それなら、弁護士に依頼とかしなくても、自分で手続き出来ないのかな?
任意整理自体、資格がある人でないと出来ないものではありませんし、うまくいけば弁護士や司法書士に依頼をするための費用を浮かせることが出来ます。
ただし、実際のところ、交渉はそう簡単ではないのです。ほぼ全員が最終的には専門家に依頼をしているという結果が、それを表しています。
この記事では、「自力で任意整理を行ったらどうなるか」、「どうしても自分でやりたい場合の流れ」、「弁護士や司法書士に依頼するメリット」などを紹介していきます。
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任意整理を自分でするとどうなる?
お金を借りている業者の「お客様窓口」から連絡をして、「すいません、借金が返せないので、任意整理お願いできますか?」と連絡したとしよう。
業者から、どんな返事が来ると思う?
返済額を下げてくれるが利息地獄へ
一見優しいように見えるけど、これはさらなる地獄の入り口なんだ。
【引用:5ちゃんねる】
仮にこの状態が続くとしたら、100年払い続けても2万円くらいしか返済出来ないですよ(笑)
親切な対応と見せかけて、借主をさらなる地獄に落とそうとしているから、自力では任意整理の交渉はしない方がいいってこと。
そもそも相手にしてもらえない
さっきと同じように、自分で任意整理の提案をしてみたとしよう。
- 「それは難しいですね。」
- 「そういった相談は、弁護士の方を通していただけますか?」
こんな風に断られたあと、他の方法で交渉できるかというと、やはり、一般の方には難しいよね。
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借金の取り立てが続く
弁護士を通さずに自分で任意整理をすると、債権者からの取り立てを止められないんだ。
任意整理をするには、さまざまな書類を準備したり債権者との話し合いが必要になるけれど、その間も取り立てが続くことになるよ。
ってことは、逆に弁護士に頼めば取り立ては止められるってことですか?
詳しくはこのあと『任意整理を弁護士や司法書士に依頼するメリット』で説明するね。
自分自身で複雑な計算をしなくてはいけない
任意整理では、過去の取引履歴を手に入れたあとに、自分の借金額を正確に把握するための『引き直し計算』という作業が必要になる。
引き直し計算はとても複雑な作業になるから、素人がやるのはとても難しいんだ。
この引き直し計算を間違えたまま債権者と交渉をしてしまうと、本来支払わなくてもいいお金を払うことになる恐れもあるんだよ。
過払金を見落とす恐れがある
さきほどの話ともつながるんだけど、引き落とし計算を間違えると過払い金を見落とす可能性もあるんだ。
過払い金とは、その名の通り貸金業者に対して払いすぎたお金のことだね。
任意整理の手続きの中では過払い金が見つかる可能性もあって、弁護士に依頼しておけば確実に取り戻せる。
だけど、自分で引き直し計算をすると過払い金を見落としてしまう可能性も高いのさ。
どうしても自力でやりたい方の流れ
実際にやるとしたらどんな流れになるんですか?
そうだねえ。あまりオススメはしないけれど、確かに正しい知識をもって手順を守れば任意整理は自分でも手続きを進められるよ。
どうしても自分で任意整理を自分でやりたい場合の流れについて説明しておこうか。
引き直し計算をする
借入先と交渉する
合意書を作成する
①借入先に取引履歴を開示してもらう
取引履歴とは、借入や返済をした履歴のことだね。
取り寄せ方法は業者によって異なるけれど、ホームページなどに記載された開示請求書をくる方法が一般的だね。
そんなにすんなりと見せてくれるものなんですか?
