裁判所からの通知を無視していると、裁判が勝手に進められてしまうよ。
相手の言い分が認められてしまうと、借金を強制的に回収するために銀行口座などが差し押さえを受ける可能性が高い。
借金の滞納によって裁判を起こされた時には、早急に正しい対処をとらなくちゃいけないよ!
アコムの借金を長期間滞納していると、借金の返済をめぐって裁判を起こされるケースがあります。
アコムの訴えによって裁判所から通知が来た場合は、必ず通知に記載された期日までに弁護士に相談してください。
裁判を起こされても、弁護士に相談して正しい対処をとれば、アコムと協議した上で分割払いなどに応じてもらえる可能性もあると覚えてきましょう。
この記事では、以下の3点を中心に解説していきます。
- アコムから裁判を起こされた際に無視をするとどうなる?
- アコムから裁判を起こされるまでの流れ
- アコムから裁判を起こされた際の対処法
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アコムの借金で裁判所から通知が来た!無視するとどうなる?
アコムが裁判を起こすと、裁判所から「訴状」や「支払督促」といった通知が届きます。
アコムの借金を長期間滞納している方の中には、「支払うお金がないのだからどうしようもない」と、裁判を起こされた後も放置してしまう方もいるでしょう。
しかし、アコムから裁判を起こされた際に放置していると、そのまま勝手に裁判を進められて、アコムの言い分通りの判決が出てしまいます。
裁判所からの通知を無視したことによって判決が出ると、以下のような事態におちいることになります。
- 強制執行(差し押さえ)の申し立てをされる
- 給与や銀行口座の差し押さえを受ける
- 罰金または懲役の罰則を受ける
それぞれ確認していきましょう。
強制執行の申し立てをされる
裁判によってアコムの言い分が認められると、アコムは債務名義(さいむめいぎ)という書類を取得します。
債務名義とは、強制執行(財産の差し押さえ)をするために必要な証明書のようなものです。
債務名義は、借金を払わない人に対して、法律の力を借りて強制的にお金を回収するための、逮捕状や家宅捜索令状のようなものだと考えるとイメージしやすいかもしれません。
裁判によって債務名義を取得したアコムは、裁判所に対して強制執行の申し立てをして、借金の回収に向けて動き出します。
給与や銀行口座の差し押さえを受ける
アコムから強制執行の申し立てを受けた裁判所によって、給与の一部や銀行口座の残高が差し押さえられます。
差し押さえを受ける可能性がある財産は、以下の通りです。
差し押さえ対象 | 金額などの内容 |
給与 |
|
銀行口座の残高 | 未払い額に届くまでの金額 |
その他高級車などの高価な財産 | 未払い額に届くまでの金額
※回収手続きが煩雑になるため差し押さえ対象から外される可能性が高い |
多くの方は、アコムから借り入れる際に勤務先の情報を伝えているはずです。
そのため、アコムの情報をもとに、裁判所は勤務先に直接通知を入れて給与の一部を差し押さえてきます。
アコムと契約した時から勤務先が変わっていて、アコムに勤務先がバレていない場合でも油断はできません。
アコムは債務名義に基づいた「財産開示請求」といった手続きによって、勤務先を突き止めることが可能です。
差し押さえが空振りに終わった場合、このような「財産開示請求」という手続きをとるケースがあり、銀行口座の預金残高が差し押さえられる可能性もあります。
しかし、長年滞納している方は残高が少ないケースも多く、給与であれば毎月安定して回収できるという理由から、給与が狙われる可能性が高いでしょう。
給与が差し押さえを受けると、裁判所の通知により、勤務先の人にも借金の滞納がバレることになります。
罰金または懲役の罰則を受ける
転職などをしてアコムに勤務先を申告していないような場合、アコムは勤務先の情報を得るために、裁判所に「財産開示請求」を申し立てる可能性があります。
財産開示請求を受けた際には、指定期日に裁判所に出頭して勤務先などの自分の財産情報を提示しなくてはいけません。
財産開示請求の通知を受けたあとも裁判所に出頭せずに無視を続けた場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金を受ける可能性があります。
このように、裁判を起こされても、なお差し押さえを逃れようとしていると刑事罰を受けるという大きなリスクもあるのです。
【参考:財産開示手続を利用する方へ – 裁判所】
アコムから裁判を起こされるまでの流れ
アコムの借金を滞納したからといって、すぐに裁判を起こされるわけではありません。
ここでは、アコムから裁判を起こされるまでの流れを紹介していきます。
