自己破産

自己破産で失うものとは|自己破産後の生活や家族への影響は?

さいむくん
さいむくん
借金の返済がもう限界だ!自己破産をしたいんだけど、何もかも失ってしまうのは怖いな…。
自己破産をしても、全て失うわけではないと聞いたことがあるよ。自己破産で失うものや。失わないものが何なのか知りたいよね。

それから、自己破産後の生活がどういう風になるのかも気になるよね。

ともだち
ともだち

自己破産をご検討中の方でこのようにお悩みの方はいませんか?

実は自己破産をしても、生活に必要最低限の財産は手元に残すことができます。

また、よくある勘違いとして。「自己破産を理由に選挙権を失う」、「海外旅行に行けなくなる」などがありますが、そんなことはありません。

この記事では。自己破産で失う財産や失わない財産についてまとめています。

また、自己破産後の生活がどのようなものになるのかについても解説しています!

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自己破産した人の声

せんせい
せんせい
自己破産というと、何もかも失って無一文になる、というイメージがあるよね。

だけど、本来自己破産は借金問題救済のための制度なのに、本当に無一文になってしまっては生活ができなくなってしまう。

そこで自己破産後も最低限の財産を手元に残すことは認められているし、実際、自己破産をして人生を立て直した人も多いんだよ。

自己破産体験談1:自己破産で個人信用を失うが生活苦で歯を失う

さいむくん
さいむくん
僕も治療費が怖くて病院に行けなかった経験があるから、よく分かるなぁ。

自己破産をすると、その情報が個人信用情報機関に登録されて、その間は新たな借入やクレジットカードの発行・利用ができなくなってしまうんですよね。

だけど、このいわゆるブラックリストに載る期間はせいぜい10年くらい。自己破産をして生活を立て直すことはできるけど、歯は一度失ってしまうと二度と戻らない…。

自己破産体験談2:自己破産で財産を失うが安心感を得られる

さいむくん
さいむくん
自己破産で失うものは多いけれど、借金から解放されるのは他に代えがたいメリットだよね。

毎月の返済日が近付くたびに眠れなくなって、電話が掛かってくれば動悸が止まらない…。こんな生活、もうイヤだ!

自己破産体験談3:破産をしてもまた一からやり直せばいい!

さいむくん
さいむくん
自分が限界だと思ったら無理をしなくてもいい…。確かにその通りだよね。

そもそも自己破産は生活を立て直すために国が作った制度なんだ。これを利用しても、別にズルくなんてないもんね!

自己破産で失うものとは?差押え対象の一覧

せんせい
せんせい
自己破産とは、債務者がもっている財産をお金に換え、債権者に平等に分配することによって、「もうこれで大目に見てあげてください」という借金救済制度だ。

そのため、生活に必要不可欠な財産以外は、裁判所によって没収されてしまうことになる。

ただし、現金や預金の取り扱いなど、裁判所によって運用が異なる部分もあるから、実際に自己破産をする場合には、どの財産が没収の対象となるのか弁護士に相談してね。

以下から、自己破産で失うことになる財産をまとめていくよ。

不動産・マイホーム

せんせい
せんせい
不動産(土地や建物)は、基本的には高額な財産だから、没収の対象になってしまうね。

もちろんマイホームも没収の対象になってしまうけど、後ほど紹介するリースバックという制度を利用すれば、自己破産後も同じ家に住み続けることは可能だよ。

不動産に関しては、裁判所の手続きによる競売(けいばい)よりも、任意売却をしたほうが、より高額で売れたり、自己破産費用を捻出できるなど、メリットが多いようですね。

任意売却の概要やメリット、売却すべきタイミングについては、以前にもお話してくれましたね!

ともだち
ともだち

自動車・バイク

せんせい
せんせい
自動車やバイクなども、一般的には高額で換価処分できるものだから、没収の対象になるね。

ただし、個人タクシーや配達業を営んでいる場合など、その車が事業の存続に不可欠な場合には、没収の対象とはならないよ。

こうした例外については、また後ほど詳しく紹介するね!

99万円超の現金

せんせい
せんせい
99万円を超える現金については、没収の対象となってしまう。注意点としては、あくまで「現金」だからね。銀行に預けてあるお金は別だよ。

手元に100万円の現金がある場合には、1万円が没収の対象になるということだね。

1か月あたりの生活費が33万円だとして、その3か月分っていうことになっているみたいですね。
ともだち
ともだち

20万円超の預金

せんせい
せんせい
銀行に預けてある預金の場合には、20万円を超える金額について没収の対象となってしまうよ。

ただし、これは東京地方裁判所の運用の場合なんだ。東京地裁の場合だと、現金99万円と預金20万円、トータル119万円まで残せることになる。

大阪地裁の場合だと、「現金と預金のトータルで99万円以下しか残せない」という運用になっているみたいですね。
さいむくん
さいむくん

その他高額な財産

せんせい
せんせい
そのほかにも、高級時計やブランドバッグなど、現金化して20万円超になるものは没収の対象になるね。

解約返戻金が20万円を超える生命保険などは解約させられることになったりする。

ただし、これらの運用も、各地方によって大きく異なるんだ。東京地裁の場合だと、これらの合計が99万円以下だと没収の対象とならないことになっている。」

自己破産って国の制度なのに、地方によって違うのは面白いなぁ。自分が自己破産する場合には、自分の住んでいる地方がどういう運用になっているのか、しっかり確認しなくちゃ。

財産隠しは不可能だし絶対やらないこと

さいむくん
さいむくん
自己破産をするときには、自分がもっている財産を一覧にした「財産目録」っていうのを作成するんですよね。

高額な財産をもっていても、これに記載しなければバレないんじゃ…?

