そもそも年金受給者でも個人再生ってできるのかな?
ただ場合によっては、任意整理や自己破産を選んだ方がいいかもしれないね。
今回は年金受給者の個人再生や債務整理について、先生に教えてもらおうか!
個人再生とは、債務者が民事再生法によって定められた手続きの元再生計画案を作成し、裁判所の認可を受けて経済的な再生を目指す手続きです。年金受給者でも個人再生を行うことは可能ですが、いくつか注意すべきポイントもあります。
今回の記事では年金受給者の個人再生について、注意すべきポイントや最低弁済額はどれくらいになるのか、またその他の債務整理のメリット・デメリットなどについて解説していきます。
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年金受給者でも個人再生できる!
まずは個人再生を簡単におさらいしておこうか。
個人再生は、裁判所を通じて手続きを行うことにより、借金を最大10分の1まで減額できる手続きのことだったね。
第一条 この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。
【引用:民事再生法 – e-Gov法令検索】
もちろん年金受給者でも利用できる手続きだから安心していいよ。
年金受給者のように、収入が少ないと個人再生は利用できないものだと思っていました!
詳しいことは次のところで解説していくね!
年金受給者の個人再生において注意すべきポイント
年金受給者が個人再生する場合において注意すべきポイント
- 継続的で安定した収入があるか
- 再生計画の履行可能性があるか
継続的で安定した収入があるか
(手続開始の要件等)
第二百二十一条 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が五千万円を超えないものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「小規模個人再生」という。)を行うことを求めることができる。
【引用:民事再生法 – e-Gov法令検索】
そもそも年金自体は国から一定額毎月支給される給付金だから、継続的で安定した収入とみなされるケースがほとんどだから安心していいよ。
再生計画の履行可能性があるか
特に年金受給者の場合、収入が年金だけだと再生計画の履行可能性がないとみなされて、裁判所に個人再生を断られてしまうケースもあるんだ。
最低弁済額については、次のところで詳しく解説するね!
年金受給者の個人再生弁済額は最低弁済額基準で決まる
どの基準を用いられたかによって、弁済額は違ってくる。
それぞれの基準はどういったものなのか、どのように弁済額は計算されるのか以下で詳しく解説していくよ!
個人再生の種類について
①最低弁済額基準 | 借金総額により弁済額が決まる基準 |
②清算価値保障基準 | 申し立てた人の持っている財産により弁済額が決まる基準 |
③可処分所得基準 | 申し立てた人の可処分所得、収入から手取りや生活に必要な費用を差し引いた2年分で決まる基準 |
個人再生の種類と弁済額を算出する際に用いられる基準
個人再生の種類 | 弁済額を算出する際に用いられる基準 |
小規模個人再生 |
|
給与所得者等再生 |
|
それぞれの基準がどういった内容なのかについては、次のところで詳しく解説していくよ!
最低弁済額基準
民事再生法で定められた借金総額ごとの最低弁済額
負債総額 | 最低弁済額 |
借金額が100万円以下 | 減額されない |
借金額が100万円~500万円 | 100万円にまで減額される |
借金額が500万円~1500万円 | 5分の1にまで減額される |
借金額が1500万円~3000万円 | 300万円にまで減額される |
借金額が3000万円~5000万円 | 10分の1にまで減額される |
この場合、最低弁済額基準に基づいて計算すると返さなければならない借金は100万円になる可能性があるんだ。
小規模個人再生の場合、清算価値保障基準に基づいた弁済額と比較するし、
給与所得者等再生なら清算価値保障基準とか処分所得基準の3つを比較して弁済額が決まるよ。
清算価値保証基準
【清算価値保障基準とは】
- 清算価値保障基準とは所有している財産や資産によって返済額が定められる基準
- 個人再生の申し立てをした人が多数の財産や資産を所有している場合、自己破産をしたほうが債権者に分配できる金額が多いケースがある
- 債権者会の不平等とならないように、自己破産した時と同様の金額が個人再生でも行き渡るように定められた基準
例えば借金500万円で、自分が所有している財産が300万円ある場合、個人再生と自己破産ではそれぞれどのような違いがあるか比較してみようか。
個人再生と自己破産した場合における債権者への配当金額
債権者への分配 | |
個人再生 |
|
自己破産 |
|
減額された借金は、債務者が3〜5年をかけて返済することになる。
その一方で自己破産の場合は、借金の返済義務がなくなるけど一定価値以上の財産は没収対象となって、債権者に分配されるんだ。
だから債務者が選んだ債務整理の方法で債権者が損をしないように、個人再生でも自己破産と同様に一定以上の金額を超える財産を弁済しなければならない金額に組み込もう、というのが清算価値保障基準なんだ!
この例で言うと、500万円を減額した金額100万円と、財産300万円を比較することになるから、金額が大きい財産額300万円が手続き後に返済しなければならない金額ということかぁ…。
可処分所得基準
可処分所得は、次のような方法で計算できるよ!
【可処分所得基準の計算方法】
- 過去2年間分の収入の総額を計算する
- そこから所得税・社会保険料・住民税などを差し引いた手取りの給料を算出する
- 算出した金額を2で割る
- 割った金額から生活保護を参考にした「最低生活費」1年分を差し引く
- 差し引いた金額を2倍にする
ただ生活保護って世帯人数や住んでる地域、年齢によって異なるから計算するのは難しいかも。
単純な目安として使うなら、生活保護の自動計算サイトなんかを使ってシミュレーションしてみてもいいかもね。
とりあえず可処分所得基準の場合、収入に基づいて計算を行うから、個人再生の弁済額では一番高額になる可能性があるって覚えておくといいよ!
年金受給者なら個人再生以外の債務整理もおすすめ!
それぞれの手続きの特徴やメリット・デメリットについて、以下で詳しく解説していくよ!
任意整理:利息がカットできる
任意整理のメリット・デメリットは、以下のとおりとなっているよ。
任意整理のメリット・デメリット
メリット |
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デメリット |
|
だから、現在一定以上の収入があって利息カットできれば返済の見通しが立つ人や、保証人に対して請求がいって欲しくない人などにおすすめの手続きだね。
自己破産:借金の返済義務が免除になる
自己破産は「破産法」という法律に基づいて手続きを行うことで「借金の返済義務が免除になる」手続きのことだ。
自己破産のメリット・デメリットは、以下のとおりとなっているよ。
自己破産のメリット・デメリット
メリット |
|
デメリット |
|
どの債務整理をすべきか判断するのはかなり難しいから、まずは弁護士に相談してみよう。
弁護士に相談すれば、その人の現在の収入や借金額に応じて最適な債務整理方法がどれかアドバイスしてくれるからね!
年金受給者の個人再生後における年金の扱いはどうなる?
結論から言うと、個人再生をした後でも年金は通常通り受け取れるから安心してね。
まとめ
- 年金受給者でも個人再生はできる
- 年金受給者の個人再生の場合、継続的で安定した収入があるかと再生計画の履行可能性があるかが問題になる
- 最低弁済額基準によって返済しなければならない金額が決まる
- 借金額や収入の状況によっては任意整理や自己破産した方がいい場合もある
- 個人再生をした後も問題なく年金を受給できる
年金受給者の場合、個人再生ではなく任意整理や自己破産をしたほうがいいケースもあるみたいだね。まずは弁護士事務所に行って、どの手続きをしたほうがいいか聞いてみるよ!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。