「少額管財事件」とは？自己破産の手間や費用の負担を軽くする制度

でもそれは「刑事事件」っていう意味で、ここでは「手続き」という意味の法律用語だと理解しよう。

通常なら何度も裁判所に出向いたり貸主との集会に何度も参加したりといった手間がかかるけど、少額管財事件では原則1回の期日で済むんだ。

手続き開始から終結までの期間はおおむね3か月だから、負担は大幅に軽減されるよ。

自己破産の手続きを進める際は、財産の調査や処分のために裁判所が「管財人」を指定することになる。

その管財人に支払う報酬として「予納金」が必要になるんだけど、通常なら50万円以上かかるところが少額管財事件ならおおむね20万円で済むんだ。

それなのに「お金がなくて手続きを進められない」という人も少なくないから、救済策として創設されたという背景があるよ。

この手続きだと、債権者（貸主）は貸したお金を回収するチャンスがなくなるんだ。

でも、少額管財事件なら、少なくとも「どのくらいの財産があるのかを調べて換金するチャンスはある」ってことになるよ。

お住まいの地域によっては、少額管財事件を利用できないこともあるから注意が必要だよ。

これが全国にも広がったわけだけど、導入していない地域もある。

だから、少額管財事件の取り扱いがないところに住んでいると本制度を利用できない。

東京に住んでいるわけじゃないのに東京地裁に申立てをすることは「管轄違い」となるからNGなんだ。

一定のデメリットがあることもしっかり理解しておこう。

これは、弁護士によって事前に十分な財産調査が尽くされている必要があるからなんだ。

この点は、次のポイントにつながるよ。

管財人が選任されないから予納金を支払う必要もないし、手間もかからないんだ。

少なくとも「大して調べもせずに結論が出る」ってわけじゃないから、管財人の仕事がなくなるわけじゃないんだ。

すると、管財人になる弁護士が少ない地域だと、少額管財事件よりも管財人の手間がない「同時廃止」のほうが選択されやすくなるよ。

地域によっては少額管財の対象になるケースでも基準をゆるめて同時廃止にすることも多いから、地域性を理解している弁護士にアドバイスをもらうといいよ。

かならず代理人弁護士による申立てを求められる以上は、弁護士費用の負担は避けられないんだ。

すると毎月の返済もとりあえず止まるから、返済分を弁護士事務所にストックすれば数か月以内に着手金分のお金が貯まるよね？

「お金がないから弁護士にも依頼できない」とためらうよりも、まずは費用の負担も含めて弁護士に相談してみよう。

東京地裁がはじめた制度だけど、全国にも同じような制度があるから裁判所のホームページやその街で活躍している弁護士に尋ねてみよう。