自分でも計算できるのかなぁ…
「過払い金」の請求を考えている人にとって、どのくらいの過払い金が発生しているのか、どの程度の返還が期待できるのかといった点は一番の関心事でしょう。
どうして過払い金が発生するのかの仕組みを理解すれば、過払い金の額を自分で計算できます。
「自分で過払い金の額を計算したい!」という方のために、過払い金が発生する仕組みを紐解きながら、計算方法を解説していきます。
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過払い金が発生する仕組み
ただでさえ苦しい思いをしながら返済してきたのだから「支払い過ぎていた」なんて知ったらショックを受けてしまうよね。
実は、大手の消費者金融やカード会社はもちろん、大小を問わずほとんどの貸金業者が違法な金利を適用していた時代があるんだ。
カギとなるのはグレーゾーン金利
無制限に高い金利を設定できるようなら、闇金業者でも合法になってしまうからね。
ただし、過去には貸金業に関する金利を定める「出資法」と「利息制限法」の間で上限金利が異なっていたんだ。
法改正前の上限金利
ところが、利息制限法の上限金利は15~20%。
最大で14%以上の差があるのに「一方では合法、一方では違法」という状態が続いていたんだ。
【引用】上限金利について|日本貸金業協会
2010年6月の法改正後
この改正でグレーゾーン金利は撤廃されたんだ。
【引用】上限金利について|日本貸金業協会
改正前に支払いすぎた利息は返還を求めることができる!
でも、当時は「ギリギリ合法」みたいな扱いだったんでしょ?
なんでそれが過払い金の発生につながるんですか?
ところが、当時は借主が任意で支払ったもので、貸金業法によって定められている書面を交付していれば、過払い金が発生していても返してもらえないという「みなし弁済」という考え方があったんだ。
ところが、平成18年に裁判所が「みなし弁済を認めない」という判決を下したことで、グレーゾーン金利を適用されていた人の多くが過払い金の返還を求めることができるようになったんだ。
借金の過払い金の計算方法は4ステップ
順番に確認していこう。
①借入金額に対する上限金利を把握する
【引用】上限金利について|日本貸金業協会
消費者金融やカード会社だと借入上限が50万円くらいになっているケースが多いから、年18%になる人が多いんじゃないかな。
②自分が実際に支払った金額を計算する
といっても、過去の支払い分なんて正確に把握している人は少ないはずだから、現実的には貸金業者に連絡して取引履歴を取り寄せて確認することになるね。
明細や通帳を確認するよりも、取引履歴を取り寄せたほうがラクだし正確だよ。
たとえば30万円の借入でその後に追加で借金をしていなければ元本は30万円。
もちろんそこには利息が加算されているから、総額から30万円を差し引けば支払った利息がわかるって寸法だよ。
③上限金利に基づいた正しい利息で算出しなおす
利息の計算式は次のとおりだよ。
④ ③から②を引いた金額が過払い金!
きっとマイナスが生じるはずだよね。
この数字が過払い金だよ。
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実際に計算してみました
自分の借金や返済期間に近いものがあれば、だいたいの過払い金もわかるはずだよ。
100万円を25%、3年で完済した場合
返済総額と利息 | 返済総額:1431,324円 利息 : 431,324円 |
正しい金利で計算した利息 | 正しい金利:15% 正しい利息:247,940円 |
過払い金の額 | 183,384円 |
100万円を25%、6年で完済した場合
返済総額と利息 | 返済総額:1,939,464円 利息 : 939,464円 |
正しい金利で計算した利息 | 正しい金利:15% 正しい利息:522,440円 |
過払い金の額 | 417,024円 |
200万円を25%、5年で完済した場合
返済総額と利息 | 返済総額:3,522,120円 利息 :1,522,120円 |
正しい金利で計算した利息 | 正しい金利:15% 正しい利息:854,740円 |
過払い金の額 | 667,380円 |
200万円を25%、7年で完済した場合
返済総額と利息 | 返済総額:4,252,332円 利息 :2,252,332円 |
正しい金利で計算した利息 | 正しい金利:15% 正しい利息:788,968円 |
過払い金の額 | 1,463,364円 |
こんなに払い過ぎていたなんて、ゾッとしちゃうな…
返済中の借金の過払い金の計算方法
まだ借金が残っていて返済中でも過払い金請求は可能なんだ。
完済時よりも複雑になりそうですよね…
完済済みでも借金が残っていても基本的には変わらない
過払い金は借金の残額から相殺される。
過払い金を請求しても借金が残るようなら返済にあてられて、借金の残額よりも多くの過払い金が発生しているなら過払い金が支払われるんだ。
