交渉もうまくいっているのか正直信用できないし…途中で他の弁護士に変えるとかってできるのかなあ。
実は、まだ債権者と和解が成立していないのであれば、いつでも任意整理をやり直せるんだよ。
とは言っても、一度依頼した任意整理を取り消すとなると、色々とリスクが生じてくる。
先生に詳しく聞いてから考えてみよう!
さいむくんのように、任意整理を依頼した弁護士との折り合いが悪く、弁護士を変えようか検討している方も多いのではないでしょうか?
もしくは、任意整理後の返済がうまくいかずにやり直しを検討している方もいると思います。
任意整理のやり直しは、タイミングによってさまざまなリスクが生じるため、自身の状況に応じて対処法を知っておく必要があります。
この記事では以下の3点について詳しく解説していきます。
- 任意整理をやり直す際のリスク
- 任意整理がやり直しになった時の対処法
- 新たに弁護士を探す際の注意点
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任意整理は途中でやり直しできる
債権者との和解前であればいつでも解約できる
任意整理の段階を簡単に確認しておこう。
- 弁護士に相談をする
- 弁護士に任意整理の依頼をする
- 弁護士が債権者に受任通知を送る
- 弁護士費用の積み立てが開始する
- 債権者との交渉が開始する
- 債権者との和解が成立する
最後の段階である債権者との和解が成立するまでの間だったら、どのタイミングであっても任意整理は解除できるんだ。
これは法律でしっかりと定められていて、債権者との和解が成立するまでの間は、債務者と弁護士はあくまで委任契約を結んでいることになるからなのさ。
(委任の解除)
第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
【引用:民法第651条 – e-Gov法令検索】
それについては、このあと『任意整理がやり直しになってしまうケース』でも解説するね。
だけど弁護士も仕事として引き受けているわけだから、滅多なことがなければ弁護士側から解除されてしまう心配はないかな。
和解が成立している場合は解約できないので注意
任意整理において、債権者との和解が成立すれば弁護士の役目はほぼ終了となり、あとは債務者本人が返済していくだけになる。
一度和解が成立してしまったら、いくら返済回数や利息などの和解条件に納得がいかなくても、任意整理の解約はできないんだ。
返済が苦しければやり直す方法もある
でも、もし和解条件に納得がいかなかったり、和解後に返済が苦しくなったらどうしたらいいんでしょうか?
そのあたりについては、あとで『任意整理がやり直しになった場合の対処法』でゆっくり解説するよ。
任意整理がやり直しになってしまうケース
それと同様に、任意整理を依頼をした弁護士側から途中で解約される場合もあるんだ。
弁護士に任意整理を辞任されて、やり直しになってしまうケースにはどんなものがあるか確認しておこう。
弁護士からの連絡を無視する
任意整理は、弁護士が債権者と返済回数や利息などの和解条件について交渉をするわけだけど、あくまで依頼人本人の希望に沿って進める必要がある。
弁護士からの電話に出なかったり、着信があっても折り返しの連絡をしないなど、任意整理に非協力的な姿勢を続けていると、弁護士自身も業務を続けられないと判断してやむを得ず辞任してしまうんだ。
依頼人の協力がなければ交渉もまともに進まないから、弁護士とのコミュニケーションはしっかりと綿密に取る必要がありますね。
依頼人本人が準備する必要のある書類をいつまで経っても準備しない
任意整理の際に必要になる書類の一例
- マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類
- 借入のあるクレジットカードや預金通帳
- 給与明細や源泉徴収書などの収入に関する資料
その指示を守らずにいつまでも用意をしない場合には、やはり任意整理をする意思が無いとみなされて弁護士に辞任されてしまうね。
弁護士費用の支払いが遅れる
任意整理にかかる着手金などは、分割払いに応じてくれる弁護士事務所がほとんど。
最初の数回だけ支払ってその後は滞納しつづけたりすると、弁護士に辞任されてしまうんだ。
その際には任意整理が取り消しになってしまうだけではなく、もちろんこれまでに支払ったお金も返ってこないから注意しよう。
もし今月だけ遅れてしまうような場合も、必ず弁護士に報告して、誠意ある対応を心がけることが大切ですね!
任意整理の和解前にやり直しになるリスク
だけど、自身で解約する場合でも弁護士に辞任される場合でも、一度始めた任意整理を途中でやり直すのはリスクが大きいんだ。
任意整理を中断すると取り立てが再開する
『債権者との和解前であればいつでも解約できる』で見たように、任意整理を弁護士に依頼するとまずは債権者に対して受任通知を送るんだ。
債権者は、受任通知を受け取った以降は債務者に対して直接の取り立てができなくなるんだ。
(取立て行為の規制)
第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
九 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
【引用:貸金業法第21条 – e-Gov法令検索】
しかし、もし和解前に任意整理が解約となった場合はこの受任通知の効力もなくなり、債権者からの取り立てが再開してしまうんだ。
任意整理を依頼後に解約しても弁護士費用は返ってこない
でも、弁護士にもうお金を払ってしまってるんですけど、これって返ってこないんですかね?
