自己破産した人を訴えることはできる｜自己破産でも免除されないもの

もしホントなら、訴えられたくないし自己破産したいんですけど…

「自己破産すると訴えられない！」という考え方は間違いだよ。

相手がどんな意図で「訴える」って言っているのかによって考え方が変わるわけだけど、自己破産した人を訴えることができなくなるっていうルールはないんだ。

そして、自己破産を申し立てただけでは借金がなくなるわけじゃない。

手続きの最後に裁判所から「免責」の決定をもらってはじめて借金を返さなくてもよくなるんだ。

自己破産の手続きで免責が決定されると、債権(＝借金)を強制的に取り立てることができなくなるんだ。

借金が返済できないとき、差し押さえを受けるでしょ？ああいう強制執行(きょうせいしっこう)ができなくなるから、銀行や貸金業者も取り立てをやめる。

だから「借金を返さなくてもいい」という理屈になるんだ。

破産法という法律に「支払不能」の意味が定義されているからチェックしておこう。

たとえば、免責が許可されたあとに請求を受けて支払いをした場合、その支払いは法的にも有効なんだ。

ただし、裁判所が免責を許可している以上は法的にみても返済の必要がない状態だから、執拗な取り立てや取り立てを目的とした面会の強要は禁止されているんだ。

裁判となると、自分で対処は難しいでしょ？

仮に自己破産後に訴えられたとしても、お金がないんじゃ回収しようがないのが現実だよ。

ただ、給料を差し押さえられる可能性はあるかな。

次は、どんなケースだと自己破産しても支払う必要があるのか、紹介していくよ！

たとえば、不注意で交通事故を起こした場合の慰謝料や離婚の慰謝料などは悪意に基づくものではないから免責される。

不倫なんてのは、そのものの行為が悪意に満ちてるって皆思うだろうけど…

単に不倫したってだけじゃ請求が認められないケースがほとんどだよ。

一方で、相手が不倫を知ったうえでやめるように注意してもなお、不倫をしたような場合だと、請求が認められる可能性はある。

この辺は弁護士に聞いた方がいいね。

話は戻るけど、物を盗んだといった罪を犯して請求された慰謝料は悪意が認められるから非免責債権になる可能性が高いんだ。

たとえばスマホをみながら自転車を運転していて歩行者にぶつかってしまい、治療費や慰謝料の支払いを求められているケースでは、裁判所がほかの借金について免責を許可しても損害賠償金は免責されないよ。

脱税の追徴金なども免責されないよ。

また、従業員に対してまだ支払っていない給料や残業代なども非免責債権に含まれるよ。

税金は国を運営するためのものだから、国が請求できちゃうんだ(破産法253条)。

税金は本当に免責されないので、滞納すると延滞金が加算されるなど、「詰み」状態になっちゃうから、早めに市役所等で相談して分割で納めようね。

でも、自己破産をすればすべて解決できるのかといえばそれは間違いだよ。

たとえば税金の滞納が多すぎて支払不能に陥っているのだとしても、自己破産による解決は期待できないんだ。

生活に必要な一定の財産は残せるけど…マイホームやマイカー、預貯金、株式などの有価証券のようにお金に換える価値のあるものは処分の対象になってしまうよ。

ローンやクレジットカード発行の審査で支払い能力をチェックする際に利用されるから、申込みを断られてしまうことになるだろうね。

さらに「官報」という国の機関紙に住所と氏名が掲載されてしまう。

官報を見てる人が少ないとはいえ、自己破産をしたことが思いがけないところで発覚してしまうかもしれないよ。

強制執行が迫っているなら迷っているヒマはないから、急いで自己破産の手続きを進めたほうが利口だよ。

その時点から取り立てができなくなるから、強制執行の危険もなくなるよ。

それに、自己破産は個人で対応するのは難しいから裁判所も「弁護士に依頼したほうがいい」と言っている。

弁護士が代理人として受任通知を送ると、破産手続きの前でも取り立てがストップするよ。

でも、借金の支払いをしたらぜんぜんお金がなくなって生活できないような状態なら、自己破産で立て直しを図ったほうがいいだろうね。

無理を続けていればいつかは「どうにもならない」という状態にたどりついてしまうよね？

完全に行き詰まってしまうよりも前に自己破産したほうが立て直しも早まるよ。

仕事も手につかなくなるし、夫婦・家族の関係も悪くなってしまう。

自力で解決できない問題はどんなに悩んでも解決できないのだから、早く自己破産に踏み切って解放されたほうが利口だよ。

とはいえ、やはり無理な支払いを続けていると生活さえままならなくなるから、早めの解決を目指そう。