自己破産後に信用情報を回復させるにはどうしたらいいんですか?
信用情報を回復させる裏ワザなどは存在しないから覚えておいてね。
自己破産をすると、ほぼすべての借金の返済義務が帳消しになります。
その代わりに、自己破産をしてから最長で7年間はクレジットカードやローンが使えなくなります。
また、自己破産後に信用情報が回復しても、クレジットカードを作るためにはいくつかコツがあります。
この記事では、以下の3点を中心に自己破産と信用情報の関係について解説していきます。
- 自己破産によって信用情報に傷がつく仕組み
- 自己破産後にクレジットカードを作るためのコツ
- 自己破産によって信用情報がブラックになるデメリット
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自己破産後に信用情報が回復するまでは最長7年!
自己破産は、法律の力によって借金の返済義務を帳消しにする手続きである債務整理(さいむせいり)の一種です。
自己破産をすると、最長で7年間は信用情報に傷がつき、クレジットカードが作れなくなってしまいます。
まずは、自己破産によって信用情報に傷がつく仕組みなどについて解説していきます。
信用情報の仕組み
個人の借金に関する記録は、信用情報機関という会社に保管されています。
消費者金融からの借金やクレカのリボ払いを数ヶ月以上滞納したり、自己破産などの債務整理をしたりした情報は、信用情報機関に記録されます。
カード会社や金融機関は、契約審査の際に信用情報機関の情報を参照する権限を持っています。
そのため、信用情報機関にマイナス情報が記録されている間はクレカやローンの審査に通らなくなってしまうというわけです。
日本の信用情報機関には以下の3つがあります。
信用情報機関名 | 事故情報の情報が記録される期間 |
株式会社シーアイシー(CIC) | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 契約継続中及び契約終了後5年以内 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 当該決定日から7年を超えない期間 |
3つの信用情報機関それぞれで、自己破産をした事実が記録される期間は異なります。
しかし、FINEやCRINといった、3つの信用情報機関それぞれで信用情報を共有する仕組みがあります。
そのため、もっとも長いKSCの保管期間である「自己破産決定から最長7年間」は信用情報に傷が残り続けてしまいます。
信用情報を確認する方法
自身の信用情報は、各信用情報機関に開示請求をすれば確認できます。
開示請求とは、信用情報機関が保管している信用情報を開示してくれるように依頼することです。
開示請求はインターネットから可能で、各信用情報機関のホームページで詳細な手続き方法が確認できます。
信用情報機関名 | 加盟会社 |
株式会社シーアイシー(CIC) | 消費者金融、クレジットカード会社など |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | クレジットカード会社、信販会社など |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信用金庫など |
それぞれの信用情報機関で加盟会社が異なります。
そのため、自己破産をした時に契約していた会社が加盟している信用情報機関に開示請求をすれば、自己破産に関する情報が回復しているかどうか確認ができます。
KSCの記録は10年から7年に短縮
自己破産に関する情報がもっとも長く残るKSCは、以前は自己破産決定から10年間は情報が残り続けていました。
しかし、令和4年11月以降は、自己破産をした情報の保管期間が最長7年に短縮されました。
ネット上には、10年は記録が残ると書いているサイトも多いですが、それは古い情報です。
2020年11月以前に自己破産をされた方は10年、2020年11月以降に自己破産をされた方は7年記録が残ります。
【参考:一部情報の登録終了および登録期間の短縮について – 一般社団法人 全国銀行協会】
信用情報を回復の裏ワザや早める方法はある?
インターネット上では、「信用情報を回復させる裏ワザ」を紹介しているようなページもあります。
しかし、信用情報を外部から変更したり、回復を早めたりする方法は一切ありません。
貸金業者が審査の際に、申し込んできた人に返済能力があるかどうか確認するため、信用情報を参照とします。
そんな信用情報が、特定の人や組織にお金を払って削除できるとなると、信用情報機関の信用性は揺らぐことになり、誰も信用情報機関を利用しなくなるでしょう。
したがって、信用情報機関以外に、記録を削除したり変更したりすることはできません。
自己破産をした際は、必ず最長7年間は信用情報に傷がついた状態が続きます。
また、自己破産以外にも、「任意整理」といって債権者(お金を貸してる側)と交渉して、借金の利息を減額してもらう手続きもあります。
任意整理をした場合でも、減額後の借金を完済してから最長5年は信用情報に傷がついてしまいます。
任意整理で減額した借金は、原則3年程度で完済するように求められるため、任意整理した場合でも手続きから最長8年はブラックリストになり続けてしまいます。
自己破産や任意整理後にローンを組んだりクレカを作りたい場合は、年収をあげたり勤続年数を積むなどして、少しでも社会的信用を作っておくことが重要です。
自己破産後にクレジットカードを作るためのコツ
自己破産後にクレジットカードを作るためのコツは、主に以下の4つです。
- 信用情報が回復するのを待つ
- 収入を安定させる
- 利用限度額は最低額で申し込む
- 同時に複数社に申し込みをしない
それぞれ簡単に紹介していきます。
信用情報が回復するのを待つ
クレジットカードを作る上では、やはり信用情報が回復するのを待つのが一番です。
カード会社は、審査の際にほぼ確実に信用情報機関の情報を参照するため、信用情報に傷がついているうちはクレジットカードを作るのは難しいでしょう。
ただし、信用情報はあくまで審査の参考であるため、カード会社独自の基準によって、信用情報に傷がついている方でもカードを作れるケースはあります。
とはいえ、確実にカードを作るためには、やはり信用情報が回復してから申し込むべきです。
収入を安定させる
カード会社は、信用情報だけでなく、本人に関する様々な情報を元に審査を行います。