もっと言えば、任意整理が最後まで完了した際に支払う予定だった成功報酬までしっかり請求されるケースが多いね。
弁護士も時間と労力を割いて委任契約を結んでいるわけだから、成功報酬まで全額請求されてしまっても仕方ないな。
受任通知を送付された後では信用情報に傷がつく
- 信用情報とは
お金の貸し借りや延滞などに関しての情報。すべての国民の信用情報は、信用情報機関という会社に記録されていて、クレジットカードやローンの契約の際にカード会社や金融機関が確認する。
借金の滞納や任意整理などの信用上よろしくない情報は事故情報とも呼ばれて、一般的に事故情報が消えるまでは5~7年かかる。
一度任意整理が始まってしまうと必ず事故情報は登録されて取り消しはできないから、カードやローンの契約ができないとどうしても困るという場合には弁護士にその旨を伝えて慎重に手続きを進めよう。
任意整理の和解後に返済失敗してやり直しになるリスク
次は、和解後に任意整理をやり直しになる場合、つまり和解後の返済を失敗してしまった場合に生じるリスクを確認しておこう!
返済ができずに2回以上滞納をすると一括請求されてしまう
- 返済代行とは
任意整理後の債権者への返済を弁護士に代行してもらうこと。自分で返済する場合には各債権者の期限日に直接振り込む必要があるが、返済代行であれば弁護士が指定した期日に弁護士の口座に一括で代金を振り込めば済むというメリットがある
債権者と交わした和解の際の合意書に、2ヶ月以上の滞納によって期限の利益(※)が喪失すると書かれている場合がほとんどだからさ。
- 期限の利益とは
借金を分割払いで支払うことが可能な債務者の利益のこと。期限の利益を喪失すると、借金の残高をすべて一括で支払わなくてはいけなくなる。
もう一度任意整理をするか他の債務整理をするなどの対処をする必要が出てくるね。
1回の滞納であれば大きな問題にはならないが必ず報告する
だったら、1回だけだったらそのままでも問題ないんでしょうか?
自分で債権者に直接返済している場合は債権者に、返済代行を弁護士にお願いしている場合は弁護士への連絡が必要だよ。
もし自分から連絡しなくても、債権者や弁護士から必ず督促の電話がかかってくる。
その連絡を無視し続けていると、任意整理の続行が困難とみなされて一括請求される可能性もあるから気をつけようね。
和解後のやり直しは条件が厳しくなる
一括請求を避けるためには、もう一度同じ業者について任意整理をして再和解を目指すという方法があるんだけど、和解後のやり直しは和解条件が厳しくなるのが一般的なんだ。
- 2度目の任意整理(再和解)の時の和解条件の傾向
- 1度目の任意整理で滞納した際に生じた遅延損害金(相場は年利20%)も借金額に加算される
- 1度目の任意整理で完済予定だった日付までの分割払いで完済するように返済回数を短縮する
任意整理がやり直しになった場合の対処法
任意整理をやり直す=再和解
1回目の任意整理を担当してくれた弁護士であれば、これまでの状況を把握しているから交渉はスムーズに進む。
だけど、依頼人側の対応が悪く弁護士に辞任されてしまっている場合などは受け付けてもらえない可能性が高いんだ。
自分自身で債権者に直接交渉とかっていうのはできないんでしょうか?
ただでさえ、弁護士を通さない任意整理を受け付けてくれる債権者は少ないのに、1度のみならず2度までも返済に失敗した人からお願いされても応じてはくれないね…。
仮に弁護士に依頼して再和解ができたとしても、『和解後のやり直しは条件が厳しくなる』で確認した通り返済額は多くなってしまう可能性が高い。
再和解を目指すのは必要最低限の手段であって、よく弁護士と話し合って他にも対策を考えないといけないね。
追加介入をする=他の債権者に関しても任意整理をする
追加介入とは、1回目の任意整理で対象にしなかった借入に関しても任意整理の対象にするということだね。
すでに任意整理の経験がある人ならご存知だとは思うけど、任意整理では借入が複数あった場合に整理する借入を選べるんだ。
さいむくんの場合は任意整理の返済がうまくいかずにやり直しを検討しているわけではないからまだ大丈夫。
ただ、今後もし和解後の返済が失敗してしまったのなら、なんらかの事情で任意整理の対象から除外した借入に関しても任意整理をするべきだ。
個人再生を検討する
- 個人再生とは
任意整理と同じく、合法的な借金の減額方法である債務整理のうちの一つ。裁判所に申し立てをして、借入総額に応じて最大で10分の1にまで借金を減額できる。
とはいっても、減額した借金は原則3年以内に完済する必要があり、裁判所を通じた手続きであるためより厳密な返済が求められるんだ。
任意整理での返済がうまくいかなかった場合は、もしかしたら厳しいかもしれないね…。
自己破産を検討する
- 自己破産とは
債務整理のうちの一つ。裁判所に申し立てをして借金を帳消しにできる手続き。
とても強力な手続きであることには間違い無いが、借金が帳消しになる代わりに20万円以上の価値がある財産はすべて債権者へ配分するために没収されてしまうんだ。
自己破産をすれば持ち家や車も手放すことになってしまうし、慎重に検討したいですね。
新たに弁護士を探す時の注意点
でも、もし1度目の任意整理で弁護士に辞任されちゃった場合は、他の弁護士にお願いしないといけないですよね?
