債務整理

警備員の債務整理は仕事に影響が出る?家族・会社にバレる?

さいむくん
さいむくん
ともだちよ!借金が返せそうにないから債務整理を考えているんだけど…。

警備員は債務整理すると、会社をクビになるってネットに書いてあったんだけど本当なの?

今の仕事が警備員だから、債務整理をしてクビになるのは困るんだよなぁ…。

基本的に警備員が債務整理をしても、会社をクビになる可能性は低いから安心していいよ。

ただ自己破産をした場合は、会社によって警備員をクビになる可能性があるかもしれない…。詳しいことを先生に聞いてみようか!

ともだち
ともだち

警備員として働いている人が債務整理をした場合でも、基本的には会社をクビになることはありません。

ただし自己破産の場合のみ、警備員は職業・資格制限の対象となっているため、手続き期間中働くことができず仕事に影響が出る可能性があります。

今回の記事では、警備員が債務整理した場合の仕事に対する影響や、債務整理すると仕事をクビになるのか、また警備員が債務整理するならどれを選べばいいのかについて解説します。

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警備員でも債務整理できる!

さいむくん
さいむくん
先生!そもそも警備員は債務整理自体できるんですか?
債務整理自体は、それぞれの手続きの条件を満たしていれば問題なくできるよ。

債務整理3つの種類と、それぞれの特徴や内容については以下のとおりだ。

せんせい
せんせい

債務整理3つの種類とそれぞれの特徴・内容

任意整理 ・金融機関や消費者金融など、債権者と直接和解交渉を行う手続き
・基本的には利息のカットと返済期間の変更に落ち着くことが多い
個人再生 ・裁判所に申し立てをして借金を減額してもらう手続き
自己破産 ・裁判所に申し立てをして借金を免除してもらう手続き
さいむくん
さいむくん
どの手続きも条件を満たしていれば問題なくできるんですね。

じゃあなんで警備員は債務整理をするとクビになるって、ネットとかに書かれているんですか?

それは自己破産をした場合における「資格・職業制限」が関係しているんだ。

後のところでも詳しく解説するけど、実は自己破産をした場合、 裁判所から免責許可を受けるまでは一定の資格・職業に制限がかかるんだ。この中に警備員も含まれている。

ただこの制限は一定期間だけで、一生続くと言うわけではないから安心してね。

せんせい
せんせい
ともだち
ともだち
つまり警備員として働いている人が自己破産した場合、手続き期間中だけは警備員として働けなくなる。

だけど他の仕事をすることは禁じられていないから、手続き期間中だけは事務などの仕事をさせてもらうといった形で働き続けることができるんだよ。

そうなんだ!警備員として働いていたら債務整理できないと思っていたけど、違うということがわかって安心したよ!
さいむくん
さいむくん

警備員が債務整理した場合の仕事に対する影響

せんせい
せんせい
実際に警備員が債務整理した場合、仕事に対してどのような影響があるのかそれぞれの手続きごとに解説していくよ。

任意整理:ほとんどない

せんせい
せんせい
任意整理は、金融機関や消費者金融などの債権者と直接和解交渉を行う手続きのことだったね。

任意整理の場合は、自己破産のように法律で「資格・職業に関する制限」も定められていない。

だから警備員が任意整理したとしても、仕事に対する影響はほとんどないから安心してね。

もし警備員で借金に困っているなら、仕事に影響のない任意整理が良さそうですね。
さいむくん
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個人再生:ほとんどない

せんせい
せんせい
個人再生は、裁判所を通して手続きを行うことで、借金を大幅に減額できる手続きのことだったね。

個人再生の手続きは「民事再生法」という法律によって定められているけど、この法律には「資格・職業に関する制限」を定めているものはない。

だから警備員が個人再生をしたとしても、仕事に対する影響はほとんどないといえるから安心してね!

