医療費が原因の借金も自己破産はできるんですか?
ただし、美容整形のように浪費とみなされる可能性がある医療費については、自己破産の対象にならない可能性があるんだ。
あと、自己破産を検討していたとしても、医療費に関しては国の制度を活用することで負担を軽減できる場合があるから、制度についても確認した方がいいよ。
医療費が原因の借金も自己破産の対象になりますが、対象にならない医療費もあります。
医療費が原因の自己破産ができるケースとできないケース、自己破産する前に利用を検討したい国の制度などについて詳しく解説します。
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医療費が原因の場合も自己破産は可能
でも、医療費は病気や怪我の治療や健康維持のために受けるものだから、生活のために必要なものとみなされるんだ。
だから、生活に必要ではないギャンブルのような浪費とは違って、自己破産の対象になるんだよ。
次で詳しく説明するね。
美容整形の費用が原因の場合は自己破産できない可能性がある
その免責不許可事由の1つに「浪費による借金」があるんだ。
美容整形によって作った借金は、この浪費による借金と見なされる可能性があるんだよ。
だから、美容整形が原因の借金が全て自己破産の対象にならないとは限らないよ。
浪費かどうかは裁判所が判断するから、実際に自己破産を申し立ててみないと結果はわからないね。
自己破産をしても医療を受けることは可能
応召(おうしょう)義務といって、医師は正当な理由なく診療を拒否することはできないんだ。
ただし、支払能力があるのに医療費を支払わないつもりで受診した場合は、医師は診療を拒否できるよ。
あと、実際に読む人は少ないけれど、官報という政府発行の新聞のようなものに個人情報や自己破産をした旨が掲載されるよ。
自己破産後は医療ローンを含む借金ができなくなる
ローンやクレジットカードを作るときの審査では、信用情報機関に登録されている信用情報を参照されるんだけれど、そこに破産したことが記録されるんだ。
収入や勤務先、勤続年数、家族構成など、さまざま項目を総合的に審査されるから、絶対借りられるわけではないことに注意してね。
自己破産以外の債務整理も検討した方がいい
債務整理の種類別に内容とメリット・デメリットを以下にまとめたよ。
内容 | メリット | デメリット | |
任意整理 | ・業者単位で直接交渉し、これから発生する利息や遅延損害金をカットして3~5年で完済を目指す手続き | ・整理する借金を選べるため、住宅ローンの返済を続けることで自宅を失わずに済む
・官報に個人情報や債務整理した旨が記載されない |
・任意整理の交渉が絶対に成功するとは限らない
・任意整理をした業者からは信用情報の記録が削除された後も借りられなくなる可能性がある ・完済から5年間は信用情報に事故情報が記録されて新たに借金できなくなる |
個人再生 | ・全ての借金をまとめて大幅に減額し、3~5年で完済を目指す裁判所を介した手続き | ・医療ローンの借金だけではなく他の借金もまとめて減額できる
・大きく減額できるにもかかわらず財産を没収されない |
・信用情報に記録される事故情報が消えるまでに5~10年かかる
・裁判所に認められなければ行えない ・官報に個人再生をした記録や個人情報が掲載される |
自己破産 | ・全ての借金を免除する裁判所を介した手続き | ・医療ローンの借金だけではなく他の借金も全て免除できる | ・99万円以下の現金や義足など身体を補助する器具、生活必需品などを除き全財産が没収される
・官報に自己破産をした記録や個人情報が掲載される ・裁判所への申し立てから免責の許可が出るまでの間は士業や警備員など一部の職に従事できない |
自己破産の前に個人再生、その前に任意整理をした方がいいんですね。
まずは、どの債務整理をすべきか、信頼できる弁護士に相談しよう。
医療費を支払えない場合に利用できる公的制度
中には大幅な医療費の減額が期待できる制度もあるから、自己破産せずに済むかもしれないよ。
医療費の負担を軽減できる公的制度について詳しく見ていこう!
高額療養費制度
医療費なら何でも対象になるんですか?
例えば、健康保険が適用されて3割負担になった場合は、その3割負担分が高額療養費制度の対象になるんだ。
入院時の差額ベッド代や先進医療にかかる費用などは対象外だから注意してね。
69歳以下と70歳以上で基準が異なるから、それぞれ詳しく見ていこう!
振り込みには受診から3ヶ月程度はかかるから、早めに申請した方がいいよ。
ちなみに診療を受けた月の翌月の初日から2年が時効だよ。
限度額適用認定証
高額医療費貸付制度
高額医療費貸付制度は、その間の医療費の支払いに充てる資金を無利子で貸し付ける制度だよ。
どれぐらい借りられるんですか?
国民健康保険は支給見込額の90%、全国健康保険協会管掌健康保険と船員保険は支給見込額の80%を借りることができるんだ。
こういう便利な制度はやっぱり手続きが複雑なんじゃないですか?
- (1)医療機関にて高額医療費貸付制度を利用することの承諾を得てから、保険証を持って居住地を管轄する役所の保険年金担当課へ行き、窓口で申請書類を受け取る
- (2)医療機関で申請書類に必要事項を記入してもらい、自己負担限度額までの医療費を支払う
- (3)保険証と申請書類、医療費の領収書、印鑑を持って役所の保険年金担当課へ行き、申請書類を提出する
傷病手当金
病気や怪我を理由に会社を休んだ日が3日続いていて、4日目以降に休んだ日に対して支給されるんだ。
1日当たりの支給額=最初に傷病手当金が支給される日から12ヵ月前までの各標準報酬月額の平均額÷30日×2/3
ただし、最初に傷病手当金が支給される日以前の期間が12ヶ月未満の場合は、代わりに次のいずれか低い方の額を計算式に当てはめて算出
- 最初に傷病手当金が支給される日が属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- 標準報酬月額の平均額
- 30万円
医療費控除
所得税は、「所得(収入-経費で計算)×税率-税額控除額」で算出するんだけど、この所得から医療費を差し引いて、所得税を減らすというのが医療費控除なんだ。
支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円※
※総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%
例:医療費100万円、保険金額40万円、総所得金額300万円の場合
医療費控除額=100万円-40万円-10万円=50万円
生活保護制度
生活保護は、憲法で定められている「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立した生活ができるように援助する制度なんだ。
収入や財産、保険給付金、臨時収入など、さまざま資産、負債などを加味して、生活保護を利用できるかどうか判断されるんだよ。
もちろん、保険適用の診療に限るから注意してね。
医療費がきっかけで自己破産した人の事例
お名前:S.Kさん
年齢:43歳
借金額:1,653万円(住宅ローンを含む)
とある病気を発症し、数年前から入退院を繰り返しています。
病気でこれまで通りの業務を行えなくなったため、体力をそれほど使わない別の仕事に転職したのですが、給料が安くギリギリの生活になりました。
難病指定があれば医療費の助成を受けられますが、私の病気は入退院を繰り返す厄介な病気なのに難病指定ではないため、健康保険以外の助成が一切ありません。
だからといって治療をやめると体調を大きく崩すことになるため、借金をしてでも治療を受けるしかありませんでした。
そこに子供の大学進学費用と住宅ローンの支払いが重なり、これ以上あがいても状況は良くならないと感じ、相談できる弁護士事務所を探しました。
そこで、ふと目に留まったのがFAST法律事務所さんです。
親身に相談に乗ってくれたという口コミがあったのと、自宅から近かったので相談しようと思いました。
最初は弁護士に相談することが不安だったのですが、LINEで無料相談に対応してくれたので、安心して相談できましたね。
現在の状況、貯金額、家族構成など細かくヒアリングしてくれて親身にアドバイスしてくれたので、アドバイスしてもらった通り自己破産の手続きを依頼しました。
自己破産の流れや待機期間、その後の生活についても教えてもらえたので、不安にならずに自己破産が認められるのを待つことができ、とてもありがたかったです。
まとめ
医療費を支払えなくて借金した場合も自己破産ができることについて理解できたかな?
今回、解説した内容を振り返ってみよう!
- 医療費を支払えないために借金したとしても自己破産はできる
- 収入に見合わない金額の美容整形は浪費扱いとなり自己破産できない可能性がある
- 自己破産をした後も引き続き医療を受けることは可能
- 自己破産すると5~10年は医療ローンを含む借金ができなくなる
- 医療費を支払えないときは公的制度を利用できないか確認すべき
医療費による借金も自己破産の対象になることがよくわかりました!
僕は、公的制度を利用してもそんなに借金額は変わらなさそうだから、まずは信頼できる弁護士に相談してみます。
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。