個人再生

個人再生で返済できない場合は返済期間を引き延ばせる!対処法2つ

さいむくん
さいむくん
せんせい、僕、色々なところからお金を借りまくっていたら借金が500万円を超えてしまって…。

個人再生をしたら借金を減らせると聞いたので是非やってみたいんですけど、借金を減らした後も返済をしなくちゃいけないんですよね。

もしその返済がうまくいかなかったらどうなってしまうか不安なんですが…。

それは大変だね。

確かに個人再生をすれば借金を最大で10分の1まで減額することができる。

だけど、さいむくんがいうように『減額したあとはしっかりと決められた期間で返済していく必要がある』んだ。

せっかくだから、今日は個人再生の手続きの特徴などをおさらいしながら、もし返済がうまくいかなかった場合の対処法などについて学んでいこうか!

せんせい
せんせい

個人再生で借金を減額できたとしても、その後の返済がうまくいくか不安な方は多いと思います。

この記事では、個人再生の手続きで借金を減額できたあとに返済ができない際の対処法について紹介します。

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個人再生の特徴/条件

裁判所を通じて借金を最大で10分の1にする手続き

せんせい
せんせい
今一度、個人再生についておさらいしておこうか。

個人再生とは、いくつかある債務整理の方法の中の1つで、裁判所を通じて借金そのものを最大10分の1まで減額する手続きなんだ。

10分の1まで減らせるなんてすごい!

そうすると、僕の借金は500万円だから、うまくいけば50万円まで減らせるということですか?

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
実は、『個人再生で減額できる限度は100万円まで』と決まっているんだ。

借金を減額できる限度、つまり最低限返済しなくてはいけない額の基準のことを『最低弁済基準額』というよ。

最低弁済基準額は借金の総額によって異なってくるから、わかりやすく表にまとめておいたよ。

【最低弁済基準額】

借金の総額 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円〜500万円未満 100万円
500万円〜1500万円未満 借金総額の5分の1
1500万円〜3000万円未満 300万円
3000万円〜5000万円未満 借金総額の10分の1
借金を減額できる限度は細かく決められているんですね。

この表にない5000万円以上の借金の場合はどうなるんですか?

ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
借金の総額が5000万円を超えている場合は、個人再生の手続きを行うこと自体ができないんだ。

残念ながら、それだけ巨額の借金があって返済が難しい場合は、自己破産を検討するしかないといえるね。

減額された借金は原則3年で返済する

さいむくん
さいむくん
少なくとも100万円は返済しなくてはいけない、と…。

それで、減額された借金はどのくらいの期間で返済する必要があるんですか?

個人再生で減額された借金は分割で返済していくことになるんだけど、『返済は3ヶ月に1度以上の頻度で、期間は原則として3年間』と定められているんだ。

3年で返済することが困難な特別な事情がある場合は、分割返済の期間を5年まで延長することも可能だよ。

せんせい
せんせい

途中で経済状況が変われば返済できない可能性も…

せんせい
せんせい
個人再生の手続きをする際には、裁判所を通じて計画的に借金を返済していくための再生計画というものを立てるんだ。

だけど、返済途中でやむを得ない事情で収入が途絶えてしまったりと、返済が難しくなる可能性もあるよね。

そういった時のための救済措置として、再生計画を延長する方法があるんだけど、まずは返済が滞ってしまうとどんな問題が起きるかを確認していこうか!

個人再生後の返済が滞るとどうなる?

再生計画が取り消される場合がある

せんせい
せんせい
個人再生の手続きでは、3ヶ月に1度以上の返済で、原則3年間で完済ができるように計画を立てるということはわかったね。

ただ、もしも勤務先の倒産やリストラで収入が減ってしまったり、家族の病気などで支出が増えた場合は、計画通りに返済するのが難しくなってしまうよね。

なにが起こるかわからないのが人生ですもんね…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
もしそうした事情で返済が滞ってしまった場合は、再生計画が取り消される恐れがあるよ。

もし取り消されてしまったら、せっかく裁判所に認められて減額された借金も元通り。

手続きにかかった弁護士費用などもすべて無駄になってしまうんだ。

そんな…!

