確かに自己破産の他の手続きと比較しても費用は安く済むし、必要な期間も短いのが少額管財の特徴だね。
今日は自己破産の少額管財が具体的にどのような手続きなのか、先生に詳しく説明してもらおう!
自己破産と言っても、手続きにいくつかの種類があるのはご存知でしょうか?
そのひとつが「少額管財」です。今回の記事では自己破産の少額管財について、以下の点を中心に解説していきます。
- 自己破産手続きにおける少額管財とは?
- 少額管財のメリットと手続きの流れ
- 手続きに必要な費用と注意点
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自己破産手続きにおける少額管財とは?
さいむくんは、自己破産には2種類があるのを知ってるかい?
- 同時廃止事件…手続き開始の許可がおりたと同時に完結する手続き
- 管財事件…手続き開始の許可がおりたあと、申立人の財産の調査や売却を行う手続き
管財事件は、例えば申立人が家や車、その他の財産を持っている場合、それらを売却して、貸主(債権者)たちに配当することになる。
だから、管財事件になると、それらを行う裁判所側の弁護士(破産管財人)の報酬などもかさんでしまうんだ。
管財事件の中でも「破産管財人の業務量が多い事件」と「破産管財人の業務量が少ない事件」があるわけだ。
少額管財は、「同時廃止事件扱いにはできないけれど、管財事件にしては破産管財にの業務量が少ない事件」は、費用を安く、スピーディーに手続きできるようにした制度、って感じかな。
破産手続きを簡素化した制度
だけど少額管財の場合、手続きが簡素化されていて、約3か月程度しかかからない。
他の手続きの場合は何回も裁判所へ行ったり、債権者との集会に何度も参加したりしなければいけないんだけど、少額管財では裁判所に行く回数も1回で済むのが特徴だね。
破産手続きに必要な費用が安い
例えば「管財事件」の場合、手続きを行う管財人に対して自己破産を申し立てた人は報酬を支払う必要があるんだ。
【東京地方裁判所における管財事件に必要な費用】
負債総額 (単位:円 ) | 法人 | 自然人 |
5000万円未満 | 70万円 | 50万円 |
5000万〜1億円未満 | 100万円 | 80万円 |
1億〜5億円未満 | 200万円 | 150万円 |
5億〜10億円未満 | 300万円 | 250万円 |
10億〜50億円未満 | 400万円 | |
50億〜100億円未満 | 500万円 | |
100億円以上 | 700万円以上 |
【参考:破産事件の手続き費用|東京地裁民事第20部 】
そもそも自己破産というのは「経済的に困っている人を救済するための制度」だからね!
さいむくんのように「お金がなくて手続きができない」という人でも、自己破産を利用できるように創設されたのが少額管財という制度なんだ。
少額管財に必要な費用は約20万円と言っていましたけど、それよりかかる場合もあるんですか?
