よくCMでいわれている「借金減額」とか「救済制度」ってやつなんですが、その手続きをした場合、借金をどのくらいの期間で返済していくことになるんですか?
その返済期間はだいたい3~5年といわれているけど、「業者によって違う」というのが答えかな。
また、返済にかかる期間だけでなく、「借金の減額交渉にかかる期間」などもある。
いい機会だから、任意整理(債務整理)の返済期間について説明していこうか!
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毎月の返済額に対する完済までにかかる期間
ここでは「月々の支払額別・完済までにかかる期間と金額」を紹介していくね。
自分にもっとも近いものをざっくりチェックしてもらえれば大丈夫だよ。
下記の返済シミュレーションは、利息制限法で定められた上限金利で計算しています。
月1.5万円の場合
借入額 | 返済回数 |
30万円(18%) | 24か月(2年) |
50万円(18%) | 47か月(3年11か月) |
月3万円の場合
借入額 | 返済回数 |
50万円(18%) | 20か月(1年8か月) |
70万円(18%) | 29か月(2年5か月) |
100万円(15%) |
44か月(3年8か月) |
月5万円の場合
借入額 | 返済回数 |
75万円(18%) | 18か月(1年6か月) |
100万円(15%) | 24か月(2年) |
125万円(15%) | 31か月(2年7か月) |
150万円(15%) | 38か月(3年2か月) |
月10万円の場合
借入額 | 返済回数 |
200万円(15%) | 24か月(2年) |
400万円(15%) | 56か月(4年8か月) |
任意整理の返済期間はだいたい3~5年
- 任意整理は、貸金業者と直接話し合い、借金を減額する手続き
- 多くのケースでは「利息のカット」に落ち着く
- 返済の回数は業者や借入状況によって異なる
任意整理の手続きは最短3か月・長くて半年
ざっくりだけど、以下のような手順を踏むことになる。
- 弁護士に依頼、そのことが貸金業者に通知される
- 貸金業者から取り寄せた取引履歴を使って正確な借金額を算定
- 減額交渉をする、支払回数を決める
- 条件がまとまったら返済スタート
「貸金業法21条・取り立て行為の規制」により、弁護士に任意整理を依頼してからは貸金業者からの取り立ての連絡が来なくなるんだ。
その間に浮いたお金を使って弁護士費用を貯めることになる。
そのスピードも、任意整理の手続き期間に影響してくるよ。
手続き後:多くの業者では36~60回までの支払いを認めてくれる
自分の借金を36で割ったり、60で割ったりすると、その後の返済額がイメージしやすいね。
借金の元金が100万円の場合…
- 36回(3年)払いの場合…月々約2.8万円
- 60回(5年)払いの場合…月々約1.7万円
そして、利息がカットされることで返済総額が減るから、確実に完済に近づいていくんだよ。
過去にFAST法律事務所に寄せられた相談を参考に、36~60回での返済を認めてくれる業者の例をあげてみよう。
- アコム
- アプラス
- 三井住友カード
- 楽天カード
- ジェイスコア
- ニッテレ債権回収
など
だから、全員が100%うまくいくというわけではないことを覚えておこう!
それ以上の支払回数を認めてくれる業者もある
こちらが「毎月〇円までしか払えない」ことを伝えたら、それで了承してくれる可能性もある。
任意整理は、弁護士と業者の話し合いになるからね。
裁判所を通す手続きとは違って、柔軟な条件で和解することができるんだ。
ここでも、FAST法律事務所の交渉内容を参考に、60回以上の支払いを認めてくれる可能性のある業者の一部を紹介しよう。
- SMBC
- エポス
- オリックス
- 新生フィナンシャル
- アルファ債権回収
- 東京スタービジネスファイナンス
- オリコ
など
裁判所を通した債務整理にかかる期間
だから、業者の方針や、過去の支払い実績によって、支払期間を柔軟に変更することができるんだ。
一方、裁判所を通した本格的な債務整理手続きである「個人再生」や「自己破産」は、法律によって明確なルールが定められている。
ここでは、その2種類の手続きの概要と、返済期間について説明していくよ。
個人再生:手続きに1年・返済に3~5年
任意整理と似ているのは3~5年で返済する、という部分だね。でも、両者の返済期間の決まり方はニュアンスが異なるので注意しょう。
- 任意整理…業者との話し合いで決まるものであり、絶対的な決まりはない
- 個人再生…民事再生法で「原則3年、事情により最高で5年」と定められている
そして、個人再生の場合、任意整理と違って、手続きにも結構時間がかかるんですね?
個人再生の流れをざっくりと説明するね。
- 弁護士に個人再生を依頼する
- 現在の収入や財産をチェックする
- 書類を揃えて裁判所に申し立てをする
- 返済していけるかどうかのテスト(履行テスト)
- 手続き開始・再生計画案の提出
- 債権者(貸主)たちの同意を得る
- 個人再生が認められる・返済を開始する
手順を踏んで手続きしなければならないんだよ。
特に、④の履行テストは「個人再生手続き後と同じペースで返済できるかどうかチェックする手続き」だから、時間がかかる。
行う裁判所と行わない裁判所があるけど、最長で6か月くらいかかると思った方がいい。
これらを踏まえると、個人再生は「手続きに半年~1年・その後の返済に3年はかかる」と思っておいたほうがよさそうだ。
自己破産:手続きに1年・返済期間はゼロ
自己破産は、個人再生よりも有名なだから、さいむくんも聞いたことがあるかな?
自己破産は「自分が所有している価値の高い財産を失うかわりに、借金をゼロにできる手続き」だ。
借金がゼロになるってことは、その後の返済はナシってことだよね。
で、自己破産の手続きにどれくらいの期間がかかるのかって話なんだけど、個人再生と同じように、半年から1年くらいかかると思った方がいい。
返済期間中に借金を滞納するリスク
もし途中で返すことができなくなったり、返すのをやめてしまったりしたらどうなるんでしょうか?
普通に返済中:滞納しつづければやがて裁判を起こされる
それは、「最終的に裁判を起こされてしまう」だよ。
とはいっても、さいむくんもわかっている通り、借金を滞納したらすぐに裁判を起こされるわけではないよ。
早い業者だと6か月くらい、遅い業者だったら数年後というのもありえるかな。
裁判を起こされるまでの流れをざっくり説明するよ。
- 滞納が始まる
- 確認のための電話が来たり、再度払込所が届いたりする
- 法的措置を匂わせた書面が届いたりする
- 一括での支払いを言い渡される(期限の利益を喪失する)
- 保証会社や債権回収会社に借金(債権)が移る
- 保証会社や債権回収会社から法的措置を取られる
任意整理中:貸金業者から一括請求を受ける
この期間は、3~5年が一般的だったよね。この期間中に返済をやめてしまうとどうなるか?
所定の支払日に数日遅れてしまう程度であれば問題ない。すぐに支払いをしよう。
しかし、支払いができないままさらに次の支払日を迎えてしまったらどうなるか。
答えは「任意整理の和解がなしになって、業者から一括請求を受ける」だよ。
一度借金の支払いができなくなって任意整理をしたのに、そこからさらに返済ができなくなってしまった。
こうなると業者は、「回収できる見込みがない」として、速やかに法的措置の準備をはじめるだろうね。
個人再生中:減額された借金が元通りになる
もしその期間中に支払いをやめてしまったらどうなるか。それは「再生計画そのものが取り消しになり、借金が手続き前の状態に戻る」だね。
再生計画とは…
個人再生において、「借金がどこまで減って」「毎月どれだけ返済をするか」を決めた計画。これを裁判所に認めてもらう必要がある。
任意整理と同じく、支払いをやめたまま2回目の支払日を迎えてしまうと、再生計画が取り消しになる。
つまり、「借金がまた500万円」に戻ってしまうってことなんだ。
なんとしても最後まで支払いを続けようと思いました!
借金を完済するためのコツは?
借入先は1つにまとめてしまうこと
その理由は、シンプルに「管理が大変だから」。
一つひとつの借金額やら利息、支払額に対していくら手数料が取られるか、などを把握・管理するのって大変だよね。
例えば、30万円の借金と50万円の借金と100万円の借金があるならば、おまとめローンなどを利用して、180万円のひとつの借金にしてしまおう。
さらに、おまとめをした際に、利率が低いところからお金を借りられれば、借金そのものが減ることにもつながるからね。
きちんと返済計画を立てること
- 現在の借金の総額
- 毎月の支払額
- 毎月の支払いでどれだけ借金が減っていくか
- 今のペースでいくと完済にどれだけかかるか
- 今のペースでいくと利息はいくらになるか
今までは「自分の借金のことを知らなかったから、知ろうとしなかったから」現実を見なくて済んだかもしれないね。
でも、今日からはそうはいかないよ。現実を見て、一歩ずつゴールを目指すんだ!
毎月返済できる最大額を見極めること
早い話が「節約をしよう」という話なんだけど、ただ我慢をし続けるのは難しい。
ストレスがたまるし、反動でお金を使ってしまう可能性もあるからね。だから、先生は「固定費を削る」ことをおすすめしているよ。
固定費とは、例えば以下にあげるような、「一度見直せばずっと節約効果が続く」ようなもののことをいうよ。
- 家賃、駐車場代
- スマホ代
- ネット代
- 各種サブスク大
- 習いごと
- 生命保険など
毎月の支払い額を5000円引き上げるだけでも、返済にかかる期間や金額がグッと低くなるよ!
債務整理後・再び借入ができるようになるまでの期間
ブラックリストになると、その後しばらくローンを組んだり、クレジットカードを作るのが困難になるからね。
ブラックリストとは…
信用情報機関に「金融事故を起こした」という記録が残っている状態。
貸金業者は審査の際、信用情報機関を通じて、借金に関する個人情報をチェックする。
ここで、金融事故を起こしたことが発覚すると、どの業者の審査も通らなくなってしまう。
ブラックリストでなくなる=信用情報機関から記録が消える=借入審査に通るようになる、という風に理解しておいてね!
通常・完済から5年
完済しないことにはずっとこのままだから、早く抜け出したい人は、債務整理をするなどしてできるだけ早く完済する必要があるね。
任意整理:5年
ブラックリストになるのが嫌で、債務整理を躊躇する人も多い。
でも、すでにブラックリストになってしまっている人はそれを心配する必要もないから、さっさと手続きしてしまうのがおすすめだよ。
個人再生・自己破産の場合:5~10年
5~10年とブラックリスト解除にかかる期間に開きがあるんだけど、それは「どこからお金を借りていたか」が影響してくるよ。
実は、信用情報機関には3種類あって、それぞれ加盟店が異なるんだ。
機関名 | 主な加盟店 | ブラックリスト期間 |
CIC | 消費者金融やカード会社 | 5年 |
JICC(株・日本信用情報機構) | 幅広い金融機関 | 5年 |
KSK(株・全国銀行個人信用条センター) | 銀行 | 5年(自己破産と個人再生は10年) |
だから、A社で金融事故を起こしたけど、別の信用情報機関に加盟している業者でお金が借りられた、なんてことは怒らないから注意しよう。
KSKは主に銀行が加盟している信用情報機関なんだけど、銀行から借りている状態で個人再生や自己破産をすると、ブラックリストから抜け出すのに10年かかる可能性がある、そう理解しておこう!
ブラックリストから抜け出したか確認する方法
例えば、適当な業者でクレジットカードを作ってみて、作れたらもうブラックリストではなくなっているとか?
「申し込みブラック」なんていう言葉があってね。
「クレジットカードの審査に落ちた」という情報も信用情報機関に記録されてしまうんだ。
この記録が多いと、そのせいでさらに審査に通りにくくなる。つまり、不要な審査は受けない方がいい。
ブラックリストから抜け出せたかどうかを調べたいなら、信用情報機関に直接問い合わせるのが一番いいよ。
念のため、3つの機関すべてに問い合わせをしておこう。
「窓口で受け取り」「郵送で受け取り」「ネットで受け取り」色々な方法があるから、自分があった方法を選んでね。
下記の表を参考にしてね!
信用情報機関 | 開示請求方法 | 手数料 | 関連リンク |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | オンライン 郵送 窓口 |
オンライン、郵送:1,000円 窓口:500円 |
お問い合わせはこちらから |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | オンライン 郵送 窓口 |
オンライン、郵送:1,000円 窓口:500円 |
お問い合わせはこちらから |
KSC (全国銀行個人信用情報センター) |
郵送のみの対応 | 1,000円分の定額小為替証書、または本人開示手続き利用券 | お問い合わせはこちらから |
まとめ
- 任意整理は手続きに数ヶ月・3~5年で返済するのが一般的
- 個人再生は手続きに半年~1年・返済期間は原則3年と定められている
- 自己破産は手続きに半年~1年・手続きが終われば借金はゼロになる
- 再び借入ができるようになるには5~10年程度かかる
- 債務整理の手続きがはじまったら、貸金業者への返済はストップできる
今のまま返済を続けると、完済までにどのくらいの期間が必要なのかもわかったので、弁護士と相談して、債務整理をしようと思います!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。