困っているみたいだし、保証人くらいなってあげても大丈夫だよね?
借金の保証人や連帯保証人は、みんなが思っているよりもとても重い責任を負わされることになるんだよ。
保証人についてしっかりと理解してからの方がいいんじゃないかな?
借金問題について詳しい先生のところに、話を聞きに行ってみよう!
『借金の保証人になるのを頼まれたけど、自分が返済しなくちゃいけなくなる可能性っあるの?』
『困ってるみたいだし、自分が保証人になって解決するなら、力になってあげてもいいかな…。』
このように、借金の保証人になることを頼まれた人は様々な心配があるはず。
結論からお伝えすると、保証人・連帯保証人になるのは『自分が支払ってもいい』という覚悟がない限りは避けるべきです。
保証人にならないかと相談された時には、保証人とはなんなのかをしっかりと理解しておくことが重要です。
この記事では、以下の3点を中心に借金の保証人について詳しく解説していきます。
- 借金の保証人の義務|保証人と連帯保証人の違いとは
- 保証人が借金を請求された時の対処法
- 勝手に保証人・連帯保証人にされていた時の対処法
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借金の保証人の義務とは?
保証人・連帯保証人の責任というのは、実はとても重いんだ。
まず最初に、借金の保証人が背負うことになる義務について、簡潔に教えておくね。
主債務者が借金を返済できなくなった時に支払い義務を負う
(保証人の責任等)
第四百四十六条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
【引用:民法第446条 – e-Gov法令検索】
お金を貸す人(債権者)からすると、本当に支払いができるかどうか怪しい人でも、保証人がいるのなら安心して契約できるからね。
契約者本人が支払いができない状態が続いた場合には、保証人や連帯保証人になっている人が請求を受けることになるのさ。
また、もしも契約した人が失踪したり死亡した場合にも、保証人が支払義務を引き継ぐことになるね。
保証債務には、未払い金の元本だけではなく利息や違約金、遅延損害金などまでもが含まれることも覚えておこうね。
(保証債務の範囲)
第四百四十七条 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
【引用:民法第447条 – e-Gov法令検索】
親が死亡した場合も保証人の家族の支払い義務はなくならない
だけど、親の借金の保証人になっていた場合は相続とは関係なく必ず支払義務を背負わされることになるのさ。
たとえ身内であっても、借金の保証人になるのはよく考えた方がいいといえるね。
保証人が支払いに応じないと財産の差し押さえなどを受けるリスクがある
裁判を起こされると、未払い分を強制的に回収するための差し押さえを受けることになるよ。
差し押さえを受ける可能性がある財産は以下のようなものだね。
- 給料の一部
- 預金残高
- 持ち家やマンションなどの不動産
- その他車やバイク、貴金属などの高価な財産 など
『名前だけ貸して欲しい』『迷惑はかけない』と言われても、安易に保証人になるのは避けるべきといえるね。
保証人と連帯保証人の違い
連帯保証人は保証人よりもさらに重い責任を負うことになると覚えておいてね。
連帯保証人は主債務者本人と同じだけの責任を負う
連帯保証人 | 保証人 | |
債務に対する責任 | 主債務者と同じ | 保証債務のみ |
責任を持つ金額 | 全額 | 保証人の数で割った金額 |
裁判所からの強制執行 | 避けられない | 主債務者が強制執行を受けたあとのみ |
債権者からすると、保証人とはあくまで『主債務者の肩代わりをさせることができる相手』。
たとえば、債権者はまずは主債務者に対して裁判を起こしてからでないと、保証人から強制的に借金を回収することはできないんだ。
それに対して、連帯保証人は主債務者とまったく同じような扱いを受けることになるよ。
つまり、主債務者が支払いを怠った場合は、いつでも連帯保証人が裁判によって強制的に支払いを命じられる恐れもあるってわけだね。
保証人だけにはあるが連帯保証人にはない権利
保証人は、主債務者ほどの責任を負わなくてもいいようにいくつかの権利が認められている。
それに対して、連帯保証人は保証人にある権利が認められないから、主債務者と同じだけの責任を負うことになるのさ。
(連帯保証の場合の特則)
第四百五十四条 保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条(民法第452~453)の権利を有しない。
【引用:民法第454条 – e-Gov法令検索】
まずは本人に請求を求める(催告の抗弁権)
(催告の抗弁)
第四百五十二条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
【引用:民法第452条 – e-Gov法令検索】
保証人は催告の抗弁権を持つため、主債務者より先に請求を受けたとしても拒否ができるよ。
