個人再生で妻の貯金への影響は？個人再生と家族に与える影響

もしかして没収されたりするのかな。身内に迷惑をかけるのはしのびない…。

不安に思う人もいるから、ここで解説しておくね。

ただ、後で説明するように、財産以外の点で妻に影響を与えてる場合があることに注意してほしい。

借金をしたのは夫個人名義であって、妻名義ではないからね。

夫婦といえど、結婚前後を問わず個人が有する財産は別というのが法律の考え方で、これを「夫婦別産制(ふうふべっさんせい)」というんだよ。

それは、日常家事債務(にちじょうかじさいむ)の場合と、妻が夫の保証人であるときだよ。

保証人の場合についてはは、後で詳しく説明するから、ここでは日常家事債務について取り上げようか。

日常家事債務は連帯責任でお金を返す必要があることが民法にも記載されている。

だから、夫名義のカードで食材を買った場合などのカード代金は、妻も一緒に返済する義務があるわけだね。

必要になるなら、妻に話を通さないといけないので、教えてほしいです！

その理由としては、さっきの夫婦別産制と同じ理屈で、夫の名義の借金に妻は関係ないからだね。

これは、地方裁判所や個人再生委員の判断によるから、必ず必要になるというわけでもないけどね。

正社員であろうとアルバイトであろうと、給与明細は貰えるはずだから、それを提出することになるね。

この給与明細は過去2～3か月分のものが必要になるから、早めに妻に伝えて準備するのがいいよ。

これは、夫の口座と妻の口座との間に深い関係があって、妻の口座で資金隠しをしていないか疑われるため、必要になるんだ。

他にも夫の口座と妻の口座との間に深い関係がある場合としては、妻と夫の口座間で大金のやり取りがある場合。

また、妻の保険料や借金の返済が夫の口座で行われている場合などがあげられるね。

一旦認められた後でも取消されて、個人再生が失敗するから、絶対にNGだよ。

家族カードというのは、夫名義の契約に追加して妻や子どもにカードを発行するものだからね。

影響は避けられないんだ。

ブラックリストに登録されると出来なくなることの代表例が、クレジットカードが使えなくなることなんだ。

借金を返せなかったから個人再生をする。

今後利用代金を支払ってくれないかもしれない人に、クレジットカードを使わせるわけにはいかないでしょう？

だから、カード会社側から強制解約されてしまうんだよ。

ちなみに、ブラックリストに登録されると、他にも夫名義の借金や10万円超の携帯電話端末の分割支払なども出来なくなるよ。

このようなケースでは、夫が個人再生をするとブラックリストに載って、影響を与える可能性があることについても抑えておいてほしい。

個人再生をすると、借金が減額されて分割支払いが認められるわけだけど、これは個人再生をした人だけに認められる特典なんだ。

保証人は、依然として債務者の代わりに返済義務を負うことになるから、減額分について肩代わりして返済しなければならなくなってしまうわけだ。

妻と離婚しても、夫の保証人であるという立場に変わりはない。

だから、離婚したところで請求から逃れられることはできないね。

だから、個人再生でローンの回収が難しいと判断されると、所有権を行使して自動車を回収していってしまうわけだね。

そして、住宅ローン以外の借金の減額と分割支払いを認めてもらいつつ、住宅ローンは今まで通り返済することを認めてもらう制度なんだ。

個人再生をした記録が、信用情報(お金の貸し借りのデータ)に追加されて審査に影響が出るからだね。

借り入れの際の審査では、返済能力を見るために信用情報をチェックされる。

夫が個人再生をした記録は一度借金を返せなくなったことを意味するんだ。

だから夫の名前では借り入れの審査に通れず、ローンを組めなくなってしまうんだね。

ただしKSCの場合は、個人再生の手続きが開始された日から7年間記録されるよ。