カードを申し込む際には、住所や電話番号などの個人情報のほかに、ほぼ必ず年収も申告する必要がありますが、収入の多さは審査の際にかなり重視されることが考えられます。
年収が低い方は、ちょっとした出費があると支払いができなくなり、滞納をする可能性が高いと判断されやすく、契約する上でリスクがあるためです。
そのため、カードを作りやすくするためには収入を少しでも増やしておくことが重要です。
利用限度額は最低額で申し込む
自己破産後にカードを作る際には、利用限度額を最低額で申し込むようにしましょう。
少額であれば、それだけ支払いが遅れて滞納するリスクも減るため、審査に通りやすくなる可能性があります。
まずは少額で申請をして、徐々に限度額を上げる方法もあります。
同時に複数社に申し込みをしない
「数打てば当たる」という考えから、同時に複数のカードを申し込むのは避けましょう。
信用情報機関には「クレジットカードを申し込んだ」という情報も6ヶ月~1年間記録されます。
株式会社シーアイシー(CIC) | 照会日より6か月間 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 照会日から6か月以内 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 1年を超えない期間 |
そのため、カード会社から「同時にいくつもの会社に申し込んでいる」ということはバレてしまいます。
同時にいくつものカードを作ることは滞納のリスクもありますし、単純に「お金に困っているのでは?」と思われる要因となるため、審査に落ちやすくなってしまうでしょう。
自己破産後に限らず、クレジットカードを作る際には一社ずつ申し込み、万が一審査に落ちた場合は6ヶ月~1年ほど空けてから改めて申し込みましょう。
信用情報が回復するまでの対処法
信用情報が回復するまでは、基本的にはクレジットカードは作れません。
ここでは、信用情報が回復するまでにクレカの代わりとして使えるカードを紹介していきます。
デビットカードやプリペイドカードを利用する
信用情報が回復するまでは、クレカの代わりにデビットカードやプリペイドカードの利用するのがおすすめです。
デビットカード | 銀行口座の残高から直接引き落とす形で支払いができるカード |
プリペイドカード | ATMなどからあらかじめチャージしておいた金額の範囲内でのみ支払いができるカード |
デビットカードとプリペイドカードは、どちらも信用情報を元にした審査がなく、自己破産後でも作れる可能性が高いです。
また、両方ともクレカのように「使いすぎて払えない」というリスクがないため、自己破産後に生活を立て直す上でも役に立つはずです。
家族カードを利用する
家族カードとは、クレジットカードを契約している方が、自分の家族が利用するものとして発行できるカードです。
家族カードを作る際にも信用情報を元にした審査がありますが、この際に参照される信用情報は契約者本人のものです。
そのため、自己破産をした方であっても、信用情報に傷がついていない家族や配偶者に家族
カードを作ってもらえばクレジットカードを持つことができます。
ただし、家族カードを利用する上では以下の点に注意しましょう。
- 契約者本人と利用限度額が共有のため、使いすぎると契約者である家族に迷惑がかかる
- 利用明細が契約者本人にも知られてしまう
自己破産によって信用情報がブラックになるデメリット
自己破産によって信用情報がブラックになるデメリットは、主に以下の3つです。
- クレジットカードが作れなくなる
- ローンが組めなくなる
- スマホ本体の分割購入ができなくなる
それぞれ簡単に紹介していきます。
クレジットカードが作れなくなる
カード会社は、契約の際に信用情報をもとにした審査を行います。
そのため、自己破産によって信用情報がブラックになっている間は、基本的にクレジットカードは作れません。
ローンが組めなくなる
消費者金融や銀行も、カード会社と同様に、契約審査の際に信用情報を参照します。
そのため、信用情報がブラックになっているあいだは、消費者金融や銀行のローンを組むこともできません。
スマホ本体の分割購入ができなくなる
スマートフォン本体を分割払いで購入する際は、携帯キャリアを通して信販会社のローンを組みます。
信販会社も、信用情報を元にした審査を行います。
そのため、ブラックリストになっている間はスマホ本体の分割購入もできないケースが多いです。
自己破産後の信用情報に関してよくある質問Q&A
最後に、自己破産後の信用情報に関してよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
自己破産をするとどうしてクレジットカードが作れないの?
「自己破産をした」という情報は、信用情報機関に記録されます。
カード会社は信用情報機関の情報を元に審査を行うため、自己破産をしたという情報はバレてしまいます。
過去に自己破産をした方は、カードの支払いを滞納する可能性が高いため、契約を断られるケースがほとんどです。
自己破産後1年でクレジットカードが作れたのはなぜ?
カード会社は、基本的に信用情報機関の情報を元に審査を行います。
ただし、カード会社によって実際の審査基準は異なります。
そのため、ブラックリストになっていても、年収や勤続年数など総合的な観点から契約をしてくれるカード会社もあります。
自己破産後1年でクレジットカードが作れた場合でも、その会社の審査に通っただけであり、ブラックリストが解除されたわけではない点に注意してください。
自己破産して10年経過したけどローンが組めなかったのはなぜ?
信用情報機関に記録された自己破産の情報は、破産手続き開始から最長7年で消去されます。
自己破産から10年経過すればブラックリストから回復はしていますが、金融機関は年収や勤続年数など総合的な要因をもとに審査をします。
そのため、自己破産から10年が経っていても、他の要因から支払い能力がないと判断されてしまうと、ローンが組めない可能性はあります。
まとめ
- 自己破産してから最長7年が経過すれば信用情報は回復する
- 信用情報の回復を早める裏ワザは存在しない
- 自己破産した方がクレジットカードを作る際は、信用情報が回復してから申し込むのが確実
ほかにも自己破産について色々と気になることもあるので、一度弁護士に相談してみます!
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。