ただし、官報に掲載されなくても任意整理をしたことが周りの人にバレることがあるんだ。
任意整理をする際は、さまざまな事象が起きるから、そのときに主に家族に知られることはあるね。
任意整理は裁判所を介さない手続きのため、官報に情報が掲載されず、周りの人に知られにくい方法ではあります。
しかし、さまざまな理由で周りの人にバレることがあるため注意が必要です。
任意整理の官報への情報掲載について解説するとともに、周りの人にバレる原因などについても紹介します。
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任意整理をしても官報には掲載されない
個人再生や自己破産は裁判所を通す手続きだけど、任意整理はあくまでも貸金業者との直接交渉。
だから官報には掲載されないんだね。
後から詳しく説明するけれど、任意整理をしたことが周りの人にバレるケースがあるんだ。
官報に掲載される債務整理
官報掲載の有無 | 掲載のタイミング | |
任意整理 | 無 | ー |
個人再生 | 有 |
|
自己破産 | 有 |
|
個人再生は官報に3回のる
官報に掲載されるタイミングは次の3つ。
- 個人再生手続き開始決定後
- 書面の決議による旨の決定後
- 再生計画の認可決定後
自己破産は官報に2回のる
個人再生よりも有利に思えるかもしれないけれど、一定額以上の貯金や贅沢品などは没収されるというデメリットがあるんだ。
官報に情報が掲載されるタイミングは次の2回。
- 破産手続き開始決定後
- 免責許可決定後
官報は政府発行の新聞のようなもの
任意整理をした場合に掲載される情報や、主な読者について紹介するよ!
官報にのる情報は氏名・住所など
つまり、個人再生や自己破産をした人の名前やどこに住んでいるのかが世間に公表されてしまうんだ。
インターネット版の無料閲覧か紙面の購入が必要
インターネット版は無料版と有料版があって、無料版は直近30日分の官報を閲覧できる。
有料版は昭和22年5月3日から直近までの内容をキーワードや日付で検索できるから、有料版を利用している人にバレる可能性はあるね。
紙面は、全国の官報販売所や全国官報販売協同組合のホームページで購入できるよ。
わざわざ購入しないといけないから、周りの人に官報の紙面からバレることは少ないんじゃないかな。
家族に官報を読む習慣があるかどうかは確認しておいた方がいいと思うよ。
官報にのるのは債権者や金融機関に知らせるため
個人再生や自己破産の場合、すべての借金と貸主(債権者)を届け出なければならない。
漏れがあると、債権者も返済や分配を受けられなくなってしまう。
例えば、個人再生の場合は減額した借金を返済していくのに、知らないままだと債権者は返済をしてもらえないことになる。
確かに債権者からしたら、何も知らされないまま、気づいたら回収できる借金を減らされてたなんて、気の毒ですね。
官報にのっても家族や周囲の人に知られる可能性は低い
こんなんじゃ、周りにバレるんじゃないですか?
その理由をこれから説明するよ。
読者は当事者や金融機関の関係者だから
家族や親族に金融機関や政府関連の人がいれば、もしかすると官報にのっている情報から個人再生や債務整理をしたことがバレるかもしれないね。
破産者情報を悪用すると罰則があるから
ただし、官報を悪用すれば、こんな法的責任に問われる可能性があるんだよ。
- プライバシーの侵害
- 名誉棄損罪
- 個人情報保護法違反
それに名誉毀損は、3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金が科せられる可能性もあるよ(刑法230条)。
破産者マップは、官報に掲載されている破産者情報をGoogleマップ風に表示して、誰でも検索・閲覧できるようにしたサイトで問題になったよね。
管理人がサイトを閉鎖することで決着がついたんだ。
でもまた似たようなサイトが出てきて、日弁連も声明を発表しているよ。
そうはいっても一般の人で積極的に破産者の情報を検索する人は少ない。
現状ではそこまで心配する必要はないと思うけど、不安なら、弁護士に相談してみよう。
官報にのるデメリット
官報は情報を削除してもらうことができない
これは、法律で定められていることだから仕方ないね。
(公告等)
第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。
2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。
4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。
5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。【引用:破産法 – e-Gov】
官報にのる場合は公告料が発生する
大体、10,000~13,000円程度だね。
信用情報機関が官報をもとに事故情報を記録する
ちなみに、信用情報とは「お金の貸し借りの記録」で、貸金業者などが貸し付けのときに参照する情報なんだ。
信用情報機関のひとつのKSC(全国銀行個人信用情報センター)では、官報情報として個人再生・自己破産手続きの開始決定に関する情報を登録しているんだ。
