個人再生と自己破産ってどんなところが違うのかな?
きちんと正しい理解をしておくために、借金問題について詳しい先生のところに話を聞きに行こうか!
個人再生と自己破産は、どちらも法律の力を使って合法的に借金を減額する手続きである債務整理(さいむせいり)のうちの1種です。
大まかに違いをまとめると、以下のように分けられます。
個人再生 | 自己破産 | |
借金 | 最大で10分の1まで減る | すべて免除される |
財産の処分 | 必要なし | 一定以上の価値がある財産は没収される |
資格制限 | なし | 手続き中は一部の職業資格が制限される |
利用要件 |
|
特になし |
費用 | 50~70万円 | 40~100万円 |
向いている人 |
|
|
持ち家や車などをどうしても失いたくないという場合をのぞいて、借金に悩んでいる場合には自己破産の方が根本的な解決にはなりやすいです。
ただし、人それぞれの状況に応じて、選ぶべき債務整理は異なるため、それぞれの違いをよく学んでおきましょう。
この記事では、以下の3点を中心に個人再生と自己破産の違いについてくわしく解説していきます。
- 個人再生と自己破産の違いについて
- 個人再生が向いている人・自己破産が向いている人とは
- 個人再生と自己破産のどちらを選ぶべきかの判断基準
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個人再生と自己破産の違いとは?
ざっと比較するとこんな感じ!
個人再生 | 自己破産 | |
①手続き後に借金が残るかどうか | 残る | 残らない |
②財産の処分が必要かどうか | 必要なし | 必要 |
③住宅ローン返済中の持ち家を残せるかどうか | 残せる | 残せない |
④資格制限を受けるかどうか | 受けない | 受ける |
⑤郵便物をチェックされるかどうか | チェックされない | チェックされる |
⑥手続き費用に関する違い | 高額になりやすい | 高額になりやすい ※同時廃止事件となれば費用は抑えられる |
⑦生命保険に関する違い | 影響なし | 返戻金が高額だと解約する必要あり |
⑧利用要件の違い |
|
特になし |
基本的には、『自己破産の方が借金の根本的な解決にはなるけどリスクも大きい』と思ってもらえれば間違いないかな!
それでは早速、個人再生と自己破産の違いをひとつひとつ確認していこうか!
①手続き後に借金が残るかどうか
個人再生 | 総額で1/5 ~ 1/10まで減額される |
自己破産 | ゼロになる |
個人再生は、自己破産よりもリスクが少ない代わりに、手続き後も借金の返済を続けていかなくてはいけないと覚えておこう 。
②財産の処分が必要かどうか
個人再生 | 必要なし |
自己破産 | 不動産や車など、一定以上の価値がある財産は没収される |
その分、一定以上の価値がある財産は借金の穴埋めのために没収されてしまうんだ。
裁判所によって運用が異なるけど、東京地裁など代表的なところでは20万円以上の価値がある財産は没収対象になるって感じだね。
それに対して、個人再生であれば手持ちの財産はそのままで借金を大幅に減額できるよ。
どうしても失いたくない財産がある場合には、自己破産よりも個人再生の方が向いていると言えるね 。
③住宅ローン返済中の持ち家を残せるかどうか
個人再生 | 残せる(住宅ローン特則) |
自己破産 | 残せない |
それに対して、個人再生であればローン返済中であっても持ち家は残したまま借金の減額ができるよ。
具体的には、住宅ローン以外の借金は減額してもらって、その後も住宅ローンはこれまで通り払い続けるって感じだね!
