作成方法や内容が分からないな。
個人再生についてお調べの方で、このようにお悩みの方はいませんか?
この記事では、再生計画案の内容や作成方法、提出のスケジュールについて、分かりやすく紹介しています。
また、再生計画が認められるための要件や、個人再生に失敗してしまうケースについても解説しています!
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個人再生における再生計画案とは?
というか、そもそも個人再生が何なのかもよく分かってないかも…。
そもそも個人再生とは
個人再生は、自己破産とは異なり、手続きが終わったあとも返済を続けていく必要があるんだよ。
①小規模個人再生は、本来は個人事業主などを対象につくられた制度だけど、今ではサラリーマンなどの給与所得者も多くが利用するみたいだ。
逆に、②給与所得者再生は、本来はサラリーマンなどを対象につくられた制度だけど、現状では事情があって小規模個人再生が利用できない人が用いるという感覚が強くなっているんだね。
名称 | メリット | デメリット |
①小規模個人再生 | 減額幅が大きい | 債権者の同意が必要 |
②給与所得者再生 | 債権者の同意不要 | 減額幅が小さい |
①小規模個人再生のほうが借金の減額幅が大きくなることが多いから、約9割の人が小規模個人再生を選択するんだ。
再生計画案とは借金返済の具体的な計画表のこと
そこには、減額後の借金の総額や、月々いくらを何回にわけて返済していくのかが主に記載されているんだ。
この再生計画案が現実的なものかどうかは、裁判所が個人再生を認めるかどうか判断する上で、最も重要な要因といってもいいだろうね。
再生計画案の作成方法は?自力で作成することはできる?
でも再生計画案って、自分で作成するのかな?そんな大事な書類なのに、きちんと作れるか不安だな…。
再生計画案は再生委員とともに法律に従って作成する
でも安心して。再生計画案の内容や枠組みは法律で決まっているし、各裁判所や弁護士会である程度のフォーマットも用意してくれるんだ。
個人再生委員の人も手伝ってくれるよ。
基本的に個人再生委員は弁護士が選任されるし、専門家のサポートを受けられるなら安心だ!
再生計画案に記載する内容とは?
住宅ローン特約とは、個人再生手続において、居住用の住宅を手元に残すことができる特約のことだよ。
日本弁護士連合会の用意しているフォーマットに従うと、個人再生案の文例は次のようなものになる。
第1 再生債権に対する権利の変更
再生債権の元本及び開始決定前に発生している利息・損害金の合計額の20%を後記第2の弁済方法のとおり弁済し(1円未満の端数は切り上げる。)、残元本及び開始決定前の利息・損害金の残額並びに開始決定後の利息・損害金の全額について免除を受ける。
第2 再生債権に対する弁済方法
再生債務者は、各再生債権者に対し、第1の権利の変更後の再生債権について、再生計画認可決定の確定した日の属する月の翌月から、3年0か月間は,毎月末日限り、36分の1の割合による金員(1円未満の端数は切り捨て,最終回で調整する。)(合計36回)を支払う。
権利の変更後の再生債権の額が 万円未満の場合は、再生計画認可の決定の確定した日の属する月の翌月の末日限り全額を支払う。
第3 共益債権及び一般優先債権の弁済方法
再生計画案提出時における未払の共益債権及び一般優先債権はない。
今後発生する共益債権及び一般優先債権は、随時支払う。
【参照】日本弁護士連合会・個人再生手続各種参考書式
再生計画の作成は弁護士にお願いしよう
再生後に残る借金の額や、月々の返済額・期間ボーナスを利用する支払い方法の選択など、人によって記入内容が異なるからなんだ…。
個人再生手続を弁護士に依頼すれば、再生計画案だけではなく、その他の書類の作成もサポートしてくれるよ。
それから、弁護士は司法書士とは違ってあらゆる局面で依頼人の代理人になることができるから、基本的には弁護士に任せっきりで大丈夫なんだ。
個人再生手続では用意しなくちゃいけない書類の数も多いし、弁護士の先生に相談しながらやるのがよさそうだね。
再生計画案作成から提出後までの流れ
以下からは、再生計画案の作成や提出後の流れについて、具体的に紹介していくね。
再生計画案の作成までの流れ
弁護士に小規模個人再生の手続きを依頼した場合の大まかな流れは、次の通りだ。
- 弁護士に相談
- 弁護士による受任通知の送付・債権調査
- 申立書の作成・申立て
- 開始決定
- 債権届出・異議申立て
- 再生計画案作成・提出
この受任通知が到達した後は、債権者は取立てを行うことが法律上禁止されるんだ。
そして、いくら借金があるのかを調査してから、裁判所に対して個人再生手続開始の申立てを行う。
申立書に不備がなければ、裁判所により手続開始決定がなされるよ。
この段階で、地方や状況によって個人再生委員がつけられることになるんだ。
ここまでの段階でも、申立書やその添付書類など、作成しなければいけない書類がたくさんあるね…。
期限内に再生計画を提出しない場合、手続きは失敗してしまう
次の条文を見てほしいんだけど、期限内に再生計画案が提出されないとき、裁判所は再生手続き廃止の決定を「しなければならない」とあるよね。
つまり、期限内に提出がない場合、有無を言わさず、個人再生手続は失敗に終わってしまうんだ。
(再生計画認可前の手続廃止)
第百九十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
一 決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
二 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。
(略)
【引用:民事再生法第191条 – e-Gov法令検索】(再生手続の廃止)
第二百四十三条 給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
一 第二百四十一条第二項各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
二 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に第二百四十一条第二項各号のいずれかに該当する事由があるとき。
【引用:民事再生法第243条 – e-Gov法令検索】
個人再生案の提出までにもすることがたくさんあるのに、ここで手続きがこれまでやってきたことが無駄になったら大変だ。
提出期限って、どれくらいの猶予があるの?