少額管財を利用できる基準
少額管財事件の基準 | |
手続き上の基準 | ・弁護士が代理人として申し立てること ・代理人の弁護士によって事前に財産の調査が行われていること |
財産上の基準 | ・資産の総額が60万円未満であること |
自己破産の少額管財手続きの流れ
- 破産手続きの申し立て
- 債務者審尋
- 破産手続き開始決定
- 裁判所による調査
- 債権者集会・配当
- 免責審尋・免責に関する決定
1.破産手続きの申し立て
手続きの申し立てにはいろいろ必要な書類があるんだけど、弁護士に依頼すればどのように必要書類を用意すればいいのかしっかり教えてくれるから安心してね。
2.債務者審尋
- 債権者の数
- 所有している財産
- 抱えている負債
- 破産申立に至った経緯
- 法人の場合 事業内容
だから法律に関して何も知らないという人でも、不安を感じることなく債務者審尋に臨むことができるんだ。
3.破産手続き開始決定
ちなみに破産手続き開始決定の法的な要件は、以下のように定められているよ。
- 債務者が支払不能であること
- 債務者が債務超過であること
- 破産手続きに必要な費用が与納されていること
- 不当な目的で破産手続き開始の申し立てを行なってはいないこと
申し立てをする人は、要件を満たしているかどうか気にする必要はないから安心してね。
4.裁判所による調査
ちなみに破産管財人というのは、裁判所に代わって自己破産手続きに必要な調査などを行う人のことだね。
選任された破産管財人は、次のような調査・業務を行うことになるよ。
- 債権者や債権額に関する調査
- 債務者が所有している財産の換価処分と債権者に対する分配・配当
- 免責不許可事由がないかの調査
5.債権者集会・配当
債権者集会では、債権者に対して財産の分配額や配当に関する見通しなどの説明が行われるよ。
6.免責審尋・免責に関する決定
特に問題がなければ免責許可の決定が裁判所によって下されて、借金が免除となる。
ちなみに管財事件における手続きの流れは、以下のとおりとなっているよ。
- 申し立ての準備
- 破産手続き開始
- 免責の申し立て
- 審理
- 破産手続開始決定
- 管財人の選任
- 債権者集会
- 債権確定
- 破産財団による債務者の財産の管理・処分
- 債権者への換価した財産の配当
- 破産終結決定
【参考:破産(自己破産)の手続きについて – 盛岡地方裁判所第2民事部】
ただ管財事件と比べて簡素化されてるとは言っても、手続きはかなり複雑で専門的な知識が必要になる。
できるだけスムーズに手続きを進めるためにも、自己破産をすると決めたらはやい段階で弁護士に相談するのがおすすめだよ。
自己破産の少額管財手続きに必要な費用
ここでは、それぞれどれくらい費用が必要なのか解説していくよ。
裁判所費用
地方裁判所によって設定されている費用は異なるから、手続きをする前に弁護士などに聞いて確認しておこう!
弁護士費用
自己破産の手続きを弁護士に依頼した場合に必要となる費用と内訳
費用の項目 | 内容 | 相場 |
相談料 | 法律相談にかかる費用 | 30分あたり5000円 |
着手金 | 依頼を受任したときにかかる頭金 | 25~30万円 |
報酬金 | 依頼が成功したときに発生する報酬 | 25~30万円 |
うーん借金が免除になるとはいえ、60万円は高いなぁ…。
でも自己破産の手続きを弁護士に依頼した時点で、受任通知が送られて債権者からの取り立てと返済は一時的にストップする。
毎月返済しなければならないお金が浮くということだから、その分を自己破産費用に充てればある程度まとまった金額も用意できるんだ。
費用の分割払いに対応している弁護士事務所もあるから、まずは費用のことを含めて弁護士に相談してみるのがおすすめだよ。
少額管財の注意点
複雑な自己破産手続の場合は利用できない可能性がある
このような場合、破産管財人による調査に半年から一年以上時間がかかる場合がほとんどだから少額管財ではなく管財事件になってしまうんだよ。
少額管財制度を採用していない裁判所も存在する
自己破産について定めた破産法によって明確に定められている制度ではないから、地域によって少額管財制度を採用していない裁判所も存在しているんだよ。
お住まいの地域で少額管財もしくは似たような制度が運用されているかどうか、弁護士に依頼する際に必ず聞いてみてね。
弁護士への依頼が必須
もし弁護士ではなく個人や司法書士が裁判所に申立をした場合、費用がかかる管財事件になってしまう。
できるだけ手続きに必要な費用を抑えたいのであれば、必ず弁護士に依頼しよう!
自己破産を検討しているなら弁護士に相談するのがおすすめ
ここでは、なぜおすすめなのか、その理由について解説していくよ!
