合、 自分が自己破産をしたとしても、彼らの財産には特に影響はないと考えていいだろう(影響がある場合については後述)。

自己破産で清算の対象となる財産は、あくまで申立人の保有している財産に限定されるからだ。

安心した~。

自分が自己破産をすると、親が親名義で所有している家も売らなくちゃいけないのかと思ってた。

さいむくん
さいむくん

親・配偶者が保証人の場合には影響がある

せんせい
せんせい
ただし自己破産をすることにより親や配偶者に影響が出る場合もある。

一つ目は、親や配偶者が、さいむくんの保証人になっている場合だ。

自己破産をすることによって、さいむくん自身は借金から解放されるけど、その代わりに保証人が返済をしなければならないんだ。

不動産のローンなど、比較的高額な借金の場合には、親や配偶者が保証人になってることが多いんじゃないかな?

もしも保証人がその借金を返済することができない場合、 その保証人も自己破産をしなくちゃいけないってパターンもあるかも…。

連鎖破産だね…。

ともだち
ともだち

家などの共有財産には影響がある

せんせい
せんせい
自己破産が親や配偶者に影響を及ぼす二つ目のパターンは、 不動産などがさいむくんと共有名義になってる場合だ。

複数の兄弟で親から不動産を相続した場合や、 配偶者とペアローンで不動産を購入した場合、複数の人々の間でその不動産が共有名義になっていることがある。

げっ。その場合、不動産を手放さなくちゃならなくなって、みんな家から追い出されるの?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
いやいや、さいむくん以外の名義人は、自分の持ち分をそのまま持ち続けることができるから、基本的に家を追い出されることはないよ。

問題は、さいむくんの持ち分が清算されて他人がこれを購入した場合、その他人が共有者として名前を連ねることになるんだ。

じゃあ、「所有者:さいむ兄、さいむ妹、知らないおっさん」って状況になっちゃうってこと!?

イヤすぎるな!

さいむくん
さいむくん

自分が自己破産:家族に隠すことが難しいケース

さいむくん
さいむくん
先生、自分が自己破産をしたことで家族に迷惑をかける可能性は低いように感じたんですが、「家族にバレずに自己破産する」というのは可能なんですか?
これに関しては、「バレずに破産できるケース・できないケース」がある。

ここでは、隠すことが出来ないケースに関して説明していこう。

逆にいえば、これから説明するものにあてはまらなければ、隠すことができる可能性があるということだよ。

先生
先生

親からお金を借りているケース

先生
先生
まず、親にお金を借りている人が自己破産する場合、これはどうしても隠すことはできない思った方がいい。

破産の手続きを開始したことら、親のところにも「破産手続き開始通知」が送られるからね。

そして、以下のような行動をとるのは絶対にNGだよ。

親に対する借金があることを裁判所に隠して手続きする

先生
先生
破産手続きが開始したら、お金の流れや貸し借りについては調査される。

親に対する借金を意図的に隠していることが発覚したら、自己破産自体が失敗に終わる可能性が高くなる

絶対にやめよう。

親への借金だけを完済してから自己破産

先生
先生
他の借金が継続的に返済できていない状態なのに、親への借金だけは返済しつづける。

これは「偏波弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれる、NG行為なんだ。具体的には「債権者平等の原則」に反していることになる。

債権者平等の原則とは…

すべての債権者に平等に借金を返済していかなければいけない、という原則

これを破ってしまうと、やはり自己破産が失敗する可能性が高くなるんだよ。
先生
先生

親が子の借金の保証人になっているケース

先生
先生
親が子の借金の保証人になっている場合、やはり自己破産を隠し通すことはできない。

自己破産をしたら、手続きをした本人の借金はゼロになる。でも、本来債権者に返済されるはずだったお金は、破産後は保証人が返済していくことになるんだ。

これに関しては対処法はないし、どうすることもできないかな。

同居し生計をともにしている家族がいるケース

先生
先生
同居し、生計をともにしている家族がいる場合、その人に知られないように自己破産をするのは難しい。

自己破産をする際、本人の収入や支出をチェックされるんだ。「自己破産は妥当かどうか」を判断する必要があるからね。

当然、生活費を出し合っている家族の収入や支出についても調査が入る。

だから、こっそり自己破産することは難しい。

逆にいえば、同居していない家族であれば、隠し通せる可能性も高まるということですね!
ともだち
ともだち

親が自己破産:子の財産や生活への影響は?

