いっそのこと自己破産しちゃおうかなと思うんだけど、認められない場合もあるって聞いて不安なんだよな。
たしかに、自己破産で借金の免責が認められないケースはあるみたいだね。
自己破産に詳しい先生のところにお話を聞きに行こうか!
自己破産は国から認められた借金の減額手段である債務整理の一種であり、すべての借金の返済義務を帳消しにする手続きです。
自己破産により借金の返済義務がなくなることを免責とも呼びますが、ある一定のケースにおいては自己破産による免責が認められないこともあります。
自己破産で免責がおりなかった場合には正しい対処が必要です。
この記事では、以下の3点について詳しく解説していきます。
- 自己破産をしても免責許可がおりないケースとは
- 自己破産で免責許可がおりなかった場合の対処法
- 自己破産で免責許可がおりないまま放置するリスク
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自己破産をしても免責許可がおりないケースとは?
免責不許可事由に該当すると免責が認められない
免責不許可事由の一例
- 浪費やギャンブルが原因で借金をつくった
- 一部の債権者を優先して返済をおこなった
- 財産隠しや虚偽の申告
- 財産価値を下げるための故意の破損
- クレジットカードのショッピング枠の現金化
- 前回の自己破産から7年以上が経過していない
実際には97%近くが裁量免責によって免責が認められている
だけど、実際のところは免責不許可事由があっても自己破産が認められて免責がおりるケースが多いんだ。
でも、せっかく免責不許可事由っていう決まりがあるのにどうしてなんですか?
自己破産手続きにおいて免責不許可事由があった場合でも、裁判官が事情を考慮して免責を許可できるという制度。
一応のルールとして破産法によって免責不許可事由が定められているけれど、実務上は裁判官が事情を考慮して免責を許可してくれるのさ。
ただし、免責不許可事由がある以上免責が下りるための審査は厳しくなるから、反省文の提出などを求められるケースも多いよ。
免責不許可となってしまうケースの例
ただし、借金を作った理由や自己破産手続きのなかでも態度などがあまりに悪質だと判断されると、免責は下りない場合もあるのさ。
実際に自己破産手続きにおいて免責が不許可となった事例をちょっとみてみようか。
他人名義での借入を繰り返し、ギャンブルや浪費で1000万円以上の借金
破産者Aの例
Aは無職であったにもかかわらず、知人の飲食店の勤務していると偽り消費者金融から借りれをし、かつ他人名義で勝手に借入を行うという悪質な詐術行為を繰り返す。ギャンブルと車の購入、浪費によって1000万円を超える借金を作り破産申し立て。
↓
返済する意志もなく、詐術を用いて借金を重ね、ギャンブルや浪費を繰り返したという事実の重大性、悪質性を鑑みて、免責不許可の判断が下された。
【平成17年1月14日横浜地方裁判所相模原支所決定】
他人名義で偽ってお金を借りる行為も、ギャンブルや浪費で借金を作るのも立派な免責不許可事由。
このように、免責不許可事由に多数当てはまってしまい、その上反省の態度もみられない場合には免責は当然下りないってわけさ。
破産手続き中に没収をまぬがれるために財産を譲渡したように偽った
静岡県沼津市の淡島ホテルを経営していた会社「AWH」の破産手続きをめぐり、同社財産を譲渡したように装ったとして、破産法違反(詐欺破産)の罪に問われたAWHの親会社役員、生山敬大被告(48)に、静岡地裁沼津支部は12日、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。
【引用:淡島ホテル詐欺破産、会社役員に有罪判決- 読売新聞】
自己破産をすると、20万円以上の価値がある財産はすべて没収されてしまう。
没収をまぬがれるために、実際に財産を誰かに譲ったり、書面上で譲ったように見せかけるなどの行為は免責不許可事由にあたるのさ。
その行為があまりに悪質である場合には、破産が認められない上に懲役などの有罪になってしまうってわけだね。
自己破産で免責許可がおりなかった場合の対処法
