たしかにさいむくんの言う通り、借金を減らすことはできるけど、そう簡単なものじゃないんだよ。
債務整理について調べている間に「特定調停」「17条決定」という言葉を目にしたことはありませんか。
なんだかよくわからないけど借金が減額できるんだ。
そんなイメージをもっていませんか。
今回は、そんな「特定調停」「17条決定」について調べてみました！
この記事を読めば、任意整理や自己再生といった債務整理の方法の選択肢がまた１つ増えますよ！
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そもそも特定調停とは？
例えば、自己破産の場合、破産の決定は裁判所が行う。
でも、特定調停は調停なので、自分とお金を貸してくれた相手との当事者同士で行う話し合いの場なんだ。
間に調停委員が入ってくれるので、専門家に依頼しなくても自力で進められるし、専門家への依頼料などがかからないというメリットもあるよ。
裁判や法律の専門家に依頼した場合とどんなところが違うんだろう。
判決(裁判)や和解との違い
一般的な調停と特定調停の違い
この調停は裁判官１名と裁判所に選ばれた調停委員２名が当事者双方の話を聞きながら、問題の解決を目指そうとするものなんだ。
その話し合いによって行われる調停の中でも、特定調停は、「特定債務者」(特定調停法２条１項)にあたる人が使える制度なんだ。
（定義）
第二条 この法律において「特定債務者」とは、金銭債務を負っている者であって、支払不能に陥るおそれのあるもの若しくは事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの又は債務超過に陥るおそれのある法人をいう。
２ この法律において「特定債務等の調整」とは、特定債務者及びこれに対して金銭債権を有する者その他の利害関係人の間における金銭債務の内容の変更、担保関係の変更その他の金銭債務に係る利害関係の調整であって、当該特定債務者の経済的再生に資するためのものをいう。
３ この法律において「特定調停」とは、特定債務者が民事調停法第二条の規定により申し立てる特定債務等の調整に係る調停であって、当該調停の申立ての際に次条第一項の規定により特定調停手続により調停を行うことを求める旨の申述があったものをいう。
【引用】特定調停法 – e-Gov法令検索
たとえば、借金があり、今後返済ができなくなるような人をいいます。
特定調停と任意整理の違い
違うのは、①仲裁役が弁護士か調停委員か、②取り立てが止まる時期、③債務名義の有無、④交渉を弁護士が行うか、自分が行うか、だね。
任意整理では弁護士が受任通知を送れば督促が止まるけど、特定調停では申し立ての書類を準備して、申し立てを行わないと止まらないんだ。
手間がかかるよね。
| 違い | 任意整理 | 特定調停 |
| 対象となる債務 | 自分で選択可能 | 自分で選択可能 |
| 仲裁役 | 弁護士 | 調停委員 |
| 督促が止まる時期 | 受任通知が送付された時 | 調停を申し立てた時 |
| 交渉 | 弁護士 | 調停委員はいるが自分で交渉を行う |
| 債務名義の有無 | 合意書(判決のような効力はない) | 調停調書(判決と同じ効力がある) |
債務名義とは
ちょっと難しいかもしれないけど、この債務名義ってやつがあれば、通常裁判をして判決を勝ち取らないとできない差し押さえが可能になる。
上の表で言えば、特定調停をすることで、その判決と同じ力を持つ調停調書が出されるんだ。
一方で、任意整理の場合は、単なる合意書に留まるから、差し押さえするってなると、貸主が裁判を起こさないといけない。
調停ならいい加減な合意は書けない。
でも、さいむくんの言うように、任意整理ならもし借金が返済できなくなってもすぐに差し押さえられることがない。
それにそもそも特定調停に応じる業者が少ないから多くの場合には任意整理をすることになるよ。
判決や和解とは？
和解は、判決と違って、お互いが問題を解決するために条件をゆずり合って交わす合意をいうんだ。
でも、和解ならお互いの納得する条件で問題を解決できるんですね。
判決だと法律に書いてあることしかできないけど、和解にはそれがない。
17条決定とは？
１７条決定は裁判所が間に入ること
でも、調停の内容に問題はないけど「意地になって調停したくない」ってこともある。
そうしたときに、裁判所が間に入って、「裁判所が決めたからお互い納得してくださいね」ってことにするのが17条決定だよ。
（調停委員会が定める調停条項）
第十七条 特定調停においては、調停委員会は、当事者の共同の申立てがあるときは、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができる。
２ 前項の調停条項は、特定債務者の経済的再生に資するとの観点から、公正かつ妥当で経済的合理性を有する内容のものでなければならない。
３ 第一項の申立ては、書面でしなければならない。この場合においては、その書面に同項の調停条項に服する旨を記載しなければならない。
４ 第一項の規定による調停条項の定めは、期日における告知その他相当と認める方法による告知によってする。
５ 当事者は、前項の告知前に限り、第一項の申立てを取り下げることができる。この場合においては、相手方の同意を得ることを要しない。
６ 第四項の告知が当事者双方にされたときは、特定調停において当事者間に合意が成立したものとみなす。
【引用：特定調停法 – e-Gov法令検索】
しかし、両方の当事者が申し立てていれば、裁判所がお互いの利益になるよう妥協案である調停案を作成し、それにお互いが同意したものとみなすことができるよ。
この“みなす”というのは、たとえそれに従いたくないとしてもお互いが納得したことに法律が強制的にするものだよ。
１７条決定の効力
その場合には、業者側は、決定された調停の内容に違反して５０万円以上の返済を請求できなくなる。
でも、もし調停で決まった返済額を支払えなかったら、裁判をしないでいきなり差押えされてしまうことにもなるから注意が必要だね。
17条決定には異議申し立ても可能
17条決定に異議申し立てがあれば調停不成立となる
17条決定がされた場合、なにもしないと調停が成立したことになってしまう。
そこで、内容に納得できない場合には、異議申し立てをして、17条決定の効力を失わせる必要があるんだ(特定調停法22条、民事調停法18条5項)。
異議申し立て期間は２週間
でも、法律でそう決まってるからその期間内にしないと異議が認められなくなっちゃうから、絶対期間内にしようね。
異議申し立てされたら別の方法を検討する
相手から異議を出されてしまったら、せっかく借金が減額できたと思っていたのに…、ということになってしまうね。
その場合には、任意整理などのほかの債務整理の方法も検討しないといけないことになるね。
全部終わったと思った後にそんなことにならないように、特定調停をしようと思ってても、一度法律事務所に相談に行くことをおすすめするよ。
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対応も早くて丁寧でしたのでとても感謝しています。
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まとめ
今回のせんせいの話をまとめるとこんな感じだね。
- 特定調停は、当事者の話し合いで行う
- お互いが納得すれば減額可能
- 裁判所に妥協案を作ってもらうこともできる（17条決定）
- 17条決定に納得できないときは、2週間以内に異議申し立てをする
特定調停は、お金をかけずに、自分でできる。
でも、交渉が難しいって人は、ちょっとお金がかかっても、弁護士に任意整理を依頼した方が、楽だと思うよ。
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| 監修記事 | 債務整理note |
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