ともだち
ともだち
先生、一応聞いておきたいのですが、親が自己破産した場合、子に悪い影響はないんでしょうか?

例えば、進学だったり、就職だったりとか。

「子が破産したケース」と同じく、破産した本人以外にはこれといった悪影響はないんだ。

とはいえ、親の立場からすると「親の自己破産が子の人生の足を引っ張ったりしないだろうか」なんて心配になったりするよね。

先生
先生

子の財産には基本的に影響なし

先生
先生
親の自己破産が子の財産に影響を与えることはない。これは、子が自己破産した場合と同じだね。

あくまで借金も自己破産も、本人だけの問題だからね。

さっきもいったけど、「親の借金の保証人が子」の場合は注意してね!

子の進学や就職・結婚にも影響なし

先生
先生
親の借金が子の進学や就職、結婚などに影響を与えることはない。

そもそも「お金を貸していたが破産をされてしまった業者」などでない限り、「その人が自己破産したかどうか」を知る方法がほとんどないんだよ。

「戸籍に記録が残ったりしないだろうか」なんて心配する人もいるけど、戸籍表(戸籍謄本)に「自己破産したかどうか」を記載する欄なんてないからね。

子の借入やクレジットカード審査に影響なし

先生
先生
親が自己破産をしたからといって、子までローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなったりする、ということないよ。

親と子の信用情報は別物だからね。
ただし、親が自己破産をしてしまうと、子の保証人になることができなくなる。

例えば子を引っ越しをする際に保証人になれない、などの場面で不都合が出てくる可能性はあるね。

自己破産で起こる家族の生活への影響とは

せんせい
せんせい
ここまでは、自己破産によって親や配偶者の「財産」に対する影響について紹介してきた。

以下からは、自己破産が親や配偶者の「生活」にどのように影響するのかをみていこう。

家・車などの財産を失う

せんせい
せんせい
自己破産をすることにより、申立人名義の不動産や自動車などを基本的に手放さなければならないことは知っているよね。

もしさいむくんの単独名義の住宅や自動車を、家族も利用している場合、そうした家族のみんなもこれらの財産を使うことができなくなってしまうんだ。

後ほど詳しく紹介してもらう予定なんだけど、自己破産によって全ての財産を失うわけではないんだよね。

とはいえ、不動産や自動車は基本的に高額なものだから、自己破産後にこれらを手元に残しておくのは難しいのかも…。

ともだち
ともだち

任意整理を利用すれば財産を残すことができる

せんせい
せんせい
そもそも自己破産っていうのは、一旦全てを手放して、ゼロから人生を再スタートしよう!という制度だからね…。

高価な財産を手元に残すのは難しいんだ。

この点、任意整理という、直接消費者金融などのお金の貸し手と交渉をして、基本的には今後の利息をカットしてもらう手続きがある。

任意整理の場合には特に手持ちの財産を手放す必要はないから、今まで通りの生活を続けることができるんだよ。

ただし、任意整理は手続き終了後も返済義務が残るし、元本自体を減額することは難しいみたいだね…。

そうなると、利息をカット出来たとしても返済できない!という人には向いていないのかも。

ともだち
ともだち

財産を守るために隠したり名義を変えるのはNG!

先生
先生
ここまでで「親が自己破産したら」「子が自己破産したら」について、説明してきたけど、理解できたかな?

破産が親子に影響を与えるのは、主に以下のようなケースだったよね。

①親⇔子でお金の貸し借りがあった場合
  • 親子の借金だけ完済してから自己破産(NG)
  • 親子の借金だけ裁判所に隠して自己破産(NG)

→上記のような行為をすると自己破産が認められなくなる可能性がある

②親⇔子でどちらかが保証人になっていた場合
  • 破産した本人は借金がなくなるが、保証人が返済することに

→「保証人も一緒に破産する」くらいしか対処法がない

③親子で共有している財産があった場合
  • 財産を没収(差し押さえ)されてしまうのは、本人名義のもののみ

→破産前に他人の名義を変更しておけば、差し押さえられなくて済むのでは?

①②についてはもう説明済みだよね。

問題は③。

先生
先生
さいむくん
さいむくん
例えば親が自己破産する際、手続きを始める前に、親名義の車や不動産の名義を子に変えておけば、差し押さえの対象とならない、ということですか?
それについて説明してなかったけど、残念ながらそれは無理なんだ。

破産前に財産の名義変更をして差し押さえから逃げようとする行為は「財産隠し」に該当し、破産が認められなくなってしまう

悪質な場合には「破産詐欺罪」で刑事罰に問われる可能性もあるから絶対にやっちゃだめだよ。

自己破産をしたら借金がゼロになる。

その代わり自身の財産も失うことになる。

これはどうしても避けようがないんだ。

先生
先生

債務整理で財産を残す方法

さいむくん
さいむくん
なるほど…。

債務整理にも色々な種類があってそれぞれのメリットやデメリットがあるんだね…。

先生、債務整理をした後に手元に財産を残す方法って、何かないの?

自己破産で残せる財産

せんせい
せんせい
自己破産はゼロから再スタートをするための制度だと述べたけど、実はすべての財産を手放さなければならないというわけではないんだ。

全ての財産を手放すと生活が出来なくなってしまうからね。

以下のものは、自己破産後も手元に残すことができる代表的な財産の例だ。

手元に残すことができる財産
  • 99万円以下の現金
  • 20万円以下の預金
  • 生活に不可欠な家具や衣服
  • 仕事道具
  • 給料や退職金のうち4分の3以上
  • 公的年金や失業給付金などの給付
つまり生活に必要な最低限の財産は手元に残すことができるってことだね!

自己破産の運用は地域によって様々で、評価額20万円以下の自動車などは残せるところもあるみたい。

自分の持っている財産を自己破産後も手元に残せるかどうか気になる人は、まずは弁護士に相談してみよう!

ともだち
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他の債務整理も検討しよう

せんせい
せんせい
先ほども少し紹介したけど、 任意整理を検討してみるのもありだね。

他にも個人再生というものがあるよ。

これは、裁判所に返済計画を認めてもらい、大幅な元本減額をしてもらったうえで、原則3年かけて分割返済していく手続きのことだ。

これら債務整理にはそれぞれメリットやデメリットがあって、どの手続きを選択すべきかの判断はすごく難しいんだよね。

自分の借金がいくら減らせるのか気になる人や、何を選択すべきか分からない人は、弁護士に相談して考えてみるといいかも!

一人で無理に悩んだりせずに、まずは借金問題解決のプロである弁護士に相談してみよう!

ともだち
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債務整理の種類

まとめ

さいむくん
さいむくん
今回の話をまとめると次のようになるね
今回の記事のまとめ
  • 相続財産を手元に残せるかどうかは、相続開始のタイミングによって異なる
  • 自己破産によって、存命の家族や配偶者の財産に影響が及ぶことは基本的にない
  • ただし、生活に影響を及ぼす可能性はあるので、他の債務整理も検討してみよう
今回は、自己破産によって、親や配偶者の財産・生活にどのような影響が及ぶのかについて紹介してきた。

そもそも相続については、相続放棄を3ヶ月以内にしなければならなかったり、実はややこしい規定がたくさんあるんだ。

もし今、債務整理だけではなく相続に関する問題を抱えている人は、時間制限が過ぎる前にすぐに弁護士に相談してほしいな!

せんせい
せんせい
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール