一般法務/契約書

運送ビジネスにご興味のある方必見!!運送業許可の概要を徹底解説!!

こんにちは。
スタートアップドライブ編集部です。

本日は、近年爆発的な勢いで成長しており、コロナ禍による巣ごもり消費を追い風にさらに成長を加速させている「EC業界」に関連性の深いトピックについて解説していきます。

「EC業界」というと何を思い浮かべるでしょうか、Amazonや楽天などのプラットフォーム、ヤマト運輸、佐川急便などの運送業者、Uberを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。

本日、解説するのはこのような多様な業種の中でも「運送業」にとって重要な資格である「運送業許可申請」についてです。
近年、Amazonなど、主に通販の会社からの出荷依頼が急増している背景を受けて、Amazonの運送を専業で行う個人事業主や中小企業、自社に空リソースを利用して運送ビジネスを展開しようと検討している方に向けた記事となっています。

運送業は、需要が急増しているだけでなく、車一台あれば誰でも開業できる参入障壁の非常に低い誰でも手を出しやすいビジネスとされていますので、一見不要だと思われる方や、要件の対象外の方も、知識として知っておきましょう!

運送業許可とは?

はじめに運送業許可の定義や、抵触した場合、どのような罰則を課せられる可能性があるのかを解説します。

運送業許可の定義

運送業許可とは「他人から運賃を受け取り、車を利用して荷物を運ぶために必要な許可」であり、少し堅い表現だと「一般貨物自動車運送業を行うために必要な許可」であるとされています。

重要な点は「他人から運賃を受け取り」の部分であり、荷物を運送したことの対価として他人から報酬を得る場合はこの許可は必須です。
このことから、荷物の配送業者はもちろん、レッカー車や引っ越し業者に対してもこの法律は適応されます。

運送業許可違反のペナルティ

無許可での運送業を営んだ場合や他人に名義を貸した場合などは、運送業許可に違反したとして行政処分の対象となります。
また、行政処分の種類は違反した行為に応じて3つに区分されており、違反後は監査が入る可能性が高くなるなど非常にリスキーであることを認識しておきましょう。

また、「1営業所あたり1許可」となっていますので、営業所を複数所有する業者の方は、その分に応じた許可申請を受ける必要があります。

以下は、運送業許可違反に該当した場合に課せられる主な罰則です。

  1. 車両使用停止
  2. 事業停止
  3. 許可取消

車両使用停止

運送業許可違反のペナルティとして最も軽度な措置は「車両使用停止」です。
この措置の内容は、運送業許可を示す「緑ナンバー」を一時的に運輸局へ返納する行政処分となります。
また、ナンバーの付いていない車両は公道を走ることができないため、結果として運輸局からナンバーが帰ってくるまで車両を使用することができません。
そのため「車両停止」とされています。

処分日数や処分の対象となる車両の数は、違反行為の内容や営業所の所属車両数に応じて変わりますが、101車両以上の営業所の場合15車両が301日以上停止される場合があり、200日を超えた場合は事業所がネガティブリスト(ブラックリスト)に登録されるため、注意が必要です。
さらに、3年以内に再違反を犯すと処分日数が2倍になるとされます。

なお、この罰則は「書類改ざん」や「3名以上の運転適正検査の未実施」の場合などで該当するとされています。

事業停止

事業停止処分とは、一定の期間(基本的には30日間)運送行為ができなくなる措置であり、車両使用停止よりも違反行為が悪質な場合に適応される行政処分です。
この場合適応される法令違反は「名義貸し」「監査拒否や嘘の陳述」「運行管理者・整備管理者未選任」などです。

また、車両使用停止の処分を受け、かつ、同一管轄区内(関東運輸管内であれば1都6県+山梨県)での違反点数が一定以上(30点以上など)の場合は、車両使用停止処分から事業停止に格上げがされる場合があります。

この処分を受けた場合、1ヶ月間仕事ができないことを意味するため、経営に大きなダメージを与えることはもちろん、取引先の信用を失ってしまうため、悪影響が後々まで続いてしまうリスクを伴います。

許可取消

許可取消は、運送業の許可が取り消される処分であり、3つの処分の中で最も重い行政処分です。

主な要件としては「命令に従わない(運送ナンバー返却の拒否など)」「行政処分の内容の反復」「無許可での旅客運輸」などに加え「同一管区内での累積違反点数のオーバー」とされています。

「行政処分の内容の反復」と記しましたが、これは「事業停止処分として抵触する内容を3年以内に繰り返した場合」と「事業改善命令などの命令を受けた事業者が3年以内に同じ命令による行政処分」を受けた場合が該当します。

また「同一管轄区内累積違反点数のオーバー」とは、同一管轄区内(関東運輸管内であれば1都6県+山梨県)における違反点数が81点以上となった場合に適用されるため、注意が必要です。

許可取消は、該当すると運送業そのものができなくなってしまうため、非常に重い処分であるといえます。
一方で、ペナルティを繰り返してしまった場合や、明らかな悪質行為としてみなされる場合以外は許可取消までの処分には至りません。
未然防止が充分に可能なので、万が一、事業停止などの処分を受けた場合は、確実に改善を行いましょう。

運送業許可が必要の有無

ここまで、運送業許可の概要と違反した場合のペナルティについて記述しましたが、実は全てのケースで運送業許可が必要なわけではありません。
実は全ての運送業許可ですが、実は全ての運送業者に対して必要であるという訳ではありません。ここからは運送業許可の必要がないケースをご紹介します。

無償での運送

無償で貨物を運送する場合は、運送業許可は必要ありません。
運賃を報酬として受け取り、収益を計上しているわけではないため「運送業」とはみなされないからです。
このことから、建設現場へ資材を運ぶ建設会社のトラックは運送業許可が必要ありません。

自社の荷物を運送する

無償での運送同様、自社の荷物を運ぶ場合も運賃を報酬として他人から受け取るわけではないため、運送業としてみなされることはありません。
この場合、注意が必要なのは、子会社や下請けを利用する場合です。
仮に、同一のグループや関係が深い企業であっても、会計上は別企業扱いとなります。
そのため、他社の荷物を報酬を貰って運送することに該当するので、運送業の許可が必要になります。

軽自動車による運送

軽自動車による運送は、運送業許可は不要とされており、他人から運賃を受け取る場合も許可が必要ありません。
その代わり、軽自動車で荷物を運ぶ際には「貨物自動車登録」という登録が必要になります。「貨物自動車登録」とは、一般的に黒ナンバーと呼ばれているものです。
このように、車両を軽自動車にするだけで営業許可の難易度は大幅に下がります。

近年、Amazonの運送代行やラクスの運営するサービス「ハコベル」に登録して脱サラを検討している方が多くいらっしゃると思いますが、黒ナンバーを取得し、軽自動車を活用した運送も是非視野に入れてみてはいかがでしょうか?

二輪車による運送

バイクなど二輪車を利用した運送も軽自動車と同様、運送業許可は不要です。
バイク便は、一般的に車よりも運賃が安いため、好んで利用する方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

125cc以下の排気量のバイクに関しては、特に規制が必要なく、白ナンバー(自家用)のまま営業しても問題ないため、運送業許可は必要ありません。

ただし、排気量125cc以上のバイクに関しては、緑ナンバー(運送業許可)が必要であるため、二輪車での営業する場合は、使用予定のバイクの種類に注意しましょう。

運送業許可の取得の流れ

この章では、運送業許可を取得する場合の流れを解説します。
運送業許可の取得は、意外に時間のかかる手続きであるため、計画性を持ったプランを組み立てましょう。

運輸支局での審査

運送業許可取得に関する流れのファーストステップは、運輸支局での審査です。
事業所が存在する地域を管轄する運輸支局へ書類を提出し、審査を受ける必要があります。

以下のURLにアクセスすると、国交相のページにアクセスできます。ご自身の事業所を管轄する支局が参照できますので、チェックしてみて下さい。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000034.html

また、審査に利用される書類によって、運送業許可の要件を満たす必要があることを証明しなければなりません。
この要件のハードルが意外に高いのが特徴です。
運転者5名、5台以上の車両の所有、休憩室などの基準を満たした施設など、一般的にイメージされる個人事業主よりも大きめの業容であることが前提とされています。
また、残高証明書などの提出も求めれるため、ある程度健全な経営ができていることが条件の一つであるといえるでしょう。

このように必要書類や要件に関しては抜け目の無いように充分チェックしましょう。

なお、この場合の審査期間は4ヶ月から5ヶ月程度とされています。

法令試験

書類審査後の第2のステップは法令試験です。
この試験は、比較的頻繁に実施されているので、あまり待つ必要はありませんが、個人事業主であれば事業主本人が受験し、法人であれば役員が受験する必要がある試験とされています。

なお、試験は1回のみ再受験が認められますが、再試験で不合格となった場合、申請が取り下げられますので注意が必要です。

運輸局での審査・運輸支局での許可書の交付

試験通過後、運輸局において再度審査が行われ、審査に通過した場合、運輸支局において「運送業許可」が交付されます。

また、交付と同時に運送業許可を持つ業者として順守すべき法令・提出書類などについて説明があります。

登録免許税の納入

許可が交付された後は、許可所得日から1ヶ月以内に、登録免許税を納入します。

この場合の登録免許税は12万円とされており、銀行・郵便局での納入に限定されています。期間が短いので早めに納入できるようにしましょう。

運輸開始届けの提出・緑ナンバーの取得

最後に行う手続きは、運行管理者の選任や労働保険への加入、36協定の移しなど、定められた書類を運輸支局へ提出する手続きです。

この手続きは、運輸業許可の取得後1年以内とされています。
運輸開始届けの提出後、緑ナンバーが交付され、ナンバーを営業ナンバーへ変更し、営業をスタートすることができます。

ここまでの手続きに要する時間はおおよそ1年程度を見込む必要があります。

まとめ

この記事では「運送業許可申請」の概要を説明しました。
この許可は、ある程度規模の大きな業者さんに対する許可であり、個人で軽自動車やバイクを使って運送する方にとっては不要であるかもしれません。

しかし、いずれ事業を拡大する場合や、軽自動車ではどうしても運ぶことのできない貨物を輸送する場合は、必要不可欠な許可となります。
また、申請が通過するまでには、ある程度の時間を要し、専門的な書類が必要になるため、行政書士など専門家に相談することがオススメです。