状況によっては自己破産以外の方法での解決を提案してくれる
自己破産は借金が免除になる一方で、次のようなデメリットもある。
- 官報に名前がのる
- 手続き中は一定の資格・職業に制限がかかる
- 一定以上の価値がある財産は没収対象となる
でも任意整理や個人再生のように、比較的デメリットが小さい手続きで解決できる場合もあるんだ。
専門家である弁護士に相談すれば、どの手続きがその人に適しているかアドバイスをくれるから、最適な債務整理の方法を選ぶことができるんだよ。
一回冷静になるためにも、弁護士の人に話を聞いた方がいいかもしれないですね。
催促・取り立てをストップできる
そしてこの受任通知を受け取った債権者は、それ以降債務者に対して直接催促・取り立てをすることが禁じられているんだ。
もしすでに借金を滞納していて、厳しい催促や取り立てに悩まされているのであれば、すぐにでも弁護士に相談して受任通知を送ってもらうと日常生活を取り戻すことができるんだよ。
手続きがスムーズに進む
必要な書類をどのように用意すればいいのかも説明してくれるから、難しい手続きをスムーズに進めることができるんだ。
もし手続きで分からないことがあったとしても、誰にも聞けないから個人で手続きを進めることはおすすめできないね。
司法書士では対応できない業務も弁護士なら任せられる
ただし弁護士は自己破産に関するすべての手続きに対応できるけど、司法書士は書類作成の代理しかできない。
しかも司法書士に依頼する場合は少額管財を選ぶことができないから、費用も割高になってしまう可能性が高いんだ。
だから自己破産をする場合は、司法書士ではなく弁護士に依頼するのがおすすめだよ。
自己破産における弁護士と司法書士の違い
弁護士 | 司法書士 | 認定司法書士 | |
請求できる債権の金額 | 制限なし | ・元金140万円以下の事案 | ・140万円以下の事案 |
訴訟可能な裁判所 | 制限なし | 簡易裁判所のみ 訴訟は不可能 |
簡易裁判所のみ |
対応可能な業務 | 任意整理・個人再生・自己破産に関する業務すべて対応可能 | 書類作成の代理が可能 | 書類作成の代理が可能 |
自己破産を少額管財で行った人の体験談
【自己破産を少額管財で行ったAさんの体験談】
クレジットカードやカードローンを使いすぎてしまい、返済できずに困っていたところ自己破産という制度があるということを知ってFAST法律事務所さんに相談しに行きました。
法律に関して全く知らない自分に対して分かりやすく説明していただき、できるだけ費用を抑えたいという希望に沿って少額管財で自己破産を進めてくれたこともありかなり経済的に助かりました。
自己破産と聞くと躊躇する方も多いかもしれませんが、手続きをすることで借金に悩まされることなく新しい人生のスタートを切ることができます。法律事務所によっては手続きに必要な費用の分割払いにも対応してくれるため、悩んでいるのではなくまずは相談してみるのがおすすめです。
自分も当初は自己破産に対してマイナスなイメージしかありませんでしたが、結果的には手続きをして良かったと思っています!
でも自己破産を検討するまで追い詰められているのであれば、早めに手続きをした方が借金に苦しむ時間も短くなって早めに人生の再出発ができる。
もし今悩んでいる人がいたら、自分はどのように解決すべきか知るためにも弁護士に相談するのがおすすめだよ!
まとめ
少額管財について理解できたかな?
最後にもう一度重要な部分を振り返っておこうか。
- 少額管財は通常の自己破産手続き(管財事件)よりも手続きが簡単で費用も安い
- 約3か月程度で手続きは終了する
- 裁判所に納める予納金は約20万円前後(管財事件は最低50万円〜)
- 少額管財事件を利用する場合は弁護士に依頼する必要がある
少額管財事件であれば、自己破産を最低限の費用で手続きできることが理解できました。
ただ地域によって少額管財の運用がされているかどうか異なるみたいですね。
自分が自己破産をすべきなのか、住んでいる地域で少額管財の運用がされているかどうか聞くためにも弁護士事務所に行って相談してみます!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。