貸金業者は、取引履歴の開示を要求されたら必ず応じなくてはいけないと貸金業法で決められているんだ。
(帳簿の閲覧)
第十九条の二 債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行つた者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。
【引用:貸金業法第19条 – e-Gov法令検索】
②引き直し計算をする
取引履歴が手元に届いたら、過払い金(支払いすぎた利息)があるかどうか確認するために引き直し計算という作業を行うよ。
実は、2010年6月より前の法律だと、お金の貸し借りをする際の利息についてグレーな部分があったんだ。
業者によっては、今の法律でいうと違法にあたるような金利で貸付が行われていたケースもある。
その有無を調べるための作業が引き直し計算だよ。
引き直し計算をすれば、今の法律に当てはめた場合の『正確な借金額』が把握できるのさ。
③借入先と交渉する
引き直し計算によって正確な借金額が算出されたら、いよいよ借入先との交渉がスタートだ。
具体的には、将来利息(任意整理から完済するまでの利息)や遅延損害金のカットをしてもらったうえで、3~5年での分割払いを目指して交渉するようなイメージだね。
借入先がどの程度交渉に応じてくれるかは、業者次第。
それに、すでに借金を滞納しているわけだから、そもそも交渉に応じてくれないという可能性もあることを忘れないでね。
④和解書を作成する
借入先との交渉が終わったら和解書(または合意書)を作成するよ。
合意書には今後の返済額や返済期間などの細かい内容を記載する形だ。
また、支払いが遅れた時に関するペナルティなどの取り決めなども必ず確認しておこう。
任意整理を弁護士や司法書士に依頼するメリット
自分で交渉するのはあきらめて、弁護士や司法書士に依頼することになったとしても、メリットは結構あるのです。
- 費用が結構安い
- 取り立ての連絡や返済がストップする
- 自力より成功率が高くなる
- 過払い金の計算が出来る
費用は1社2~5万円が相場
任意整理したい業者の数×3~5万円程度
借り入れた業者を全件任意整理しなければいけないわけでありません。借入はいくつかあるけど、任意整理は1社だけ、というのもOKです。
だから、弁護士費用については、分割出来るところが多いってさ!
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取り立ての連絡や返済がストップする
それに合わせて、返済も止めちゃってOKなの。
受任通知を受け取ったあとは、借主に対して、直接返済を求めるような連絡は出来なくなります(貸金業法21条1項)。
交渉がまとまるまで返済もストップしますので、その間に生活を立て直すことも出来ますし、依頼のためのを貯めることも出来ます。
自力より成功率が高くなる
弁護士を通じて任意整理の交渉をしたとき、それを業者が断ったとするね?
弁護士「任意整理をお願いしたいのですが…」
業者「それは嫌です!」
弁護士「仕方ないですね。じゃあ自己破産します。」
そうなると、任意整理を受け入れるより損な結果になる可能性が高いわけよ。だから、少なくともお金の回収できる任意整理を受け入れるということだね。
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過払い金の計算が出来る
払いすぎた金額が高額になれば、それを清算して借金をチャラに出来るかもしれないからな。
この計算を「引き直し計算」と呼ぶんだけど、これは計算がややこしく、間違いやすいから、専門家に依頼して正しく計算してもらおう!
貸金業者の傾向に応じた対策ができる
任意整理は業者との直接の交渉になるわけだけれど、やはり業者によって対応の傾向は違うんだ。
たとえば、消費者金融のモビットなどは早めに和解をしないと裁判を起こしてくるので有名だね。
あとは、分割払いの回数なども業者によって違いがある。
任意整理の経験が豊富な弁護士なら、こういった業者ごとの対応傾向をよくわかっている。
つまり、交渉する業者の傾向に応じた対策をしてスムーズに交渉が進むように配慮してくれるのさ。
周囲の人に気づかれないよう配慮してくれる
任意整理を自分自身でやろうとすると、どうしても周りの人に気づかれる恐れもある。
だけど、弁護士に依頼して『周囲の人に気づかれたくない』と伝えれば、最善の対策をしてくれるはずだよ。
具体的には、以下のような方法で配慮してもらえるかな。
- 郵便物の差出人を個人名にする
- 連絡先を携帯電話番号に限定する
- 書類は郵送せずに事務所で受け渡しする
- 重要書類以外はメール添付でやりとりする
自分に適した借金の解決法を提案してくれる
これまで話してきたように、弁護士は借金トラブル解決のプロだ。
借金について弁護士に相談すれば、その人にあった解決法を提案してくれるよ。
今日は任意整理をする前提で話をしてましたけど、人によっては任意整理以外の方法が適している場合もありますもんね。
自分で決めつけずに、まずは弁護士に相談してみてベストな解決策を考えたいですね。
任意整理を弁護士に依頼するデメリットはある?