自己破産:警備員は職業制限の対象

せんせい
せんせい
警備員が債務整理した場合、仕事に対して影響が出る可能性が高いのが自己破産だ。

自己破産では、手続き期間中のみ一定の資格や職業に制限がかかってしまう。

制限される資格や職業の具体的な例は、以下のとおりとなっているよ。

自己破産すると制限がかかる
資格・職業の具体例

 

  • 士業(弁護士や税理士、公認会計士など)
  • 金融関係(貸金業者、生命保険募集人など)
  • 公務員(国家公安委員会の委員など)
  • 会社の役員・取締役(日本銀行の役員など)
  • その他の職業(探偵業・警備業・酒類の製造免許など)
法律や金融に関連する資格や職業の場合、制限されることが多いみたいだね。
ともだち
ともだち
せんせい
せんせい
そうだね。でもこの制限は「破産手続きの開始決定から免責許可決定が下されるまでの期間」だけなんだ。

だから自己破産をしたとしても、一生警備員として働けなくなるというわけではないから安心してね。

ちなみに破産手続きの開始決定から免責許可決定が下されるまでの期間は、具体的にどれくらいなんですか?
さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
基本的には、自己破産を申し立ててから免責許可決定が下されるまで3ヶ月から半年くらいかかるよ。

所有している財産が多いなどの特殊な事情がある場合は、半年から1年以上かかることもあるね。

最大でも1年程度間は、警備員として働けなくなる可能性があるということは覚えておこう!
ともだち
ともだち

警備員が債務整理すると家族・会社にバレるのか

せんせい
せんせい
次に警備員が債務整理した場合、家族や会社にバレる可能性があるのか解説していくよ。

任意整理→バレる可能性は低い

せんせい
せんせい
任意整理は直接金融機関や消費者金融と交渉する手続きだから、会社や家族にバレる可能性は低い。

ただし次のようなケースに該当する場合、任意整理でも会社や家族にバレてしまう可能性があるから注意してね。

任意整理が家族や会社に
バレてしまうケース

 

  • 弁護士などに依頼せず自分で手続きを進める
  • 消費者金融や金融機関から直接自宅に電話がかかってくる
  • 弁護士費用などを滞納してしまった
  • 住宅・マイカーローンの契約ができなかった
  • 家族カードの更新ができなかった
特に注意しなければならないのが、ローンの契約や家族カードの更新の時だね。

任意整理をするとブラックリストに登録されてしまうから、ローンの利用やカードの更新も一定期間できなくなる。

その期間内に、家族でローンの契約や家族カードの更新をしてしまうと、そこから任意整理したことがばれてしまう可能性もあるから注意してね。

せんせい
せんせい

個人再生→バレる可能性が高い

せんせい
せんせい
個人再生を行う場合、同居家族の収入資料(所得証明書や確定申告書、給与明細など)を裁判所に提出する必要があるんだ。

こういった収入に関する資料を集める過程で、家族に個人再生する事がバレてしまう可能性が高いよ。

他にも次のようなケースに該当する場合、個人再生をすることが会社や家族にバレてしまう可能性があるから注意してね。

個人再生が
家族や会社にバレてしまうケース

 

  • 家族が保証人だった
  • 家族や会社から借金をしていた
  • 官報から個人再生したことが知られてしまう

自己破産→バレる可能性が高い

せんせい
せんせい
自己破産を行う場合、手続きによっては所有している不動産や車などの財産を処分しなければならない。

その過程で、同居している家族などには自己破産することがバレてしまう可能性が高いね。

また警備員は資格・職業制限の対象だから、手続き期間中は働くことができない。

事前に会社に対して説明する必要があるから、自己破産することが知られてしまうのは避けられないだろうね。

自己破産したことを黙ったまま働いていると、勤務先の会社が行政処分の対象になる可能性があるんだ。

だから資格・職業制限の対象になっているからといって、黙って働き続けるのは絶対にやめたほうがいいよ。

ともだち
ともだち
さいむくん
さいむくん
黙っていれば分からないと思っていたんだけど、さすがに行政処分の対象になるのはやばそうだからやめておいたほうが良さそうだね…。

警備員が債務整理すると仕事はクビになるの?

せんせい
せんせい
警備員が債務整理した場合、仕事はクビになるのか解説していくよ。

任意整理:クビになる可能性はない

せんせい
せんせい
警備員が任意整理したとしても、仕事をクビになる可能性はないから安心してね。

個人再生:クビになる可能性はない

せんせい
せんせい
警備員が個人再生した場合も、仕事をクビになる可能性はないから安心してね。

自己破産:クビになる可能性はある

せんせい
せんせい
結論から言うと、会社は自己破産を理由に従業員をクビにすることは基本的にできないんだ。
なんで自己破産を理由に従業員をクビにすることはできないんですか?

ネットとかだと、警備員で自己破産するとクビになるって書かれているサイトも多いみたいですけど…。

さいむくん
さいむくん
せんせい
せんせい
労働者と雇用者の契約について規定した法律である労働契約法では、客観的に合理的な理由がなければ従業員を解雇することはできないと定めているからだね。

​第一条 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。​
引用:労働契約法 – e-Gov法令検索

客観的に合理的な理由とは、勤務態度に問題があったり、業務命令や就業規則に反したりなどが該当する。

基本的に自己破産はプライベートな問題で会社とは関係ないよね?

だから自己破産したことを理由に、会社が従業員をクビにすることは法律的に許されていないんだよ。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
じゃあ警備員でも自己破産していいってことですね。
ただし、資格・職業制限で働けなくなった場合、会社は業務に支障がきたしているとしてその従業員を普通解雇できる可能性があるんだ。

警備員として勤務するという内容で雇用契約を締結したにも関わらず、自己破産をして働けなくなると契約の内容に沿った労務の提供ができないよね?

契約の内容に沿った労務の提供ができていないことを「債務不履行」といって、その場合は会社もその従業員をクビにすることができるんだよ。

せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
じゃあ、やっぱり警備員は自己破産したらまずいってことなんですね…。
ただ会社によっては、自己破産で働けない期間だけ事務などの他の仕事や部門に回してくれる場合もある。

会社によって従業員に対する対応は異なるから、まずは弁護士にどうすべきか相談するのがおすすめだね。

せんせい
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警備員が債務整理するならどれを選んだらいいの?

せんせい
せんせい
ここでは実際に警備員が債務整理をする場合、どの手続きを選んだらいいのか解説していくよ。

任意整理がおすすめ

せんせい
せんせい
警備員が任意整理する場合、1番おすすめなのが任意整理だね。

任意整理であれば、整理する借金の対象を選ぶことができる。

保証人がついている借金は除いて整理することもできるから、家族や会社に借金していたことや任意整理することがバレるのも防げる可能性が高いんだ。

任意整理のメリット
  • 整理する借金を選べる
  • 保証人に迷惑がかかることを防げる
  • 家族や親族などに債務整理することを知られにくい
  • 官報に名前が載らない
  • 手続きが早く費用も安価
  • 資格制限がない
他にも個人再生や自己破産とは異なり整理対象を選べる。

だから、住宅ローンなど生活に必要なものの支払いだけは残して借金問題を解決できるというメリットもあるよ。

ともだち
ともだち
さいむくん
さいむくん
整理する対象が選べるってことは、持ち家や車のように、どうしても処分したことない財産を所有している人なんかも、個人再生ではなく任意整理が適してそうだね!
ただし、個人再生や自己破産と比べて減額効果が薄かったり、元本は返済しなければならなかったりなどのデメリットもある。

任意整理を選ぶかどうかは、現在の収入や借金額に応じて慎重に検討するのがおすすめだよ。

せんせい
せんせい

借金額によっては個人再生が適している場合も

せんせい
せんせい
任意整理の場合、利息はカットできるけど借金の元本は減らない。だから借金額によっては、元本を大幅に減額できる個人再生が適している場合もあるよ。
個人再生のメリット
  • 借金が元金から大幅に減額される
  • 自己破産とは異なり財産が没収されない
  • 住宅ローン特則を利用してローン返済中の持ち家を残せる
  • 自己破産とは異なり手続き中の資格制限がない
  • ギャンブルや浪費による借金でも減額が認められる
さらに個人再生のメリットとしては、住宅ローン特則という制度を利用することで、住宅ローンの支払いだけは残して他の借金を大幅に減額できることも挙げられるね。
せんせい
せんせい
さいむくん
さいむくん
えっ!そんなすごい制度があるんですか!
そうなんだよ。

自己破産など持ち家も処分しなければならないけど、個人再生であれば借金を減額しつつ持ち家も手元に残しておける。

ただ住宅ローン特則を利用する場合、手続き後も住宅ローンの支払いは行わなければならないから注意してね。

個人再生で減額された借金の返済もあるから、あらかじめ返済計画をしっかり立てておく必要があるんだよ。

せんせい
せんせい

自己破産はおすすめできない

せんせい
せんせい
警備員として働いている場合、職業・資格制限の対象となる自己破産はおすすめできない。

ここまで解説してきたように、手続き期間中は警備員として働けないだけではなく、会社によってはクビになる可能性もあるからね。

ただ借金額や病気やケガで長期的に収入の見通しが立たない場合などは、自己破産した方がいいこともある。

自己破産することを事前に会社へ説明しておけば、警備員として働けない間も事務など他の仕事に回してもらうことも可能だ。

警備員だからといって自己破産の選択肢を排除するのではなく、借金額やその時々の状況に応じて手続きすべきか考えるのが重要だよ。

ともだち
ともだち
自己破産のメリット
  • 借金の支払い義務がなくなる
  • 特定の財産は手元に残しておける
せんせい
せんせい
自己破産の場合、資格や職業の制限だけではなく、一定以上の価値がある財産は没収対象となったり、官報に名前が載ったりなどのデメリットもある。

事前に弁護士としっかり相談してから、自分に最適な債務整理方法を選ぶのがおすすめだよ。

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せんせい
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せんせいは、これまでたくさんの借金にお悩みの方の問題を解決してきました。

借金に悩まされる生活はとても辛く苦しいものです。

でも大丈夫!専門家に相談することで明るい未来が待っています!

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警備員の任意整理・債務整理は弁護士に相談するのがおすすめ

せんせい
せんせい
ここまで解説してきたように、警備員の債務整理は資格・職業制限の関係で、手続きも複雑になりがちなんだ。

だからこそ警備員として働いている人が債務整理する場合は、弁護士に相談するのがおすすめだよ。

警備員の債務整理を
弁護士に相談するメリット

 

  • 手続きがスムーズに進む
  • 会社や家族にバレないよう手続きを進めてくれる
  • 債権者からの催促・取り立てがストップする
  • どの手続きが最適かアドバイスをしてくれる
自分のように法律に関してほとんど知らない人は、弁護士に相談して債務整理の手続きを進めたほうが良さそうですね!
さいむくん
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せんせい
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まとめ

せんせい
せんせい
さいむくん、お疲れさま!今日学んできた内容で、重要なところ最後にもう一度振り返っておこうか。
今回のまとめ
  • 警備員が任意整理・個人再生しても仕事に影響が出ることはない
  • 警備員は自己破産による資格・職業制限の対象のため、自己破産すると一定期間働けなくなる
  • 個人再生・自己破産は会社や家族にバレてしまう可能性が高い
  • 警備員が自己破産するとクビになってしまう場合もある
  • 警備員が債務整理するなら任意整理・個人再生がおすすめ
警備員が債務整理するなら、任意整理か個人再生であれば、仕事や家族への影響を最小限度に抑えられるみたいだね。

ただ借金額や収入によっては自己破産した方がいい場合もあるみたいだから、まずは弁護士事務所に行って自分はどうすべきか相談してみるよ!

さいむくん
さいむくん
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著者情報

この記事の監修者
赤堀弁護士
赤堀 太紀 FAST法律事務所 代表弁護士

企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。

監修者の詳細なプロフィール
この記事の筆者
浜北 和真株式会社PALS Marketing コンテンツディレクター

2017年から法律メディアに携わりはじめる。離婚や債務整理など、消費者向けのコンテンツ制作が得意。
監修したコラムはゆうに3000を超える。

20代後半に作ってしまった借金100万円を自力で完済した。

筆者の詳細なプロフィール