本人が財産を持っているのでそちらからの返済を求める(検索の抗弁権)
(検索の抗弁)
第四百五十三条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
【引用:民法第453条 – e-Gov法令検索】
保証人は検索の抗弁権を持つため、自分が請求を受けた時に主債務者の財産を差し押さえるように主張することができるよ。
Aさんが返済を怠ったせいで、債権者がBさんに対して請求を送ってきたとする。
その際に、Bさんは『Aさんの銀行口座残高を調べればお金があるはずだから、そっちから先に差し押さえてください』と債権者に対して主張できるってわけさ。
保証人同士で借金を分担する(分別の利益)
(分割債権及び分割債務)
第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
(数人の保証人がある場合)
第四百五十六条 数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。
【引用:民法第456条 – e-Gov法令検索】
保証人は、自分以外の保証人が支払いを怠った場合でも、自分の負担分だけを支払えばいいのさ。
ちなみに、複数の保証人がいる保証契約のことを『共同保証』と呼ぶよ。
保証人が借金を請求された時の対処法
とはいえ、どうしても仕方がなく自分が保証人になってしまって、主債務者が返済を怠って請求を受けてしまう可能性もある。
ここでは、自分が保証人になっている借金について請求を受けた際の対処法を詳しく解説していくよ!
①『催告・検索の抗弁権』を利用する
保証人には、債権者に対して『主債務者からきちんとお金を回収してください』と主張する権利があることを覚えておこう。
ただし、連帯保証人の場合は『催告・検索の抗弁権』がないから注意してね。
②古い請求の場合は時効の援用を行う
貸金業者やカード会社などへの支払いは、基本的に『最終支払日から5年間』が経過していれば時効を成立させられるんだ。
ただし、昔のものだからと放っておいても勝手に支払義務がなくなるわけではないから気をつけてね。
実際に時効を成立させて支払義務から逃れるためには、『時効援用(じこうえんよう)』という手続きが必要になるよ。
『時効にできるかも?』と思った時には、専門家である弁護士などに相談して時効援用を検討してみよう!
③弁護士に相談して債務整理を行う
弁護士は法律の専門家でもあるけれど、借金問題解決のプロフェッショナルでもあるんだ。
弁護士に相談すれば、債務整理(さいむせいり)という手続きによって借金が減額・免除してもらえる可能性があるよ。
債務整理とは、法律の力をつかって借金を減額する手続き。
いわば借金に困った人のための救済措置で、破産法や民事再生法といった法律によってしっかりと保障されているよ。
債務整理には、主に以下の3つが含まれるね。
名称 | 概要 |
任意整理 |
|
個人再生 |
|
自己破産 |
|
それに、債権者や主債務者とのトラブルが起きた際の解決にも力になってくれるよ。
保証人関連で悩みがあった場合には、弁護士に相談してみるのがオススメだよ!
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勝手に保証人・連帯保証人にされていた時の対処法
ちょっと話は変わるけれど、弁護士に寄せられる相談の中には『勝手に保証人にされてしまっていた』というものもあるんだ。
自分の承認なしに保証人にされてしまっていたとしても、もちろん支払義務を負う必要はない。
とはいえ、正しい対処を知っておかないと、勝手に保証人になったまま請求を受ける恐れもあるんだ。
ここでは、勝手に借金の保証人にされてしまっていた場合の正しい対処法について説明しておくね。
①請求を放置しない
だけど、保証人・連帯保証人として請求を受けたということは、債権者からしたら『あなたは保証人だ』と認識しているわけだよね。
いくら自分が承認していないからといって、保証人として請求を受けた以上契約上での責任は生じてしまう。
放置をしているといずれは債権者側から裁判を起こされて差し押さえを受けるリスクもあるのさ。
もしも勝手に保証人にされていた場合でも、決して無視はしちゃダメだよ。
②保証契約を確認して事実関係を整理する
契約者が債権者と勝手に口約束をして保証人にされてしまっているようなケースでは、その契約は無効だと主張することができるよ。
ただし、印鑑を持ち出されて勝手に保証人とされてしまったような場合は、『印鑑などの管理がずさんだった』として、責任を追求される可能性もあるんだ。
主債務者と連絡を取り合って、しっかりと話をする必要があるといえるね。
③弁護士に相談する
保証人として急に見覚えのない請求を受けたあとに債権者と直接やりとりをしてしまった時など、保証契約を認めてしまったとみなされる可能性もあるからね。
身に覚えのない請求を受けた場合には、一つ一つの対応を慎重に行わなくてはいけない。
思わぬ被害を受けないためにも、少しでも早く弁護士に相談するのがオススメだよ。
保証人になって後悔?体験談を紹介
実際に、保証人になって後悔した人とかって多いのかな?