少しも待ってもらえないんですか?

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
再生計画の取り消しとは、お金を貸していた債権者が、裁判所に再生計画の取り消しを申し立てて、裁判所が実際に計画の取り消しを決定する、という流れになるんだ。

それだけの手間がかかるから、1回くらいの返済なら債権者も猶予を与えてくれる可能性はゼロではない。

だけど、すでに借金の返済が滞ってるからこそ個人再生の手続きをしてるわけだから、待ってくれない可能性の方が高いといえるかな。

だから、もし返済が滞ってしまうような事情があった場合はすぐに弁護士に相談するべきだね!

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債権者から訴えられる可能性もある

さいむくん
さいむくん
1回でも延滞があった場合は再生計画が取り消しされてしまう可能性が高いんですね…。
そうだね。

あとは、複数のところからお金を借りている、つまり債権者が複数存在する場合。

この場合に返済の延滞をしてしまうと、再生計画の取り消し自体はされなくても、一部の債権者から裁判を起こされて差し押さえをされる可能性もあるよ。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
再生計画が取り消しされたら、また1から借金を返す計画を立てなければいけない…。

お金を貸している人からしたら、そんなの待ってられないから裁判を起こしてでも早く借金を回収したい、ということですね。

最悪の場合は自己破産

せんせい
せんせい
やむを得ない事情によって再生計画通りに返済ができないと、再生計画を取り消されてしまったり、債権者から裁判を起こされてしまう。

そのような状態でまた1から借金を返す計画を立てるのは非常に難しいというのはわかるよね。

途方に暮れてしまいますね…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
本来はそうなる前に手を打つべきだけど、もし再生計画が取り消されてしまってそこからの返済計画が立てられない場合には最終手段として自己破産を選択するしかないね。
自己破産は家や車を没収されてしまうんですよね。

それは困ります!何か打つ手はないんですか?

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね。

個人再生をしたあとの返済が滞ってしまった場合、対処法が2つだけ存在するんだ。

このあとはその2つについて説明していくね。

個人再生後の返済ができない時の対処法2つ

①返済期間を引き延ばしてもらう再生計画の変更を申し立てる

せんせい
せんせい
個人再生後の返済がうまくいかないときの対処法、まずは1つ目。

個人再生の手続きの際に立てた返済計画である「再生計画」は、原則3年、長くても5年までと返済期間が定められるんだけど、これを延長してもらうこともできるんだ。

返済期間が延長されれば、『返済総額は変わらなくても月々の返済額を減らすことができて負担が減ります』ね!
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そういうことだ。

ただ、延長できる期間は2年までと決まっている。

延長できる期間
  • 3年の再生計画だった人→5年まで延長できる
  • 5年の再生計画だった人→7年まで延長できる
再生計画の延長をするためにはいくつか条件があるから、確認しておこう!
せんせい
せんせい

再生計画の変更ができる条件は?

せんせい
せんせい
再生計画の変更をするためには、以下2つの条件があるよ!
再生計画の変更ができる条件
  • 個人再生手続き後の返済が著しく困難であること
  • やむを得ない事情があること
まず、個人再生の手続き後の返済が著しく困難であるという条件。

つまり、それまでの返済方法を続けていくと、支払いが継続できないという状態だね。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
『収入はあるけど、月々の返済額を減らしたいという理由では再生計画の変更はできない』ということですね!
その通りだよ。

また、もう1つの条件は、再生計画を変更するためのやむを得ない事情があることだ。

この場合のやむを得ない事情というのは、勤務先の倒産やリストラで収入が減ってしまったり、家族の病気などで支出が増えてしまったりなど、まさに本人の力だけではどうしようもない事柄のことだね。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
ボーナスをカットされたとか、ギャンブルで浪費したっていう場合には認められないんですね。

再生計画を変更するメリット・デメリット

せんせい
せんせい
個人再生後の返済がうまくいかない場合は、再生計画を変更することも可能であるということがわかったね。

ここで、再生計画を変更することのメリットとデメリットをまとめて確認しておこう!

【再生計画を変更するメリット・デメリット】

メリット
  • 返済期間を延長することで月々の返済額を減額することができる
  • 再生計画の取り消しや、債権者からの訴えを回避できる
デメリット
  • 『弁護士に依頼する場合、元々の再生手続きと同等の弁護士費用がかかる(30~50万円程度)』
  • 計画変更が受理されるまで3ヶ月以上の期間がかかる
  • 借金の総額を減らすことはできないため、依然として一定の収入が必要
  • 会社倒産やリストラによる収入減、病気やけがによる支出増など、やむを得ない事情がないと認められない
再生計画の変更にも個人再生の手続きと同じだけの費用がかかってしまうんですね…。

あとは、再生計画の変更とはあくまで返済期間の延長であって、借金の総額をさらに減らすことはできないという点は注意が必要ですね!

ともだち
ともだち

再生計画を変更するための流れ

せんせい
せんせい
実際の再生計画変更の手続きの流れもみておこうか。
再生計画変更の手続きの流れ
  1. 個人再生を申し立てた裁判所に、再生計画の変更を申し込む
  2. 裁判所が債権者に確認をする
  3. 債権者の確認がとれて、裁判所も再生計画の延長が妥当だと判断すれば、再生計画の変更が認められる
なにやら大変な手続きになりそうですね…
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
一般的に、再生計画の変更を申し込んで受理されるまでは3ヶ月以上の期間がかかるといわれているよ。

個人再生後の返済は3ヶ月に1回以上の頻度と決められているから、『再生計画の変更を申し込んでから最低でも1回はそれまで通りの額の返済が必要』ということだね…。

あとは、家計簿などの直近数ヶ月分の収支がわかる資料と、給与が下がった場合にはその証拠となる給与明細も必要になる場合が多いかな。

いずれにせよ、『1人でどうにかなる手続きではないから、個人再生後の返済が滞ってしまった場合にはすぐに弁護士に相談するべき』だよ!

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②ハードシップ免責を利用する

さいむくん
さいむくん
再生計画の変更も大変な労なんですね…。

もう1つのハードシップ免責っていうのはどういう手続きなんですか?

ハードシップ免責とは、簡単に言えば、『個人再生手続き後の借金の残額を免除してもらえる制度』のことだよ。

ただ、残りの借金が全額免除されるという制度だから、厳しい条件があるんだ。

せんせい
せんせい

ハードシップ免責を利用できる条件

せんせい
せんせい
ハードシップ免責を認めてもらうには、『返済が著しく困難であり、やむを得ない事情がある』という再生計画変更と同じ条件に加えてさらに以下2つの条件を満たす必要があるよ。
ハードシップ免責を利用できる条件
  • 再生計画で定めた支払うべき借金のうち、4分の3以上を返済していること
  • ハードシップ免責の決定が債権者の一般の利益に反しないこと
2つ目の条件が難しくてよくわからないです…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
ハードシップ免責というのは、借金の残額を全額免除するという手続きだったね。

つまり、極論だけど自己破産とほぼ同じなんだよ。

自己破産をすると、そのとき所持している車や家などの価値のある資産はどうなるんだったけ?

ええと、今持っている価値のある資産はすべて差し押さえをされて、債権者へ配分される、ですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
その通り。

つまり、借金を返せるあてはないけど、自己破産をしてもらえば車や家を差し押さえることである程度の借金を回収できるのであれば、債権者からしたら自己破産をしてもらった方が得になる場合もある。

だけど、債務者がハードシップ免責を利用することで、自己破産をしてもらえば精算をして回収できるはずの資産を持ったまま逃げられちゃったら、債権者としては困っちゃうよね。

なるほど。

『自己破産をしてもらった方が債権者の得になる場合は、ハードシップ免責は認められない』ということですね!

ともだち
ともだち

ハードシップ免責のメリット・デメリット

さいむくん
さいむくん
なかなかハードシップ免責を認めてもらうのは大変そうですね…
そうだね。

ハードシップ免責というのはとても例外的な手続きだから、認めてもらえるのはごく一部なんだ。

念のため、ハードシップ免責のメリット・デメリットをまとめておいたから確認してみてね。

せんせい
せんせい

【ハードシップ免責のメリット・デメリット】

メリット
  • 借金が全額免除されるので、生活再建に専念できる。
  • 自己破産のように差し押さえをされず、職業などの制限も受けない。
デメリット
  • 条件が厳しいため活用できる人がごく一部に限られる
  • 住宅ローンは免責の対象外となるため継続の返済が必要

ハードシップ免責が終わるまでの流れ

せんせい
せんせい
ハードシップ免責の申し立てをしてから完了するまでの流れも簡単に説明しておくね!
ハードシップ免責が終わるまでの流れ
  1. 個人再生をした裁判所に申し立てる
    (免責申立書、返済できないことの証明書類の2点の提出が必要)
  2. 裁判所が選任した弁護士が、ハードシップ免責の要件を満たしているかどうかを確認する
  3. 裁判所が債権者の意見を聴く
  4. 弁護士と債権者の意見を踏まえ、ハードシップ免責を適用するか決定する
これまた、大変そうな手続きですね…。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
そうだね…。

ハードシップ免責は、債務者の事情やこれまでの返済状況をしっかり調査したうえで、債権者や弁護士の意見も聴く必要があるからとてもハードルは高いんだ。

だけど、こういう手続きがあると知っておくことはとても大切だね。

個人再生後の返済が難しくなったときに放ったらかしてしまうと、再生計画を取り消されたり、債権者から訴えられたりと、自己破産を余儀なくされてしまう…。

そうなる前に、すぐに弁護士に相談した方がいいですね。

ともだち
ともだち

個人再生後の返済に困ったらすぐに弁護士に相談を

さいむくん
さいむくん
個人再生をしたあとの返済に困ったら、再生計画の変更か、ハードシップ免責の手続きを取ることで計画を立て直せるということがよくわかりました!
うん!

今日学んでもらった通り、再生計画の変更をするにしても、ハードシップ免責の手続きをするにしても、専門的な知識をもって対応することが求められるんだ。

だから、『個人再生後の返済に困ったら、自分だけで悩まずにすぐに弁護士に相談』しよう!

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
返済が滞ってしまったときに相談をしたら怒られてしまうんじゃないかと心配する人の気持ちもわかりますが…。

なにもせずに再生計画を取り消されたらせっかくの苦労が水の泡ですからね!

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まとめ

ともだち
ともだち
今日は個人再生後の返済が滞ってしまった時の対処法などについて勉強できたね!

今日のせんせいのお話の内容をまとめるとこんなところだ!

今回のまとめ
  • 個人再生後の返済が滞ると、再生計画が取り消されたり、債権者から訴えられてしまう
  • 個人再生後の返済がうまくできないときは再生計画の変更の申し立てが可能
  • 再生計画で定めた返済するべき借金の4分の3以上の借金を返済している場合はハードシップ免責で残額を全額免除してもらえる可能性もあり
  • 返済が滞ってしまった場合はすぐに弁護士に相談するべき!
個人再生後の返済がやむを得ない事情で滞ってしまったとしても、諦めるのはまだ早いということだね。

まずはこつこつ借金を返済していって、どうしようもなくなってしまった時には自分1人で抱え込まずに弁護士に相談します!

さいむくん
さいむくん
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール