ぼくも対象になりますかね?
ただ、「奨学金と借金の過払い金は少し違う」んだ。
今回奨学金で認められたのは、保証人の過払い金だね。
よくCMとかで目にする借金の過払い金は、借金をした人が払いすぎてしまった利息のことなんだ。
とはいえ、さいむくんの家族が該当する可能性もあるから、今回はその違いや、ニュースの内容、奨学金が返済できない場合の対処法なんかを紹介するよ。
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奨学金の過払い金とは?
まずは、さいむくんがいっている今回のニュースを説明するよ。
奨学金の過払い金が認められたのは保証人
さいむくん、保証人が何かわかるかな?
借金をした人が、返済できない場合に、借金を肩代わりする人、ですよね。
お金を貸す人が損をしないために、保証人を立ててもらって、お金を貸してるってことですよね?
でもなんで借金を返済してる人じゃなくて、保証人に過払い金が認められたんですか?
奨学金の保証人制度と保証人・連帯保証人の違い
この保証人には、一般的に連想される人的保証(人が保証するもの)、機関保証(保証機関)の2種類があるんだ。
今回問題になったのは、人的保証の方だね。
奨学金の場合、奨学生が返済できなければ、請求は保証人・連帯保証人に行くことになる。
「保証人」と「連帯保証人」の違いってなんですか?
保証人に認められている権利でも、連帯保証人にはないものがある。
保証人と連帯保証人の違いを、簡単ににまとめるとこうなる。
保証人 | お金を借りている人が支払えなくなったときのピンチヒッター |
連帯保証人 | 借りている人と同じ責任を負う |
①分別の利益(ぶんべつのりえき)(民法第456条) | 保証人が複数いるときは、保証人の人数で割った金額だけ負担すればよいという権利 |
②催告の抗弁権 (さいこくのこうべんけん)(民法第452条) |
返済を請求された場合に、「まずは本人に請求してよ」と言える権利 |
③検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)(民法第453条) | 「差し押さえできる財産が本人にあるんだから、まずはそっちを差し押さえてよ」と言える権利 |
もしさいむくんが高級車を乗り回しているのに、奨学金を返済してないとしたらどうする?
分別の利益を無視して返済を迫ったことが問題に
①分別の利益(ぶんべつのりえき)(民法第456条) | 保証人が複数いるときは、保証人の人数で割った金額だけ負担すればよいという権利 |
分別の利益に沿って考えれば、各保証人は、借金を保証人の数で割った金額だけを返済すればいいってことになるよね。
奨学金の場合は、連帯保証人+保証人がつくよね。
この場合でも、保証人は連帯保証人と自分の2名で割った半額を支払えば問題ない。
全額を支払わないといけないのは、分別の利益がない連帯保証人だけなんだ。
問題になったのはここだよ。
日本学生支援機構は、保証人から分別の利益を主張されなかったから、保証人に全額を請求してしまったんだね。
日本学生支援機構は、この判決を受けて、訴えを起こした人だけじゃなく、同じように過払いがある保証人(約2000人)に、合計で約10億円を返還する考えを明らかにした。
2022年7月上旬までには簡易書留で個別に連絡してくれるみたいだよ。
奨学金の過払い金が戻ってくる人はどんな人
どんな人が対象なんですか?
奨学金の過払い金の対象になる人 | 返済義務(半額)を超えて支払った(日本学生支援機構にデータが残っている)2017年以降に返済を終わらせた保証人 現在返済中の保証人 |
奨学金の過払い金の対象にならない人 | 奨学金を借りていた本人 奨学金の連帯保証人 |
返済を証明する資料などがあれば、返金してくれる可能性があるよ。
- 返還誓約書・借用書
- 督促状(奨学生番号、保証人氏名、返還未済額、支払期日等記載のあるものに限る)
- 払込金受領書等(奨学生番号、返還者本人氏名、保証人氏名、支払額、支払年月日等記載のあるものに限る)
これは奨学金の過払い金にも当てはまるから、早めに手続きしよう。
日本学生支援機構へのお問い合わせ
電話:0570-666-301(ナビダイヤル)
海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からは03‐6743‐6100
受付時間:月曜~金曜:9時00分~20時00分(土日祝日・年末年始(12月29日~1月3日)を除く)
いくらくらい戻ってくる?
具体的な金額に関しては、郵送する通知に記載があるみたいだね。
なお、今回の裁判で「悪意の受益者」と認定されたから、支払い分以外にも、利息が加算されるよ。
悪意の受益者に認定されると利息をつけて返還しないといけないんだ。
(不当利得の返還義務)
第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
(悪意の受益者の返還義務等)
第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
【引用:民法 – e-Gov】
ちなみに、過払い金の利息はこんな感じだ。
民法改正前後で微妙に年率が異なるよ。
2020年3月30日までに支払った場合 | 年率5% |
2020年4月1日以降に支払った場合 | 年率3% |
※2022年10月現在
保証人が奨学金の過払い金返還請求を行った裁判の内容
訴えを起こしたのは、奨学金の保証人になっていたAさんとBさんだ。
教え子の保証人だった元高校教諭のAさん | 保証人として約94万円を請求され、約65万円を支払った |
(故人である)夫が甥の保証人だったBさん | 配偶者に保証人として請求された約242万円を全額支払った |
※どちらも借りた本人の父親が連帯保証人だったが、支払い能力がなく、保証人に請求が移った
2021年5月13日(第一審) |
札幌地裁が日本学生支援機構に「半額を超える請求は不当」だとして約140万円の返還を命じる その後、日本学生支援機構は札幌高等裁判所に控訴(異議申し立て) |
2022年5月19日(第二審・控訴審判決) | 札幌高等裁判所は、日本学生支援機構に「過払い分」と「利息」の約200万円の支払を命じる Aさんに約18万円、Bさんに約121万円+利息約61万円 |
2022年6月2日 | 日本学生支援機構が高等裁判所への上告(異議申し立て)を断念 半額を超える返済をしてきた保証人(約2,000人)に過払い分約10億円を返還する方針を発表 |
一般的に知られている過払い金とは?
奨学金の過払い金についてはわかったかな?
過払い金は払いすぎた利息のこと
でも、一般的に知られている過払い金の場合は、「払いすぎた利息」のことなんだね。
過払い金の対象は年20%以上の金利で借金をした人
- 年間で20%以上の金利で借金をした人
- 2007年以前に借金をした人
だから、基本的には一般的に考えられているような過払い金は奨学金にない。
それぞれの法律の「今」について、簡単にまとめてみたよ。
利息制限法と出資法
その上限を決めている法律が、「利息制限法」と「出資法」なんだね。
利息制限法 | 出資法 | |
内容 | お金を借りている人の利益を保護するため、貸金業者(お金を貸す業者)が高い金利を設定できないように、金利の上限を定めた法律 | 貸金業者に対して金利を規制する法律 |
違反した場合 | 罰則あり | 罰則あり |
金利の上限 | 年20%まで | 年20%まで |
2010年、法律が改正されるまでは、出資法の金利の上限は29%だったんだよ。
金利の高い出資法に違反しても罰則はない。
だからみんな、29%の金利でお金を貸していたんだね。
でも20%を超える金利は違法になった。
この時支払ってしまった20%を超える利息が過払い金の正体だよ。
借金をした時期が2007年以前
それが「借金をした時期が2007年より前」ということだ。
だからほとんどの貸金業者では、2007年には金利の見直しを進めていたんだね。
法律上は、2010年以降なんだけど、2007年以降の借り入れでは過払い金は少なくなったんだね。
2007年より前に決められた高い金利で借金していた人は、過払い金の対象になるんだね。
奨学金の返済が苦しい場合は救済制度を利用する
これじゃあ、奨学金の返済もきついままになっちゃう…。
日本学生支援機構は、こんな制度を用意しているよ。
減額返還制度 (げんがくへんかんせいど) |
低収入や災害、病気などで返還が難しくなったとき、月々の返済額を2分の1、または3分の1に減らすことができる |
返還期限猶予制度 (へんかんきげんゆうよせいど) |
低収入や災害、病気などで返還がむずかしくなったとき、月々の返還を先送りにできる |
返還免除制度 (へんかんめんじょせいど) |
借りていた本人が亡くなったり、心身の障害など働くことがむずかしくなったとき、その後の返済額の全額や半額を免除できる |