それでは、保証人になった人の体験談をいくつか紹介しておこう。
就職時の「身元保証人」引き受けるリスクは? 弁護士「気軽にならないで」(弁護士ドットコムニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/0RmMd409bH
大家してると感じます。親族以外の保証人になる方は安易にサインしすぎだと、そしてトラブルで後悔する— 迷子の大輔(daisuke9049) (@daisuke9049) August 25, 2023
不動産屋さんに、いきなり保証人のかたと言われ、父も笑顔。
成り行きで保証人にさせられました。
が、困った時だけ未だいろいろ頼ってくる父なので、うんざりしてます。父の浮気が原因で母とは離婚して、私たち子供はみな母方につき早10年。
ひとりぼっちの父に、同情してつい優しくしてしまう私も悪いんですが、金にもだらしない父なので、成り行きとはいえ保証人になったことを後悔しています。
私は結婚していて、正直家庭は裕福ではないのでもしもの時を考えると不安です…。
【引用:Yahoo!不動産】友人のアパート契約の連帯保証人になってしまい、後悔しています。家賃滞納している友人とは全く連絡がつきません。6か月の家賃請求が不動屋さんからきてしまいました。 債務義務があるとはいえ、このままずるずると住まわれても困ってしまうため友人と連絡取るための手段として部屋の鍵を変えて部屋に入れないようにするのは違法になるのでしょうか? 友人が部屋に入れず、仕方なく自分のところに連絡がくるようにしたいのですが。 いかがなものでしょう。どなたか教えてください。 ちなみに友人の部屋を訪ねてもいつも留守です。あるいは居留守なのかわかりません。
【引用:Yahoo!知恵袋】
保証人になって後悔している人の多くが、保証人のリスクや責任について理解が不十分なまま引き受けてしまっているようだね。
最初に伝えた通り、保証人・連帯保証人は『自分が払ってもかまわない』という覚悟がある人以外は絶対に引き受けないようにしようね!
借金の保証人に関してよくある質問Q&A
保証人と連帯保証人は何が違う?
保証人は、請求を受けた場合でも債権者に対して『自分よりも先に主債務者に支払いを求めてください』と主張することができるんだ(催告・検索の抗弁権)。
それに対して、連帯保証人は主債務者とまったく同じ責任があるため、債権者から請求を受けた場合に拒否することが難しいよ。
主債務者が自己破産したら保証人はどうなる?
主債務者の自己破産によって免除されるのはあくまで本人の支払義務だけ。
保証人・連帯保証人には保証債務が残るため、原則残債を一括請求されてしまうんだ。
奨学金の保証人などについても同様で、保証人も一緒に自己破産を検討しなくてはいけなくなるケースも少なくないね。
借金の保証人が死亡したら保証債務はどうなる?
ただし、相続を知ってから3ヶ月以内に相続放棄をすれば保証人を引き継がずに済むんだ。
相続放棄の手続きは複雑なため、弁護士に相談するのがオススメだよ。
離婚したら保証人の契約はどうなる?
債権者側に保証人の変更などを申し入れて認めてもらえる可能性もあるけど、現実的には難しいといえるね。
トラブルを防ぐため、配偶者の保証人になる際も慎重に判断しよう。
借金の保証人は途中で変更できる?
まとめ
- 『自分が支払ってもかまわない』という覚悟がある人以外は保証人・連帯保証人になることは避けるべき
- 保証人になっている債務について請求を受けた場合は『催告・検索の抗弁権』を使用すれば支払いを避けられる可能性がある
- 連帯保証人は主債務者本人と同じだけの責任を負うため請求を回避するのが難しい
- 勝手に保証人にされていて請求を受けた場合は少しでも早く弁護士に相談するべき
保証人のリスクについてはよくわかったので、うまく断っておきます!
仮に勝手に保証人にされてしまった場合などは、焦らずに弁護士に相談してみてね!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。