『任意整理をやり直す=再和解』でも解説した通り、一度辞任された弁護士にもう一度依頼するのは、かなり難しい。
どんな手段をとるとしても、新しく弁護士を探す必要があるんだ。
一度任意整理を失敗しているとなると、新しい弁護士に依頼する時も注意しないといけない点がたくさんあるから、解説しておこう!
別の弁護士に辞任されたことを正直に話す
一度失敗したと知られたら引き受けてもらえないのではないかという心配から隠しても、手続きを進めていくうちに必ずバレてしまうんだよ。
そうすると、不誠実な対応だととられて結果的に引き受けてくれない可能性が高くなる。
別の弁護士に辞任された理由や事情も含めて、すべて正直に話せばちゃんと引き受けてくれる可能性は充分にあるから、弁護士への対応は隠し事をせずに誠実に行っていこうね。
弁護士費用の支払いを相談する
任意整理がやり直しになって新たな弁護士に依頼する際は、あらかじめ弁護士費用の支払いについて、分割払いで対応してもらえるように相談しておこう。
2度目の任意整理だったら経済状況が厳しいことも弁護士はわかってるし、状況によってはかなり期間を長めにした分割払いで対応してもらえる可能性もあるからね。
前任弁護士から整理対象のカードや信用情報関連の書類を返却してもらう
次の弁護士との手続きの際にも必ず必要になるからね。
前任弁護士が債権者に辞任通知を通達していない場合は早めに通達してもらう
原則として、一件の債権者に対して複数の弁護士が交渉することはできない。
辞任通知を債権者が受け取っていなければ、まだ前任弁護士に交渉する権利がある状態になるから、新たな弁護士に依頼することができないってわけさ。
複数の事務所に相談して弁護士との相性を確認する
特に、処理の仕方や対応の態度について弁護士に対して不満を持っている人が多いという統計も出ているんだ。
僕みたいな人は少ないと思ってたのでなんだか安心しました。
弁護士も人間だし、たくさんの債務者の相談に載っているから、どうしても対応がおざなりになってしまう人もいるんじゃないかな。
もし弁護士との相性が良くなくて任意整理をやり直す場合は、必ず複数の弁護士事務所に相談して、弁護士や事務員との相性をしっかり確認しておこう!
ただし、『任意整理を依頼後に解約しても弁護士費用は返ってこない』でも解説した通り、任意整理を実際に依頼してしまうと、弁護士費用は帰ってこないケースが多い。
任意整理を依頼する手前の相談の段階であれば無料で引き受けてくれる弁護士事務所がほとんどだから、まずは色々な事務所に問い合わせをして、親身になってくれる人を探すのがいいよ。
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任意整理がやり直しになった時は弁護士に相談しよう
ただ、もし今後返済がうまくいかなかったなどの理由で任意整理がやり直しになってしまったらすぐに弁護士に相談するようにしてね。
今日紹介したように、任意整理が失敗してやり直しになった場合は色々な対処法があるけれど、どれがその人に適しているかというのは借金問題の専門家である弁護士でないと判断がつかないんだ。
相談だけであれば無料で引き受けてくれる弁護士も少なくないから、相性を確認するためにも色んな事務所に相談するべきだね!
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まとめ
- 任意整理を途中で解約しても、依頼後だと弁護士費用は返ってこない
- 任意整理後の返済に一度失敗すると再和解も厳しい条件になるので、追加介入や個人再生などを検討する必要がある
- 新たな弁護士を依頼する際には、複数の事務所に相談をして弁護士や事務員との相性を確認することが大切
僕の場合はこのあとは返済していくだけだからまだいいけれど、これから任意整理を考えている人にはまず色んな弁護士事務所に相談するようにアドバイスしてあげようと思います!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。