減額返還制度で月の返済額を減らす
「願い出」といわれる手続きが必要で、収入を証明できる書類などを提出して、審査に通ることが条件だ。
返還期限猶予制度で一定期間返済を免除する
猶予制度も、手続きが必要だったり、収入を証明できる書類などを提出したり。
ぼくたちがやることは、減額制度とだいたい同じだね。
所得連動返還方式で収入に応じた返済をする
たとえばこんな感じで。
年収 | 月の返済額 |
200万円 | 約4,700円 |
300万円 | 約8,900円 |
400万円 | 約13,500円 |
返還免除制度で返済そのものを免除する
下記に当てはまる時、奨学金の全額、または一部の返済を免除できる制度だね。
- 本人が死亡して返還できなくなったとき
- 精神もしくは身体の障害により、労働が困難になり、返還できなくなったとき
免除制度にも、願出や審査が必要。
また、優れた業績による免除だと、学校からの推薦が必要になるから、注意してね。
奨学金の救済制度が利用できない場合の対処法
大きく分けて2つあるから、考えてみてね。
奨学金の救済制度が利用できない場合の対処法
- おまとめローンを利用する
- 債務整理を検討する
他にも借金がある場合はおまとめローンを利用する
さいむくんが、A社・B社・C社から借金をしている場合、返済日も金利もバラバラだから、管理が大変だよね。
おまとめローンなら、バラバラの返済日を1回にすることができるんだよ。
その上、金利を下げることができる可能性もある。
5%~18%って聞いたことあります。
この方法は、金利を下げることで奨学金以外の借金の返済の負担を軽減する方法の1つとして考えてほしいな。
奨学金そのものを借り入れても、むしろ金利が高くなる可能性があるからね。
債務整理を検討する
債務整理って、奨学金にも使えるんですか?
破産法や民事再生法って法律にのっとって、借金を免除・減額できるんだね。
また、奨学金に使うこともできるよ。
ただし、適した手続きがあるから、教えてあげるね。
債務整理の種類と特徴
任意整理 | 利息をカットできる |
個人再生 | 借金額に応じて、5分の1~10分の1に減らせる |
自己破産 | 借金の返済義務をなくせる |
任意整理は利息がカットできる
元本を3~5年で完済することになるケースが多いよ。
ただし、奨学金に限っていえば、もともと金利自体が3%と低いから、奨学金への効果は薄いといえるね。
裁判所を通さずに手続きができたり、1社あたり2~5万円と、弁護士費用が安いといったメリットもある。
奨学金以外の借金を減額して、月の返済を楽にしたいという人におすすめだね。
もし、大幅に減額したいのであれば、次に紹介する個人再生を見てほしいな。
奨学金には大幅に減額できる個人再生がおすすめ
減額分はこれまた3~5年で完済することになる。
任意整理では減額効果が薄い奨学金も、元本から減額できる可能性がある。
自己破産のように、財産が没収される心配も少ない。
ただし、保証人に請求が行ってしまうのは避けられない。
でも、奨学金には減額効果が大きいから、家族などと相談して検討してみてほしいな。
実は結構おすすめの制度なんだ。
返済ができないのなら自己破産を検討しよう
次に紹介するのは「自己破産」だよ。
もちろん、奨学金も例外ではない。債務整理の中で、もっとも強力だよ。
例えば収入が少ないなど、本当に借金が返済できない人のための手続きなんだよ。
一定以上の財産がある場合は没収される。
また、個人再生と同じで、保証人への請求は避けられない。
ただし、もう財産もないし、返済もできない。
人生を本気でやり直したい人は、検討してみてほしいな。
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まとめ
- 今回認められた奨学金の過払いは、保証人が多く払いすぎた分の返還
- 一般的な過払い金の対象は年20%以上の金利で2007年以前に借金をした人
- 奨学金の返済が苦しいときは救済制度を利用しよう
- 救済制度が利用できないときは、おまとめローンや債務整理を検討しよう
逆に言えば、全員に過払い金があるわけではない。
もしも返済に悩んでいるなら、まずは弁護士に相談しよう。
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