信用情報については「信用情報は貸し付けの際に参照される情報のこと」でも説明するよ。
闇金などから貸し付けの勧誘を受けるケースがある
官報にのることは、債務整理をした⇒信用情報に記録されて貸し付けの審査に通らない⇒お金に困っていると判断できるから
「うちで借りないか」「信用情報にのってても借りられるよ」と連絡してくることがあるよ。
闇金は親切なフリをして、徐々に首を絞めてくるからね。絶対に無視しよう。
任意整理は官報でなく信用情報に登録される
信用情報は貸し付けの際に参照される情報のこと
お金の貸し付け以外にもクレジットカードの申し込み、滞納などの事実などが記録されているんだ。
官報と信用情報の違いは、表にしてみたから、一緒に確認しよう。
【官報と信用情報の違い】
のる情報 | 閲覧できる人 | |
官報 |
|
だれでも (日常的にチェックしているのは、金融機関など一部に限られている) |
信用情報 |
|
金融機関やカード会社の人 |
特に閲覧できる人は、違いがはっきりしてるんですね。
信用情報機関については次の「信用情報に記録されると完済から5年は借金ができない」でも紹介するよ。
信用情報に記録されると完済から5年は借金ができない
貸金業者は審査の際に信用情報を参照しているから、滞納などの記録を見られると審査に落ちてしまうんだね。
ちゃんと返済してくれるのか不安になります。
さっき話したKSCを含めた3つの信用情報機関と、債務整理の情報が消えるまでの期間を表にすると、こんな感じだよ。
【信用情報機関と任意整理の情報が消えるまでの期間】
信用情報機関 | 主な加盟団体 | 消えるまでの期間 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 金融機関 信用金庫 |
完済から5年 |
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | クレジットカード会社 消費者金融 |
|
JICC(株式会社日本信用情報機構) | 地方銀行 消費者金融 |
任意整理をしたことが家族や友人にバレるケース
次のような原因で、任意整理をしたことが周りの人に知られることがあるから注意しよう!
任意整理した人名義のクレジットカードが使えなくなった
妻が夫名義のクレジットカードを使っている場合は、使えなくなることで任意整理をしたことがバレる可能性があるよ。
債権者からの電話に家族が出た
ちなみに任意整理のときに弁護士に依頼すると、以後は取り立てが止まるから、家族にバレる心配は少なくなるよ。
任意整理関係の書面を見られた
うっかり、机の上に出しっぱなしにしたり、郵便ポストから取り出さなかったりすると、家族にバレやすいんだ。
家族や友人にバレずに任意整理をする方法
弁護士に依頼する
郵便物を自分で回収する
その郵便物を自分で回収すれば、家族にバレずに済むよ。
債権者に携帯電話に連絡するように伝える
官報にのらない任意整理の注意点
メリットとデメリットを比べて、本当に任意整理を選ぶべきかよく考えよう!
任意整理の落とし穴を3つ紹介するよ。
- 任意整理では借金を解決できないケースがある
- 自己破産などで官報にのってもデメリットは少ない
- 任意整理が安いとは限らない
任意整理では借金を解決できないケースがある
だから、返済の見込みがない、借金総額が多すぎるといった、任意整理をしても完済できない可能性が高い場合は、債権者の同意を得られないことが多いよ。
収入がなければ自己破産で全ての借金を免責する方がいいし、借金総額が多すぎるなら個人再生で大きく減額するのも1つの方法と言えるんだ。
自己破産などで官報にのってもデメリットは少ない
そもそも周りに官報を日常的に読んでいる人がいるケースは少ないし、ある日急に官報を読み始めることも通常は考えられないよ。
だから、官報に情報が掲載されるかどうかだけで、債務整理の方法を選ぶことはおすすめできないんだ。
任意整理が安いとは限らない
費用を比較してみるよ!
任意整理 | 自己破産 | |
着手金 | 3~5万円 | 総額30万~50万円程度 |
報酬金 | 2万円+借金減額分の10%程度 |
一方、自己破産は大体30万~50万円程度と定額であることが多いから、自己破産の方が弁護士費用の負担を抑えられる可能性があるんだ。
本当に任意整理がいいのか弁護士に相談しよう
弁護士費用が異なる、メリットとデメリットが異なる、今後の人生への影響を加味する必要があるなど、自分だけで債務整理の方法を考えることにはリスクがあるんだ。
公開しないためにも、信頼できる弁護士に相談しよう!
まとめ
任意整理と官報掲載について理解できたかな?
今回、解説した内容を簡単に振り返ってみよう!
- 任意整理をしても官報に情報は掲載されない
- 個人再生や自己破産で官報に情報が掲載されても周りの人バレる心配は少ない
- 自宅への電話や郵便物などでバレることがある
- どの債務整理を選ぶかは信頼できる弁護士に相談して決める
任意整理で官報に情報が掲載されないにしても、周りの人にバレることがあるのはよくわかりました!
任意整理をするときは、周りの人にバレないように注意しなきゃね!
まずは信頼できる弁護士に相談してみるよ……
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。