でも、うまい話は危ないというし、何かデメリットもあるんじゃないかと気になります…。
費用がかかる
弁護士に任意整理を頼むうえでの一番のデメリットは、費用がかかるという点かな。
任意整理を弁護士に頼む時の費用の相場は1社あたり2~5万円くらいだね。
さいむくんのように考える人も多いんだけど、弁護士費用がかかってしまっても、結果的には得をすることの方が多いんだよ。
任意整理をすればブラックリストになる
信用情報機関という個人のお金の貸し借りに関する情報を保管している会社に、任意整理をした情報が登録されてしまうこと。
カード会社や金融機関は契約の際に信用情報機関に問い合わせをして、返済能力があるかどうかを確認する。
新しくカードやローンを契約しようとすると、業者に任意整理をした事実がバレてしまうんですね。
たしかに過去に任意整理をしていたら『この人にお金を貸しても返って来なそう…』と思われても仕方ないなあ。
信用情報機関に登録された任意整理をした情報は、借金の完済から5年程度で消えるからね。
借金を整理したあとしばらくは手持ちのお金の中だけでやりくりするしかなくなる。
けれど、今後生活を立て直していくためにはむしろプラスともいえるんじゃないかな。
任意整理を弁護士に依頼しても赤字にはならない
だけど、結論からいえば弁護士に頼んでも赤字になることはほとんどないんだよ。
債務整理における弁護士費用は、減額された借金のなかから捻出されるのが一般的なんだ。
2社から借り入れている100万円の借金(年利15%、3年払い)を任意整理したケース
そのまま返済 | 任意整理した | |
月々の返済額 | 34,665円 | 27,700円 |
利息合計 | 247,952円 | 0円 |
弁護士費用 | 0円 | 50,000円 × 2社 |
総支払額 | 1,247,952円 | 1,100,000円 |
月々の返済額 | 利息合計 | 弁護士費用 | 総支払額 | |
そのまま返済 | 34,665円 | 247,952円 | 0円 | 1,247,952円 |
任意整理した | 27,700円 | 0円 | 50,000円 × 2社 | 1,100,000円 |
弁護士費用もあと払いや分割払いに応じてくれる事務所が多いし、費用についてはそこまで心配しないで大丈夫だよ!
弁護士や司法書士でも任意整理できないケース
そもそも業者側が交渉に応じる気がない
さっき説明した通り、任意整理を断ってしまうと、借主からお金を回収できる可能性は低くなってしまうのよ。
弁護士:任意整理に応じてもらえないようであれば、こちらは自己破産するしかありませんが、それでもいいですか?
貸金業者:はい。構いません。
こういうのは、大手の会社ではなくて、中小規模の貸金業者(いわゆる街金)との交渉ではこういうことが起こりやすいみたい。
借主本人に収入がない
そういうケースだと、普通に任意整理の交渉を断られてしまうかも。その場合は、自己破産も視野にいれて、弁護士と相談した方がいいね。
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自分で交渉をする特定調停とは
任意整理と同じように債権者と交渉して借金を減らしてもらう手続きで、特定調停というものもあるんだ。
特定調停は任意整理に比べてデメリットが多いからあまりオススメはできないんだけど…一応解説しておくね。
特定調停とは簡易裁判所で行う話し合い
任意整理と比較すると以下のような違いがあるよ。
特定調停 | 任意整理 | |
弁護士への依頼 | 不要 | 依頼するのが一般的 |
1社あたりの費用相場 | 数百円~数千円 | 2~5万円(弁護士に依頼した場合) |
裁判所での手続き | 必要 | 不要 |
特定調停というのは,債務の返済ができなくなるおそれのある債務者(特定債務者)の経済的再生を図るため,特定債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を行うことを目的とする手続です。
【引用:特定調停申し立てQ&A – 裁判所】
特定調停のメリット・デメリット
メリット |
|
デメリット |
|
そうだねえ。特に、成功率が低いのが問題だね。
令和2年度の司法統計によると、特定調停によって利息の減額が認められたのはわずか14%だ。
申し込んだ時点で任意整理と同じようにブラックリストに登録されてしまうことなども考えると、あまりオススメできる手段ではないかな…。
まとめ
とりあえず、今回教えてもらった内容をまとめてみようか…。
- 自分で任意整理をしようとしても断られる可能性が高い
- 「月々の返済額を下げるので、返済を続けてもらえませんか?」と提案されたら絶対に断ろう
- 弁護士や司法書士に依頼すれば、任意整理は成功しやすい
- 最初から任意整理に応じる気がない業者もあるので要注意
それだったら大人しく、弁護士に依頼しますわ!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。