このように、個人再生において住宅ローン返済中の持ち家を残せる仕組みを『住宅ローン特則』と呼ぶよ 。
④資格制限を受けるかどうか
個人再生 | 受けない |
自己破産 | 手続きが終わるまでの間、一部の職業において資格制限を受ける |
具体的には、以下のような資格・業種が自己破産の手続き中は制限されるよ 。
- 税理士・弁護士などの士業
- 監査法人・監査役
- 宅地建物取引士
- 警備員・警備会社
- 会社役員 など
もしも自分が資格制限に当てはまる仕事についていた場合は、自己破産の手続き期間だけ会社の人に相談して違う役割をもらうなどの対処が必要になるよ 。
⑤郵便物を転送されるかどうか
個人再生 | なし |
自己破産 | 手続きが終わるまでの間、自分宛の郵便物がすべて破産管財人(はさんかんざいにん)に転送される |
その一貫として、自己破産の手続き期間中は、自分宛の郵便物はすべて破産管財人によるチェックが入るんだ 。
自己破産の手続きにおいて、破産者の財産の調査や、債権者(お金を貸していた側)への財産の分配を行う担当者のこと。裁判所が選んだ弁護士が担当する。
スマホ関連の契約書や公共料金の振り込み用紙などもすべて転送の対象となる。
各種料金の支払い遅れなどが起こらないように注意しないといけないね 。
⑥手続き費用に関する違い
個人再生 |
|
自己破産 |
|
個人再生委員への報酬も申立人の負担になるから、個人再生は債務整理の中でも費用が高額になりやすいよ。
それに対して、自己破産は手続き内容によって費用が大きく変わる。
不動産など大きな財産を持っていない人であれば、破産管財人を必要としない同時廃止事件として扱われて、費用が抑えられる可能性が高いよ 。
でも、どちらにせよかなりお金取られちゃうんですね… 。
債務整理にかかる費用は弁護士事務所によっては分割払いやあと払いに応じてくれるケースもあるよ。
また、どうしても費用が用意できない時には『法テラス』という公的機関を利用すれば、通常よりも安く債務整理ができるよ 。
⑦生命保険に関する違い
個人再生 | 解約の必要なし |
自己破産 | 解約返戻金が20万円以上のものは解約する必要がある |
積み立て型の生命保険も、あとあとお金を受け取れる権利ということで財産とみなされるのさ。
それに対して、個人再生は生命保険を解約する必要はないよ 。
⑧利用要件の違い
個人再生 |
|
自己破産 | 特になし |
減額後の借金は原則3年で完済するように計画を立てなくてはいけないんだ。
そのため、個人再生をするには減額後の借金を計画的に返済できるだけの安定した収入があることが利用要件になっているよ。
つまり、無職の人や生活保護を受けている人だと個人再生はできないってわけさ。
また、借金の総額が5000万円を超える場合も個人再生はできない決まりになっているね。
その点、自己破産については利用要件は特にない。
自己破産は、借金の返済が不可能な状態であれば、ほぼすべての人が利用できる救済措置となっているよ 。
個人再生の特徴・向いている人とは
ここでは、個人再生の特徴や、個人再生が向いている人を紹介していくね 。
個人再生のメリット
- 借金を大幅に減額できる
- 住宅ローン返済中の家を残したまま借金を減らせる・持ち家以外もほとんどの財産を手元に残せる
最低弁済額は、借金の額によって以下のようになっているよ 。
借金総額 | 最低弁済額 |
100万円未満 | 減額不可 |
100~500万円 | 100万円 |
500~1,500万円 | 借金総額の5分の1 |
1,500~3,000万円 | 300万円 |
3,000~5,000万円 | 借金総額の10分の1 |
※借金総額からは住宅ローンを除く
個人再生のデメリット
- 減額後の借金は原則3年で完済する必要がある
- 所有している財産によっては支払いが増える可能性がある
減額してもらった借金は、原則3年で計画的に完済しなくてはいけないから、安定した収入が求められることになるね。
また、個人再生には『清算価値保障原則』という決まりもある。
清算価値保障原則とは、簡単にいえば自分が持っている財産を換金した時の金額だけは何があっても返済しなくてはいけないということだ。
たとえば、1000万円の価値のマンションと、査定額500万円の自動車を持っている場合には、最低でも借金は1500万円までしか減額されないってイメージだね 。
この清算価値保障原則があるから、所有している財産が高価な場合には、個人再生によって当初よりも支払いが困難になる恐れもあるのさ。
個人再生をするべきかどうかは、弁護士などの専門家によく相談してから行うべきだね 。
個人再生が向いている人
- 正社員など安定した収入がある人
- 持ち家や車など失いたくない財産がある人
だけどその分、自己破産のように財産を没収されるようなリスクはない。
その人の状況によっては、個人再生も借金問題解決の大きな力になるはずだよ 。
自己破産の特徴・向いている人とは
自己破産のメリット
- ほぼすべての借金の返済義務を帳消しにできる
- 無職の人や生活保護を受給中の人でも手続きができる
- 生活に必要な財産は手元に残せる
また、個人再生のように減額後の借金を返済する必要もないから、無職など収入がない人であっても自己破産は可能だよ。
そして、自己破産というと何もかもを失うと勘違いしている人も多いけれど、以下のような生活に必要な財産は手元に残しておけるのも忘れないでね!
- 99万円以下の現金
- ベッド・冷蔵庫・テレビなどの最低限の生活に必要な家財
- その他自動車やバイクなども含めた20万円以下の財産 など
自己破産をしたからといってなにもかも奪われるわけではないから安心してね!
自己破産のデメリット
- 一定以上の価値がある財産は没収される
- 手続き中は一部の資格や職業が制限される
- ギャンブルや浪費などが原因だと手続きが認められない恐れがある
だからこそ、一定以上の価値がある財産は債権者に分配するために没収されるというリスクもあるよ。
また、ギャンブルや浪費などが原因で借金を作った場合は、自己破産の手続き自体が認められない可能性もあることも覚えておこう。
とはいえ、裁判所の運用には『裁量免責(さいりょうめんせき)』という決まりがある。
裁量免責とは、裁判所ごとの判断によって、ギャンブルや浪費などの免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)があった場合でも借金の免除を認める制度のこと。
実際には、裁量免責のおかげでギャンブルが原因の借金でも自己破産が認められるケースが多いよ 。
自己破産が向いている人
- 収入や財産が少ない・もしくは無いため借金の完済が現実的ではない
- 失っても困る財産が少ない
- 資格制限を受ける職業についていない
個人再生で減額した程度では返しきれないほどの多額の借金を抱えてしまった場合には、自己破産を検討するべきといえるね 。
個人再生と自己破産のどちらを選ぶべき?判断基準4つ
でも大丈夫!個人再生と自己破産のどちらを選ぶかは、以下の4つの基準で考えるといいよ!
- どうしても残したい財産がある場合:個人再生
- 住宅ローン返済中の持ち家を残したい場合:個人再生
- 減額をしても借金の返済が現実的でない場合:自己破産
- そもそも安定した収入がない場合:自己破産
①どうしても残したい財産がある場合:個人再生
だから、家や車などどうしても残したい財産がある場合には、自己破産ではなく個人再生を検討してみるのがオススメといえるね!
②住宅ローン返済中の持ち家を残したい場合:個人再生
住宅ローン特則は、住宅ローンの支払いだけはこれまで通りに進めつつ、住宅ローン以外の借金を減額してもらえるという制度だよ。
だから、クレカのリボ払いや各種ローンなどさまざまな借金に追われていて、住宅ローンの返済が難しくなってきた時には個人再生を検討してみるのがオススメだね。
また、自己破産をした場合は、ローン返済中かどうかにかかわらず、持ち家やマンションなどの不動産はほぼ確実に没収されてしまうと覚えておこう 。
③減額をしても借金の返済が現実的でない場合:自己破産
だけど、個人再生では借金の総額に応じて決められる最低弁済額までしか減額がされない。
さらに減額後の借金は原則3年で完済する必要があるんだ。
もしも減額をしても返済が難しいほど借金額が大きい場合には自己破産を検討するべきといえるね 。
④そもそも安定した収入がない場合:自己破産
だから、安定した収入がある人しか個人再生は認められないんだ。
病気や事故によって働けなくなったなど、収入がないけれど借金を背負っている人は自己破産を検討するのがオススメだね 。
まとめ
- 個人再生は借金を1/5-1/10程度に減額できる手続きで、自己破産はほぼすべての借金を帳消しにできる手続き
- 個人再生は持ち家や車などの財産を手元に残しながら借金の減額ができるが、減額後の借金は原則3年で完済する必要がある
- 自己破産は収入がない人でも手続き可能だが、持ち家や車など一定以上の価値がある財産は没収されてしまう
- 個人再生と自己破産のどちらを選ぶべきかはその人の状況や借金額などによって異なるため、専門家である弁護士に相談して決めるのが安心
僕は失ったら困るものも少ないから自己破産でもいいかなあと思ったけど…弁護士に相談して決めた方が良さそうですね 。
借金問題に関する相談であればほとんどの弁護士事務所が無料で引き受けてくれるはず。
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企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。