東京地方裁判所の場合、個人再生の申立てから18週間、個人再生手続開始決定から14週間という運用になっているよ。
具体的な提出期限は、個人再生手続開始決定の際に裁判所が決定するから、決められた期日は絶対に守るようにしよう。
再生計画案の提出後の流れ
以下からは、小規模個人再生の場合と、給与所得者再生の場合に分けて紹介していくね。
小規模個人再生の場合
そこで、小規模個人再生手続では、裁判所から債権者に対して再生決議案が送られて、これに同意するかどうか書面で決議が行われるんだ。
その場合には、給与所得者再生をするか、自己破産を検討することになるね。
だけど、個人間での貸し借りだったりすると、交渉が難航する可能性があるね。
同意要件を充たせば、裁判所により個人再生認可決定がなされ、計画案通りの返済を開始することになるよ。
給与所得再生の場合
ただし、給与所得者再生の場合、小規模個人再生の場合よりも安定した収入が必要で、厳格な審査が裁判所によってなされるんだ。
再生計画が認められない場合とは
つまり、きちんと手続きに取り組めば、ほとんどの場合は再生許可が下りるといえるね。
だけど、今から紹介するような点に注意しないと、不許可決定となってしまうから注意してね。
書類の不備や期日不遵守
また、各書類に記載すべき内容も、法令や各裁判所によって定められている。
これに対して、期限を守らなかったら問答無用で不許可決定になっちゃう!
書類の不備や提出期限ミスをなくすためにも、やっぱり弁護士に書類関係は任せておいたほうが安心だね…。
債権者の反対
債権者の過半数が再生計画案に同意しないような場合、手続きは「廃止」という扱いになる。再生計画が認可されることなく手続きが終了となる、という意味だ。
こうした場合には、給与所得者再生や自己破産、任意整理など、そのほかの債務整理も検討しておいたほうがいいかも。
どのような場合に債権者が反対するのかや、反対された場合にどうすればいいのかの判断は難しいから、こういった点も弁護士に相談しておかなくちゃ!
再生計画案の実行!履行テストとは?
履行テストに失敗した場合も、残念ながら個人再生は認められないんだ。
履行テストで積み立てたお金は、再生手続が終了したあと、再生委員の報酬を差引かれて返金されるんだったね。
履行テストは、再生計画案通りに返済を続けられるかどうかをテストするために行われるんだ。
だから、履行テストに失敗すると、再生計画案は絵に描いた餅と評価されることとなり、個人再生は失敗してしまう。
履行テストの具体的な内容や注意点については以下の記事でも紹介しているから、こちらも参照してね!
まとめ
- 再生計画案とは、借金返済の具体的な計画表のこと
- 再生計画案の内容は法令等に従い作成し、期限内に必ず提出する
- 書類作成や債権者への対応は、弁護士に依頼しよう
多くの人が選択する小規模個人再生では債権者の同意を得る必要があるけど、債権者はこの再生計画案をもとに同意するかどうかを決めるわけだしね。
そして、東京などの場合には、再生計画案に従って実際に支払いを行う履行テストも行われる。
だから再生計画案の作成は、無理に自力で行うのではなく、僕たち弁護士と相談しながら、無理のない現実的な計画を作成することをおすすめするよ!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。