だから、5~7年間くらいは夫の名前でローンを組めなくなってしまうんだ。

連帯保証人としてふさわしいかどうかの審査でも、信用情報がチェックされてしまうからだね。

そのため、こちらで連帯保証人を用意する必要がないんだ。

機関保証については、日本学生支援機構の公式サイトも参考にしてね。

すでに説明した通り、妻に収入がある場合には妻の給与明細が必要になるよ。

妻の口座と夫の口座が深い関係にあると認められる場合には、妻の通帳のコピーが必要になる。

この書類を妻にバレずに用意するのは難しいよね。

これは、家族カードを使っている場合や、妻個人のクレジットカードが専業主婦で夫の信用情報を参照していた場合に起こりやすいね。

それに、住宅ローンや自動車のローンも利用できなくなるから、こうした点から不審に思われることもあるね。

「車のローンが残っている場合：車が引き上げられる」でも解説したけど、車が没収されてしまうのは、所有権留保のせいだね…。

個人再生の申し立てに必要な家計簿は、世帯全体の収支の情報が必要だからなんだね。

だから、妻に収入を聞いたりレシートをチェックしたりする必要が出てくる。

その結果、怪しまれてしまい、個人再生がバレてしまう可能性があるんだ。

もし扶養している妻の交際費や遊興費が家計を圧迫しているなら、完済のために妻の支出も見直さないといけないでしょ？

だから、返済義務の残る個人再生では、世帯全体の家計簿をつける必要があるんだね。

個人再生の手続きでは、裁判所とのやり取りが多くなって、自宅に個人再生の手続きに関する書類が送られてくる機会が少なくない。

例えば夫の外出中に、家で妻が裁判所からの書類を発見したら、とても心配をかけることになるのは間違いないだろうね。

いろんな事情で家族に打ち明けられなかったり、打ち明けても協力を得られなかったりする場合には任意整理がおすすめだよ。

任意整理は、債権者と直接、減額交渉をする手続きなんだ。

ここでは、任意整理のメリットを3つ解説するよ。

個人再生と違って任意整理は裁判所が主導しないため、手続きする借金の自由がきくからなんだ。

個人再生だと、手続きすれば全ての借金が減額対象になってしまう。

でも「ローンの残る車が没収されることでバレる」で話したように、ローン返済中のものが引き上げられてしまったりするわけだ。

任意整理なら、任意の交渉だから、その借金を整理するかどうか自分で選択できるんだね。

任意整理では、世帯収入が重視されないからだね。

個人再生は裁判所が主導するし、ざっくりいえば、裁判所が「減額していいよ」っていったら、借金が減額されるわけだよね。

いくら分割で返済してもらえるとはいえ、借金を減額されるんだから、債権者にとっては損だよね。

だから債権者が損をしないように、個人再生をするに足るか、借金をちゃんと完済できるかどうか精査するために、世帯の収入の資料の提出が必要になるんだね。

だから、任意整理よりも減額のためのチェックが厳しいんだ。

一方で任意整理は、いってしまえばただの話し合いなんだ。

個人再生のように手続きに強制力がないから、任意整理ができないなら、債権者は「NO」というだけ。

任意の交渉だから、世帯収入までは重視されないんだね。

そのため、任意整理では家族の収入に関する書類を提出する必要がないんだよ。

手続きを弁護士に依頼すると、担当の弁護士が債権者との窓口になってくれるからね。

債権者から直接連絡が来ることはなくなるし、家族に知られる心配もないよ。

また、弁護士から何か書類が届くときも、法律事務所の名前でなく弁護士の個人名などで送ってくれるところもあるんだ。

とはいっても、妻に黙って借金問題を勝手に1人で解決したことが後からバレたら、夫婦仲が悪くなることは容易に想像できるよね。

夫婦仲が悪くなって、夫婦関係が破綻状態になると、その状態を理由として離婚をすることはできるんだ。

妻と借金について話し合ったうえで、弁護士に相談してみます！