基本的には、アコムの滞納から裁判を起こされるまでは以下のような流れで進んでいきます。
- 【滞納翌日】督促状や電話で請求を受ける
- 【滞納1ヶ月〜】実家や勤務先に電話が入る
- 【滞納2ヶ月〜】ブラックリストになり他社からの借入もできなくなる
- 【滞納3ヶ月〜】督促状の名義が「アコム株式会社」になる
- 【滞納3ヶ月以上】一括返済の請求が届く
- 【さらに無視すると】裁判を起こされ財産が差し押さえられる
【滞納翌日】督促状や電話で請求を受ける
アコムの借金を期日までに返済できないと、滞納翌日から電話や督促状などによって請求を受けます。
滞納を解消するまでは、追加で借入はできないので注意しましょう。
また、滞納初期の段階では、通知の差出人は「ACサポートセンター」となっています。
直接アコムからの手紙とはバレづらいですが、インターネットで調べればすぐにアコムからの通知だとわかるため、家族などに借金について知られるリスクはあるでしょう。
【滞納1ヶ月〜】実家や勤務先に電話が入る
滞納を1ヶ月以上続けて、アコムからの手紙や電話なども無視し続けている場合には、連絡先として提出している実家や勤務先に電話が入る可能性があります。
この際は、アコムの担当者は「アコム」とは名乗らず、個人名で電話をかけてきます。
また、電話口で借金について問いただすわけではなく、消息や在籍を確認するような内容です。
債務者本人と連絡がとれないことを理由に、家族や勤務先などに電話をかけること自体は合法です。
とはいえ、勤務先にいきなり電話がかかってきたら周囲の方に怪しまれる可能性もありますし、居場所がバレているという事実が大きなプレッシャーになるでしょう。
また、家族や勤務先の人など周囲の人間に対して借金について話したり取り立てをしたりする行為は貸金業法によって禁止されています。
【滞納2ヶ月〜】ブラックリストになり他社からの借入もできなくなる
アコムの滞納を2ヶ月以上続けると、ブラックリストになってしまう可能性が高くなります。
ブラックリストとは、個人の借金に関する情報を管理している信用情報機関に、「長期間の滞納をした」という履歴が記録された状態のことです。
消費者金融や銀行などは、融資の際には信用情報機関の個人情報をもとに審査をしています。
そのため、ブラックリストになっている間は、借り入れもできなくなってしまいます。
また、クレジットカード会社や携帯電話の分割購入などの審査にも落ちやすくなります。
ブラックリストになると今後の生活に大きな影響が出るため、その前に少しでも早く滞納を解消するべきといえます。
【滞納3ヶ月〜】督促状の名義が「アコム株式会社」になる
滞納が3ヶ月以上になると、督促状の名義が「ACサービスセンター」から「アコム株式会社」に変わります。
アコム株式会社からの督促状には「アコム審査第一部管理センター」などの名称が記載されています。
審査第一部管理センターは、アコムからの借金を長期間に渡り滞納している顧客に対する督促を専門的に行っている部署です。
名義が変わったことによる法律や制度上の違いはありませんが、専門部署に変わったということは、本気で回収に乗り出すサインと捉えられるでしょう。
【滞納3ヶ月以上】一括返済の請求が届く
「アコム株式会社」からの督促は、「これ以上滞納したら法的手続きに移行する」など厳しい文言が書かれているケースが多いです。
また、ここまでくると、滞納している額だけではなく今後分割で返済する予定であった残債も含めて一括で返済するように要求されます。
長期間の滞納をすると、「期限の利益」を喪失するため、一括請求を受けてしまいます。
決められた期日まで支払いを待ってもらえるという債務者にとっての権利のこと。分割払いという仕組みは期限の利益によって成り立っているため、期限の利益を失った債務者は残債を一括で返済しなくてはならない。
アコムのAC会員規約によると、「支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかったとき」に期限の利益を失うと定められています。
3ヶ月ほどの長期の滞納になると、いつ一括返済の請求を受けてもおかしくないと覚えておきましょう。
【さらに無視すると】裁判を起こされ財産が差し押さえられる
一括返済請求も無視していると、アコムから裁判を起こされてしまいます。
アコムから裁判を起こされると、裁判所から「支払督促」や「訴状」といった手紙で通知が届きます。
裁判を起こす前に「法的手続き予告書」「訴訟予告」などの通知が送られてくるケースもあります。
ただし、借金額やこれまでの返済状況によっては、これらの予告などは挟まずにいきなり訴状が送られてくる可能性もあるので注意しましょう。
アコムから裁判を起こされた際の対処法
アコムから裁判を起こされた際には、以下の対処をとりましょう。
- 消滅時効となっていないか確認する
- 弁護士に相談して債務整理する
- 裁判で和解する
消滅時効となっていないか確認する
まずは、アコムからの請求が消滅時効となっていないか確認しましょう。
アコムのように消費者金融からの借金は、最終返済日から5年が経過すると時効が成立する可能性があります。
そのため、裁判所から届いた「訴状」や「支払督促」に記載されている最終取引日を確認してください。
実際に時効を成立させて返済義務から逃れるためには「時効援用」という手続きが必要になります。
時効援用の手続きは、弁護士などの専門家に依頼して行うのが確実なので、もし時効が成立しそうな時には弁護士に相談してみてください。
弁護士に相談して債務整理する
アコムからの請求を時効にするのが難しいケースでは、弁護士に相談して債務整理を検討するのがおすすめです。
債務整理とは、法律の力を使って合法的に借金を減額する手続きであり、以下の3つが含まれます。
任意整理 | 債権者と直接交渉して、利息や遅延損害金などの減額に応じてもらう手続き |
個人再生 | 裁判所に申し立てて、借金額に応じて最大で10分の1まで減額してもらう手続き |
自己破産 | 裁判所に申し立てて、ほぼすべての借金の返済義務を帳消しにしてもらう手続き |
それぞれの債務整理ごとにメリット・デメリットがあり、状況に応じて選ぶべき債務整理は異なります。
ただし、すでにアコムから裁判を起こされている段階では、交渉して利息を減らしてもらうという任意整理は難しいでしょう。
アコムから裁判を起こされた場合には、弁護士に相談してアコムとは裁判上での和解を目指し、アコム以外の借金については適切な債務整理で減額を目指すなどの方法が考えられます。
裁判で和解する
アコムから裁判を起こされた際には、決められた期日以内に正しく対応して、裁判での和解を目指すという選択肢もあります。
送られてきた通知 | 対応方法 |
支払督促 | 到着日から2週間以内に異議申し立てをして、裁判に出席する |
訴状 | 訴状に記載の期日までに答弁書を送り、裁判に出席する |
裁判に出廷すれば、分割払いに応じてもらえる可能性があります。
ただし、裁判によって分割払いの調停をとりつけたとしても、その後一度でも滞納すると差し押さえを受けてしまう可能性があるので覚えておきましょう。
ちなみに、弁護士に依頼しておけば、弁護士が代理人として裁判に出席してくれるので安心です。
アコムの裁判についてよくある質問
最後に、アコムの裁判についてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
アコムからの裁判の通知を無視するとどうなる?
勝手に裁判が進められ、アコムの勝訴となり、給与の一部や銀行口座の残高が差し押さえを受ける恐れがあります。
3年以上前のアコムの借金について請求がきたらどうしたらいい?
アコムの借金は、最後の返済日から5年以上経過していれば時効援用によって支払義務から逃れられます。
最後の返済が3年前だと時効は成立しないため、弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。
アコムから財産を差し押さえられたらどうなる?
アコムの差し押さえによって強制的に回収されたお金は帰ってきません。
また、給与の差し押さえを受けた場合には、裁判を起こされたことが勤務先にも知られてしまいます。
一度給与の差し押さえを受けると、借金を完済するまで差し押さえが続きますが、個人再生や自己破産によって解除できます。
借金滞納によって差し押さえを受けたら、すぐに弁護士に相談してください。
アコムに裁判を起こされた後も分割払いはできる?
アコムと裁判上での和解を目指せば分割払いに応じてもらえる可能性はあります。
ただし、裁判の和解によって分割払いとなった場合には、その後一度でも滞納すると即座に差し押さえを受ける恐れがあります。
本当に分割払いが可能かどうか、裁判で主張するのが不安という人は一度弁護士に相談してみましょう。
まとめ
- アコムから裁判を起こされたまま無視していると給与や口座残高が差し押さえを受ける
- 財産開示請求を無視すると刑事罰に問われる可能性もある
- アコムから裁判を起こされた場合には消滅時効となっているかを確認しよう
- 時効にできない場合には、弁護士に相談して債務整理を検討するか裁判上での和解を目指そう
アコム以外にも借金の滞納があるし、すぐに弁護士に相談してみます!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。