アコムの時効援用は自分でできる？成功の条件と信用情報への影響

アコムの借金を滞納し続けていると、さまざまな内容で督促の通知が届きます。

そのまま連絡もとらずに放置していると、アコムからのハガキが来なくなる場合もありますが、時効になったわけではありません。

ハガキが来なくなったからといって放置をしていると、アコムから裁判を起こされる可能性もあるので注意してください。

この記事では、以下の3点を中心にアコムの時効援用について解説していきます。

アコムからハガキが来なくなったとしても放置は絶対NG！

アコムからの借金を滞納していると、電話やハガキなどでしつこく督促を受け続けます。

しかし、まれにアコムからのハガキがぱったりと止まるケースもあります。

ハガキが来なくなると「もう支払わなくてもいいのでは？」と思う方もいるかもしれませんが、そのまま放置するのは危険です。

まずは、アコムの借金を放置した際のリスクについて解説していきます。

アコムの借金は放置しても時効にはならない

アコムからの通知は、以下のようなタイトルで届きます。

いずれも借金の返済を求める内容です。

アコムからの通知を長い間無視していると、「法的措置」などの厳しい言葉を使ってくるようになります。

また、滞納が長引くと遅延損害金（延滞料のようなもの）も加算される上、未払いの借金を一括で返済するように請求してくるなど、すぐに支払うのが難しくなります。

しかし、アコムからの借金は、最後の返済から5年間が経過すると時効が成立する可能性があります。

とはいえ、ずっと放置していれば逃げ切れるわけではありません。

実際に時効を成立させて支払義務から逃れるためには「時効援用」という手続きが必要です。

請求を放置しているだけでは、いくら時間が経っても、時効は成立しないと覚えておきましょう。

放置しているとアイアール債権回収に債権譲渡される可能性がある

アコムの借金を放置していると、アコムの関連会社であるアイアール債権回収に債権譲渡される可能性があります。

債権譲渡とは、借金を取り立てる権利である債権を、他の会社に譲り渡すことです。

つまり、アコムの借金を放置していると、アイアール債権回収というところから取り立てを受ける可能性があります。

アイアール債権回収は、法務省による認可を受けた債権回収業者であり、いわば借金取り立てのプロです。

アコムとは異なり、借金の回収を専門的に行っている業者なので、これまでよりもしつこく督促を受けたり、無視をしていると自宅まで訪問を受けたりするリスクもあります。

放置していると裁判を起こされる可能性がある

また、数ヶ月以上の長い期間に渡ってアコムからの督促を無視していると、アコム側から裁判を起こされる可能性があります。

また、時効だった場合、裁判で判決が下されると時効は10年に延長されることになるため、時効の阻止を狙って裁判を申し立ててくるケースもあります。

裁判でアコムの言い分が認められると、借金を強制的に回収するために銀行口座や給料の一部が差し押さえられてしまいます。

アコムからの督促を放置していると急に手紙が来なくなるケースもありますが、この時には裁判などの法的措置に移る準備をしている可能性もあると覚えておきましょう。

アコムの借金で時効援用を失敗しないための条件は3つ

アコムの借金は放置していても時効とはならず、時効援用という手続きが必要になります。

時効援用で失敗しないためには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。

それぞれ簡単に解説していきます。

①最後の返済日から5年以上経過している

アコムの借金を滞納している場合、以下のような条件を満たしていれば時効援用によって支払義務から逃れられます。

滞納後の返済を一切していない場合	支払い期日の翌日から5年間経っている
滞納額の一部を返済している場合	最後の返済日の翌日から5年間経っている

最初に滞納した後に支払いを行っているかどうかによって、時効になるまでの期間が異なるので注意しましょう。

時効が成立するための期間が経過していない状況で時効援用をすると、手続きが失敗してしまいます。

時効援用が失敗すると、滞納していた借金をアコムから一括請求されたり、裁判を起こされたりする可能性もあります。

時効援用を確実に成功させるためには、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

②債務の承認にあたる行為をしていない

時効が成立するまでの5年間で、以下のような「債務の承認」にあたる行為をしていると、時効援用が失敗してしまいます。

債務の承認にあたる行為をした場合は、その段階で時効までのカウントがゼロになってしまいます。

つまり、債務の承認をした段階から、さらに5年間が経過しないと時効が成立しなくなります。

これまでに、アコムと直接電話で話していたり、自宅への訪問を受けていたりした場合には、債務の承認にあたる行為をしている可能性があるので気をつけてください。

③アコムから裁判を起こされていない

過去にアコムから裁判を起こされている場合には、時効までのカウントが裁判による判決が出た日から10年間になってしまいます。

アコムから借金の返済をめぐって裁判を起こされると、裁判所から「訴状」や「支払督促」といった手紙が届きます。

過去にこれらの手紙を受け取っている場合は、時効援用をしても失敗する可能性があるので注意しましょう。

アコムの時効援用は自分でできる？

アコムの時効援用で失敗しないためには、弁護士などの専門家に依頼するのが確実です。

しかし、時効援用は専門家に依頼せずに自分で行うこともできます。

アコムの時効援用を自分でする際の手順を紹介していきます。

時効の成立を確認

まずは、時効が成立しているかどうかを確かめるために、アコムからの督促状などを確認しましょう。

「アコムの借金で時効援用を失敗しないための条件は3つ」で解説した通り、最後の返済から5年が経過していれば時効が成立する可能性があります。

アコムからの督促状では、「支払日」「約定返済日」などといった記載から、最後の返済日を確認できます。

しかし、過去に債務の承認をしていたり、裁判を起こされていたりした場合もあるため、アコムからの督促状のみから時効の成立を判断するのはあまりおすすめできません。

時効が成立しているかどうか不安な方は、弁護士に相談するべきです。

時効援用通知書の書き方

時効援用は、債権者に対して「時効援用通知書」を送付することで行います。

時効援用通知書に決まったフォーマットはなく、以下の項目が含まれていれば時効援用通知書として効力を持ちます。

また、時効援用通知書を送る際には、「いつ・どこで・誰が・誰に対して・どんな内容」の郵便を送ったか記録が残る「内容証明郵便」を必ず利用してください。

内容証明郵便は、郵送料も含めて1000円ほどの費用がかかります。

自分で時効援用をする際には内容証明郵便の費用しかかからないため、1000円ほどの費用で時効援用ができます。

アコムの借金で時効援用を弁護士に依頼する場合

アコムの借金で時効援用をする場合は、専門家である弁護士に依頼するのが安心です。

時効援用を弁護士に依頼する場合のメリットや費用相場を確認しておきましょう。

弁護士に依頼するメリット

時効援用を弁護士に依頼するメリットは、主に以下の2つです。

それぞれ解説していきます。

時効が成立しているかどうか確認できる

時効援用をする上では、時効が成立するための条件を満たしているかどうかの確認を正確に行う必要があります。

自分で時効援用をすると、時効の起算日を間違えたり、時効が更新されていることに気づかなかったりと、手続きに失敗するリスクがあります。

それに対して、時効援用を得意とする弁護士であれば、時効が成立しているかどうか確実に判断してもらえるため安心です。

時効援用が失敗したら債務整理で解決できる

弁護士に依頼した場合でも、100％時効援用が成功するとは限りません。

しかし、弁護士に依頼しておけば、時効援用が失敗した時には次の手段として「債務整理」が選べます。

時効援用に失敗すると、アコムからの取り立てが再開することになり、どうにかして返済する必要があります。

しかし、時効を考えていたほどの借金となると滞納期間も長いため、遅延損害金(延滞料のようなもの)が膨らんでいて、支払うのが難しいケースが多いでしょう。

そのため、時効援用に失敗した場合には、時効援用を頼んだ弁護士に相談して、そのまま債務整理で解決してもらうのがおすすめです。

弁護士費用の相場

時効援用を弁護士に依頼する際の費用相場は、債権者1社あたり2~5万円程度です。

時効援用を実際に依頼する前に、まずは弁護士事務所に相談をする必要がありますが、初回の相談は無料としている事務所も多いため、一度問い合わせてみてください。

アコムの借金で時効援用したら信用情報はどうなる？

「時効援用をしたらブラックリストになるのでは？」と疑問を持っている方もいるかもしれません。

しかし、時効援用が原因でブラックリストになることはありません。

ここでは、そもそもブラックリストとはどんな仕組みなのか、時効援用をしたら信用情報はどうなるのかという点について解説していきます。

アコムで延滞した記録はCICとJICCに記録されている

アコムの借金を滞納した記録は、CIC(株式会社シー・アイ・シー）とJICC(日本信用情報機構）に記録されています。

消費者金融やクレジットカード会社は、契約の審査の際にCICやJICCに問い合わせをするため、アコムで滞納した記録がバレてしまい審査に落ちてしまう場合があります。

このようにCICやJICCに滞納などの事故情報が記録されている状態のことが、一般的にブラックリストと呼ばれています。

一度ブラックリストになると、基本的に滞納を解消するまでは記録が残り続けてしまうため、時効援用を検討している段階ではすでにブラックリストになっているケースが多いでしょう。

時効援用をしてから数週間程度で信用情報はきれいになる

アコムの時効援用が成功すると、アコムはCICおよびJICCに滞納が解消となった旨を連絡します。

そのため、時効援用をしてから数週間程度で、アコムの滞納による信用情報は回復します。

ただし、他の会社の滞納があった場合には、アコムに時効援用しただけで信用情報が完全に綺麗になるわけではないので注意してください。

アコムの借金を援用しないとブラックのまま

ここまでの説明の通り、アコムで滞納した記録は、滞納を解消しない限り半永久的に残り続けます。

そのため、いくら時間が経っても時効援用をしないとブラックリストのままとなってしまいます。

請求がないからと放置をしていると、ブラックリストのまま、住宅や車を購入する際も審査に通らず、今後の生活に影響が生じてしまうケースが多いです。

早めに弁護士に相談して時効援用をするのがおすすめです。

まとめ