さいむくん、そうした行為は「財産隠し」と呼ばれ、自己破産では絶対NGな行為なんだよ。

もし裁判所にバレたら自己破産は認められないことになるし、最悪の場合、詐欺破産罪といって、10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金またはその両方を科せられることになる。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
自己破産をするにあたっては様々な書類を裁判所に提出する必要があるし、裁判所は証拠から事実を認定するプロ中のプロだから、隠し通すのは不可能だよね…。

せっかく人生を立て直そうとしてるのに、刑務所に入っちゃったら元も子もないよ!裁判所に対しては、絶対にウソをつかないようにしなくちゃね。

自己破産で失わない!自由財産とは?

さいむくん
さいむくん
先生、さきほど「自己破産で全て失うわけではない」って言ってましたけど、どういうことですか?
実は、自己破産で全てを失うわけではなく、破産後も手元に残せる「自由財産」(じゆうざいさん)というものがあるんだ。

以下からは、その自由財産の内容について解説していくよ。ただし、こちらも同様に、各裁判所によって運用が異なるんだ。

だから、自己破産前に必ず、弁護士に相談するようにしてね!

せんせい
せんせい

自己破産手続き開始後に取得した財産

せんせい
せんせい
まず、自己破産手続きを開始した後に得た財産は、手元に残すことができるよ。こうした財産のことを新得財産という。

自己破産で没収の対象になるのは、自己破産の開始決定がなされる前に保有していた財産に限定されるんだ。

その裏返しとして、開始決定以降の財産は、そのまま自分のものになるってことだね。

正確に言えば、「自己破産の申立て以降・破産開始決定までの間に、支払われることが確定した財産」も没収の対象に含まれるみたいですね。
ともだち
ともだち

99万円以下の現金・20万円以下の預金

せんせい
せんせい
99万円以下の現金や20万円以下の預金についても、手元に残すことができるよ(東京地裁の場合)。

現金や預金は特に身近な財産なのに、地方によって運用が異なることは先ほど紹介した通りだ。

うっかり勘違いしてしまわないように、しっかり地元の運用を確認しておいてね。

生活に必要不可欠な衣服・家財道具

せんせい
せんせい
また、生活に必要不可欠な衣服や家財道具なども、手元に残すことができるよ。

ただし、高額な電子機器類(パソコンやカメラなど)や楽器類などは、ここに含まれない可能性がある。

じゃあ、没収されちゃうってことですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
いやいや、裁判所も鬼じゃないから、ある程度融通をきかせてくれる。

「自由財産の拡張」という概念については、後ほど紹介するね。

職業上必要不可欠な器具

せんせい
せんせい
自己破産は生活を立て直すための制度だから、破産後に仕事ができなくなってしまうような没収はなされないことになっているんだ。

ただし、どのような道具が没収対象外となるのかは、ケースバイケースで判断されることになる。

確かに、本当に必要な物なのかどうかや、他の物で代替できないかどうかは、しっかり検討してみないと分からないですもんね。
さいむくん
さいむくん

その他の自由財産

せんせい
せんせい
そのほかにも、自由財産にはいくつかあって、例えば給料や退職金の4分の3、公的年金や失業給付などがこれにあたるよ。

また、自由財産の拡張という運用があるんだ。これは、法律上は自由財産とは認められていないものの、その財産が不可欠であると裁判所が認めた場合には、特別に自由財産として扱う、というものだ。

ケースバイケースで判断される、ということですね。

例えばどのようなものがありますか?

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
例えば、破産者が難病に罹患していて、高額な生命保険に入っている場合だね。

このような場合、解約返戻金も高額になるから、本来であれば自己破産手続きのなかで解約の対象になってしまう。

ところが難病患者の場合、一度生命保険を解約してしまえば再度の加入が難しくなってしまう可能性がある。このような事情があるような場合に、自由財産の拡張が認められ、例外的に解約を免れるようなケースだね。

なるほど。破産者の事情を色々と考慮したうえで裁判所が決定するんですね。

そうなると、自由財産の拡張をお願いする申立書をいかに説得的に書けるかどうかも重要なポイントになってきますね。

自己破産は弁護士に依頼すべきってよく言われるけど、そういう理由もあるんですね。

さいむくん
さいむくん

自己破産後の生活はどうなる?家族への影響は?

さいむくん
さいむくん
ここまでみてきた感じだと、自己破産をしても手元に残せる財産って結構あるんですね。

実際、自己破産をした後の生活ってどんな感じなんですか?