だけど、実際に免責がおりなかったらどうしたらいいかを知っておきたいです。
1週間以内に異議申し立てを行う(即時抗告)
即時抗告とは、自己破産を申し立てた裁判所のさらに上級の裁判所に異議を申し立てる手続きだ。
即時抗告ができる期間は免責不許可の決定が出た日から1週間以内と決められているため、迅速に判断する必要があるよ。
(即時抗告期間)
第三百三十二条 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
【引用:民事訴訟法第332条 – e-Gov法令検索】
免責が認められないというのはよっぽどの問題があったというわけだ。
免責が認められなかった場合にそのまま即時抗告をしても、異議の申し立てが認められる可能性は低いのさ。
だからこそ、もし免責不許可が出たときには免責が下りなかった原因・理由を早急に特定して弁護士に対処してもらう必要があるよ。
すぐに弁護士と相談して、そのとき適した解決策を判断する必要があるよ。
任意整理・個人再生へ変更する
任意整理 | 債権者に直接交渉して借金の利息をカットしてもらう |
個人再生 | 裁判所に申し立てて借金を最大で10分の1にまで減額してもらう |
ただし、任意整理や個人再生となった場合には、減額された借金を決められた期間で返済していく必要がある。
もしその返済も遅れてしまうような場合にはせっかくの手続きも取り消しになってしまうから、返済していけるかどうかは弁護士と慎重に相談する必要があるよ。
消滅時効の援用を検討する
自己破産によって免責がおりなかった場合でも、そのあとの返済を放置し続けると時効が成立して返済義務がなくなる可能性があるのさ。
具体的には、免責不許可の決定が出てから10年間が経過すると消滅時効が成立する。
10年が経った時点で『時効援用』という手続きを行えば借金の返済義務もなくなるのさ。
借金が時効を迎えたことによって返済義務がなくなったと債権者に対して主張する手続き
くわえて、もし時効になる前に債権者から訴訟を起こされた時効が更新されるからそこからさらに10年間も耐えなきゃいけないんだ。
自己破産で免責許可がおりなかったまま放置するとどうなる?
もし免責がおりなかった借金をそのまま放っておいたらどんなリスクがあるかも念の為解説しておこう。
借金全額の返済義務が残る
自己破産をしたのに、借金全額をこれまで通り債権者へ返済していかなければいけないってわけさ。
自己破産を申し立てたということは、すでに自力での返済が難しいはず。
すぐに弁護士に相談して任意整理や個人再生などの債務整理を検討しないといけないよ。
裁判を起こされて財産を差し押さえられる
だけど、もし返済しないで放置をし続けると債権者から裁判を起こされる恐れがあるんだ。
裁判を起こされてしまうと、財産や給与などが差し押さえられてしまうんだよ。
差し押さえで没収される財産
- 給与の一部(最大で手取り額の4分の1)
- 預貯金口座の残高
- 家や土地などの不動産
- 解約返戻金がある生命保険
もし自己破産の免責がおりなかったらすぐに弁護士に相談して対処しないとですね。
免責不許可事由があっても諦めずに弁護士に相談しよう
裁判所によって裁量免責の運用は異なるから、実際には自己破産を受け入れてくれやすい裁判所などもあるんだよ。
債務整理に強い弁護士は、1年中いろんな人の借金問題を解決していて、自己破産についてもプロフェッショナルだ。
免責がおりるかどうか不安だったら、まずは借金問題の専門家である弁護士に相談して自分にあった解決法を提案してもらうのが一番だよ。
借金は放っておいたらどんどん利息も膨らんでいくし、さいむくんも早く弁護士に相談してみなよ!
まとめ
- 免責不許可事由があったとしてもほとんどのケースで裁量免責が認められる
- もし自己破産の免責がおりなかった場合は早急に即時抗告の手続きが必要
- 即時抗告も認められなかったら弁護士に相談して任意整理や個人再生を検討する
即時抗告とかも大変そうだし、もし免責がおりなかったらすぐに弁護士に相談しないといけませんね。
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。