その結果、借金が残るなら過払い金分を差し引いて返済を続けることになるし、借金をすべて相殺できれば借金ゼロ、過払い金のほうが多ければ返還という流れになるんだ。
過払い金<残債の場合は請求したらブラックリストに
ただし、債務整理のひとつである「任意整理」と同じ扱いになって、信用情報に傷がついてブラックリストに登録された状態になるんだ。
きちんと返済を続けたとしても、過払い金請求から向こう5年間は新たなローン・カード発行はほぼ不可能だと考えておこう。
ただし、過払い金請求を受けた会社は独自にデータを管理しているから、再利用はあきらめることになるだろうね。
自分でやらなくても計算できる方法もある
さっき挙げたシミュレーションは借入→返済だけのシンプルな想定だったけど、実際の取引は複雑だから計算も難しくなるんだ。
やっぱり誰かの力を借りたいと思うのは当然だね。
過払い金計算ツールを使う
名古屋式 | 名古屋消費者信用問題研究会が提供しているツール |
外山式 | アドリテム司法書士法人(旧:司法書士外山敦之事務所)が提供しているツール |
かなり精度が高いツールだけど、どちらも正確な金額であることを保証しているわけではないから気をつけて活用しよう。
弁護士や司法書士に計算してもらう
資料集めも任せられるから、どの業者に、どのくらいの借金があったという情報さえあればOKなんだ。
正式に依頼したあとも最初にかかる着手金が対象1社あたり2~3万円で、あとは回収した過払い金から報酬を支払うから実質的な負担はそんなに重くないよ。
だから、まずは弁護士や司法書士に相談してみるのがおすすめだね。
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過払い金が高額になりやすい人の特徴
計算してみればだいたいの金額がわかるものだとしても「自分には高額の過払い金が発生している!」って判断できる条件みたいなのってあるんですか?
ただし、次に挙げるようなタイプの人は過払い金が多額になる傾向があるから、一度弁護士に相談して過払い金の診断を受けてみることをおすすめするよ。
借入金額が高額な人
とくに、1社から100万円以上を借り入れていた人の場合は、法改正前と法改正後の上限金利に約14%の差があるから、多額の過払い金が発生している可能性があるよ。
借入期間が長く、ダラダラ返済している人
とくに毎月返済しては借入を繰り返してダラダラと借金を返し終えないタイプの人は過払い金が多くなりやすいよ。
過払い金が発生していない借金もある
どんな借金でも過払い金が発生するわけじゃないんだ。
銀行や信用金庫からの借入
消費者金融やカード会社は貸金業者にあたるけど、銀行や信用金庫、信用組合、農協などは別の法律を根拠に存在しているから、過払い金は発生しないんだ。
加えて、クレジットカードのショッピング枠や商品購入の分割払いも対象外だよ。
グレーゾーン金利撤廃後の借入
2010年6月以降の借金には過払い金が発生しないと考えておこう。
たとえば「ジャックス」は1997年に上限金利を利息制限法の範囲に引き下げているから、それ以降の借金では過払い金が発生しないよ。
奨学金など利息が少ない借入
たとえば日本学生支援機構の奨学金や、銀行などの住宅ローン・マイカーローンは借主の負担を軽くして利用しやすいように金利が低く設定されているから、過払い金は発生しないんだ。
補足:完済してから10年経つと時効!
でも、法的な義務がなくなるから返還に応じてくれる業者なんてまずいないんだ。
完済後ですでに取引終了から時間が経っているなら、過払い金請求を急いだほうがいいよ。
過払い金がある人・ないけど借金がきつい人は弁護士に相談
過払い金請求だけじゃなくて、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理でも力を貸してもらえるから、借金返済に苦しんでいるなら弁護士に相談してアドバイスを求めよう。
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まとめ
ただし、自分で計算してわかるのは「だいたいこのくらい」という金額で、正確な金額とはいえない。
過払い金の有無や正確な金額を知りたいなら、弁護士に相談しよう。
- 過払い金の計算方法と注意点
- 貸金業者から取引履歴を取り寄せて正しい金利で計算し直す
- 実際に支払った利息から本来の利息を差し引けば過払い金が判明する
- 自力で計算しても正確な金額を把握するのは難しい
- そもそも条件に合致していないと過払い金が発生しない
でも、個人で過払い金請求をすると不利な条件で和解を強いられる危険があるし、なによりも手間がかかるから大変だよ。
過払い金が発生している可能性があるなら、まずは無料相談の機会を活用して弁護士に相談しよう。
企業法務をはじめ、債務整理関連の案件、離婚・男女トラブルの案件、芸能関係の案件などを多数手がける。