ファイナンス/会計/税務

【M&A News】マネーフォワードによるスマートキャンプ買収

2019年末、マネーフォワードがスマートキャンプの株式の72.3%を約20億円で取得したとのニュースがありました。

(参考ニュース記事)
https://jp.techcrunch.com/2019/…/11/moneyforward-smart-camp/

(マネーフォワードのリリース)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3994/tdnet/1768531/00.pdf

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3994/ir_material_for_fiscal_ym1/72516/00.pdf

このリリースをみるかぎり、社長が31%を保有していることがわかるので、今回の買収では外部株主のほとんどが全株を譲渡したと考えられます。

2019年はスタートアップ界隈での大型M&Aがあまりなかった印象ですが、このニュースはスタートアップ業界にとってもビッグニュースといえます。

もっとも、会社のバリュエーションとしては約28億円ということから、直前の調達時点でのバリュエーション45億から考えると30%以上のダウンバリュエーションでのイグジットです。直前3年のPLがおおよそ1億円のマイナスであることを考えると、それでも高評価といえるのではないでしょうか。

また、種類株式をC種まで発行していることからすると、みなし清算条項が発動されて、優先株主から優先的に恩恵を受けていることがわかります。

このようなM&Aの場合に、優先株の設計(参加型・非参加型など)やみなし清算条項の有無などは投資家にとって非常に重要な条項になります。

スタートアップ(発行体)にとっても、資本政策や資金調達を考える上で、ダウンバリュエーションでのM&Aになった場合について、しっかりと考えておく必要があります。

※追記

その後、マネーフォワードがスマートキャンプの全株式を取得したとのリリースがありました。

個人株主も残っていたことがわかりますが、おそらく社内の経営陣または創業メンバーと考えるのが自然です。

古橋智史とは、当社との間で別途合意する株式譲渡実行日から約 1 年の期間において、当社から支払う取得対価を原資に、信託等の手法により株式市場から当社の株式を約 5 億円分取得することを合意してお ります。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3994/tdnet/1783579/00.pdf

このリリースの中に、マネーフォワードの株式を取得する合意をしたとの記載があったので、株式交換スキームにも似た座組みでインセンティブ設計をしたことがわかります。単純に現金をわたすだけであれば、ロックアップ(あるのか不明ですが一般的には1-2年あります)が解けた後、の離縁を防止するため、またグループへのコミットメントを強化するためにこういった手法を取り入れたものと思います。

今後のスタートアップの上場企業へのイグジットの指針ともなりえる面白いM&Aだったことがわかります。

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石原一樹
石原一樹
Seven Rich法律事務所 代表弁護士弁理士
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