マイホームに住み続けるリースバック制度を利用しよう

せんせい
せんせい
自己破産をすると原則的にマイホームを失うことになるんだけど、リースバックという制度を利用すれば、破産後も同じ家に住み続けることができるよ。

リースバックとは、自己破産に先立って不動産会社などに自宅を売却し、その後は賃貸住宅としてその家に住む、というものだ。

なるほど!「持ち家」ではなくなってしまうけど、愛着のある家に住み続けられるのはいいですね。
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
ただし、過度に安い金額で売却をしてしまうと、詐害行為(さがいこうい)にあたるとして、売買契約を取消されたり、自己破産に失敗してしまうリスクが生じる。

詐害行為とは、特定の債権者を害する目的で、不当に財産の価値を減少させる行為のことだよ。

それは困りますね。じゃあ、リースバックを利用する前には、不動産会社だけではなく、弁護士や裁判所に相談しながら進めたほうがよさそうですね。
さいむくん
さいむくん

自己破産を理由に解雇されることはない

せんせい
せんせい
ありがちな誤解なんだけど、自己破産をしても仕事をクビになることはないよ。法律で、自己破産を理由に従業員をクビにすることが禁止されているんだ。

ただし、特定の仕事や資格には影響が出るから注意が必要だ。例えば弁護士や証券業、不動産業などに関する資格は、自己破産の手続きが終わるまでは資格が停止されてしまうよ。

いわゆる士業や、人の命・財産に関連する職業の場合には、資格制限を受けやすいみたいですね。

どのような資格が制限を受けるのかや、自己破産が就職・転職に与える影響については、以前にも詳しく紹介してくれましたね!

さいむくん
さいむくん

職場や周囲の人にバレる可能性は低い

さいむくん
さいむくん
自己破産をすると、周囲の人にバレたりしますか?なるべく隠したいんですが…。
基本的に、自己破産をしたことがバレることはないと思うね。

自己破産をすると官報(かんぽう)という国が発行する新聞のようなものに個人情報が掲載されるんだけど、正直、誰も見てないからね。

ただし、自己破産を家族に隠してやり通すことは難しい。同居家族がいる場合には、破産者本人のものだけではなく、同居家族の収入等に関する書類も必要になってくるからね。

せんせい
せんせい

選挙権を失うことはない

せんせい
せんせい
自己破産をしても、選挙権を失うことはないし、制限されることもないよ。

そもそも自己破産は法律で認められた国民の権利であって、生活再建のための制度だからね。

海外旅行は行ける

せんせい
せんせい
自己破産に関するよくある勘違いとして、自己破産をすると海外旅行に行けなくなる、というものがあるね。実はこれは、半分正解で半分不正解だ。

自己破産と海外旅行との関係をまとめると、次の表のようになるよ。

手続きの状況 海外旅行への影響
手続き前 特に制限なし。
ただし、手続きを依頼する弁護士には事前に伝えておこう
手続き中 管財事件の場合には制限される可能性あり。
同時廃止事件の場合には制限なし。
手続き後 制限なし
要するに、「管財事件の手続き中のみ海外旅行の影響を受ける可能性がある」っていうことなんですね!

わりと自由に海外に行けるのにびっくりしました。そうは言っても、急に連絡が取れなくなると困るでしょうから、弁護士にはしっかり前もって伝えておきます!

さいむくん
さいむくん

携帯電話は利用できる

さいむくん
さいむくん
自己破産をすると、携帯電話の契約も止められちゃうんですか?
携帯の本体代金の分割払いがまだ終わっていない場合には、残念ながら強制解約になってしまうね。結局のところ、携帯会社とローン契約を組んでいるのと同じだからね。

また、利用料金の未納や滞納がある場合にも、強制解約となってしまうね。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
逆に言えば、端末代金を完済していて、かつ、利用料金の未納・滞納がない場合には、特に解約されることもなく、今後も使い続けることができるんですね。
そうだね。自己破産後に新規契約をするのは、信用情報に傷がついているから、少し難しいね。

預託金として利用料金を一部先払いすることで審査に通りやすくなるという方法があるけど、今なら格安SIMを利用するなどの方法もあるね。

せんせい
せんせい

まとめ

ともだち
ともだち
今回の話をまとめると、次のようになりますね。
まとめ
  • 自己破産をしても生活に必要な財産は失わない
  • 財産を隠して自己破産をすると、最悪に場合刑務所行き
  • 自己破産の運用は地方によって異なるため、必ず弁護士に相談しよう
今回は、自己破産で失うもの・失わないものについて解説してきた。

自己破産といえば、何もかも失い無一文になる、というイメージがあるけど、実際はそうでもないんだ。

生活に必要なものは手元に残すことができるし、生活を立て直すための生活基盤も残しておける。

ただし、自己破産の運用については各裁判所によって大きく異なるから、実際に自己破産を検討している人は、まず弁護士に相談してみるようにしよう。

せんせい
せんせい
弁護士に相談することで
借金を大幅に減らせる可能性があります。
催促の電話を止めたい
毎月の返済額を減らしたい
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール