一般法務/契約書

あらゆる業種・業態の ベンチャー企業を支援したからこそ提供できる ユーザーフレンドリーな経営支援サービス〈後編〉

AZX総合法律事務所(東京都千代田区)は、ベンチャー支援に特化した法律事務所として知られる。

業種・業態にかかわらず、幅広くサービスを提供していることから、国内のベンチャー・コミュニティでは知らないものはいない知名度を誇る。

また、弁護士だけではなく、税理士、公認会計士、社労士、弁理士など関連士業が事務所内に所属。ワンストップサービスを提供していることでも知られている。

AZX総合法律事務所でマネージングパートナー・COOとして活躍する、弁護士の菅原稔氏に、そのサービスの概要について話を伺った。

前半はこちらからご覧ください!

あらゆる業種・業態の ベンチャー企業を支援したからこそ提供できる ユーザーフレンドリーな経営支援サービス〈前編〉

幅広い業種・業態を手掛けたことで溜まった知見

ー貴所は弁護士、税理士、社労士、弁理士などが揃ったワンストップサービスも特徴的ですね。

その部分はこの数年、強化してきたポイントです。会計、税務、労務、特許もそうですし、そこに法務が密接に関係しながらサービス提供していくことは極めていきたいと思っています。
どのような法律相談にしてもそうですが、法務だけで完結することはなく、税務は話に上がってきますし、採用の際には社労士が必要ですし、従業員と揉めて紛争になれば弁護士の出番です。それらの境目は非常に曖昧模糊としていて、社労士と弁護士が一緒になって話を聞かないといけない場面もありますし、税務と法務が一緒にスキーム検討しないといけないこともあります。
税金を無視してスキーム検討するとおかしなことになってしまいますので、そういったことを事務所をたらい回しにせずにお話を伺える、というのは非常に価値があることだと思います。
私自身も、経営者の皆さんからお話を伺っているなかで、突然、税務の話が出てくるといったことはよくあるんです。その場合には、内線ですぐに税理士を呼んで、税理士と一緒に話を伺います。これが事務所の中でできるというのは心強いですよね。
今後は、さらに先に進めて、法務、税務、特許といった内容をよりシームレスに提供できるようになればいいなと思って、事務所を構築しているところです。

ー経営者の多種多様な悩みの解決はもちろん、起業からIPOまでカバーできる、まさに「ゆりかごから墓場まで」を地で行く幅広さですね。

ありがとうございます。ベンチャー支援をしている法律事務所は増えてきましたが、どこにフォーカスしているのかは事務所によって異なります。シードアーリーを中心にしている事務所もありますし、四大・五大などの大手法律事務所では、レイターのベンチャー、もしくはVC側・証券会社側だけをやるパターンもあります。
そのなかで、弊所は数少ない、シードアーリーからレイター、さらにはその後までを全部サポートしている事務所ですね。

ーどんなフェーズでもサポートするのと同時に、業種・業態も幅広く手掛けていらっしゃいますね。やはりトラブルの種類もその分幅広いのでしょうか。

全然違いますよね。これがベンチャー支援の面白さであり、難しさでもあります。建設業だけ、不動産だけといったように、業種特化したほうがある意味で楽なのかもしれません。
ベンチャー支援をしていると、1時間ごとにまったく違う業界の方とミーティングをしなければならない、ひいてはまったく違う法律を使って相談に乗らなければならないケースが頻繁にあるんです。頭は使うし大変なんですが、やりがいはありますよね。
経営者の方々が陥りがちなミスも、製造業なら下請法の話になったりするし、サービス業なら景表法が出てくるし、ファンドや仮想通貨なら金商法、飲食業なら食品衛生法、モビリティや自動運転をやるなら道路交通系と、ありとあらゆる相談がやってきます。

ー幅広い業種・業態を手掛けることで、知見も溜まっていきますね。

弊所でやっていない業界は、ほとんどないのではないでしょうか。私個人が手掛けていなくても、事務所の中で誰かがやっています。新しい問題に直面しても、誰かが先に調べているだろうという安心感がありますし、そこが弊所のサービスの安定感へとつながっているんだと実感しています。
さらにこれは、クライアントの皆さんに対する料金を下げることにもつながっています。弊所はタイムチャージでお金をいただいています。いただくお代を下げるには、単価を下げるか時間を掛けずに解決するかの二択しかありません。
弊所ではどんな業種の問題でも誰かが経験していますので、所内の知見だけで解決できることが多く、わざわざ図書館に行って文献を調べたりする手間が省けるんです。これによって、幅広い経営者の皆さんに、安価で高品質なサービスを提供することができるんですね。

ー業務を効率化することで時間を圧縮し、金額を抑えているということですね。

無駄な作業をせずに効率化することで、ベンチャーにフレンドリーな価格でサービスを提供できているんだと思います。

ー気軽に相談に行ってほしいと思うのですが、一般の相談者、依頼者にとって、弁護士に相談に行くというのは非常にハードルが高いところがあります。特に「いくら掛かるのか分からない」という不安が強いようです。

弊所は見積もりを出して、確認を取りながら進めますから、本当に必要なものだけを取捨選択していただいても結構ですし、逆にこれだけ掛かるのなら、この条項だけを見てほしいというご依頼でも構いません。それでも問題ないケースも多いので、そこは気にせずに、まずは相談に来てほしいと思います。
また、交渉ごとなど工数が読めないものに関しては一定の金額に達したらご連絡しますね、といった形で進めるようにしています

ー弁護士のところに行ったら怒られる、弁護士は偉そうという不安もよく聞かれます。

少なくとも、私自身はどのベンチャー業界にも馴染みが深いので話はしやすいと思います。また、サービス理解の部分においても普通の弁護士よりも話しが早いと思います。
実際、自社のサービスを分かってもらうのに時間が掛かるとなると、話す気も失せるじゃないですか(笑)。
「○○業界で××みたいなサービスをやっていきたいんです」と、他社サービスを例に出して説明していただいても、我々であれば分かりますし、こんなことがやりたいと言っていただければ、この法律とこの法律とこの法律ですねというのがすぐ出てきますので、その点においてもご安心いただきたいと思いますね。

ーベンチャー支援を専門に手掛けていないと、そのあたりは非常に難しいですよね。

このあたりは法律というよりも最近の流行りのサービスに対する感度がどれだけ高いかという話になりますので、有名な事務所だから大丈夫という話でもないと思います。
ベンチャー支援をしている弁護士の強みはそこだと思っています。サービスやその背景に対する理解が圧倒的に深いんですよね。
ベンチャーの場合、もちろん細かい法律を見なければならないケースもありますが、それ以上にサービスを的確かつ迅速に理解して、調べなければならないところを察知してレコメンドできる能力のほうが大事なんです。
ところが、サービス説明するのに何時間も掛かったり、何度ミーティングしても、全然弁護士に理解してもらえないといったことがたくさんあるようです。弊所に乗り換えていただく理由のトップ3には入るんじゃないですかね。サービスを理解してもらえないというのと、専門がズレている気がするというところは。「悪い人ではないんですけどね」って。

ーちなみに、1時間の相談料はおいくらですか?

初回相談は無料、2回目以降はタイムチャージベースなのですが、事前にお伝えすることなく課金されていたということはありませんので、まずは最初の相談は早めに来てほしいなと思います。

経営者の悩みの「本質」を探ることが大切

ー起業家、経営者が陥りやすいミス、失敗にはどのようなものがありますか?

先ほどお話したとおり(前編参照)、株式周りだったりとか、投資契約周りはよくあるし、それを失敗と気がつくまで時間がかかるので、そこは問題が大きいなと思っています。
あとは、最近は減りましたが、基本的な契約、たとえば業務委託契約なども適当になりがちで、従業員ではなくて業務委託の形でエンジニアを雇っていることも多いので、そういう皆さんが作ったものの知財がちゃんと会社に移転していなかったりといったケースは散見されますね。
のちにM&Aや投資するときに、この知的財産権が会社に移っていないですねとなれば、過去に業務委託をした人全員からちゃんと移っていますという確認書を取ったりはします。ただ裏を返せば、確認さえ取れればリカバーできるので、まだ緩いといえば緩いですよね。
株に関しては戻してくださいとか、発行しなかったことにしてくださいということはできないので、株式周り、投資契約もそうですし、誰かに発行しすぎた、渡しすぎたということはどうしてもリカバーできないんです。株周りのトラブルは永久に減らないですね。
創業初期に色んな人にばらまいてしまって、個人株主がいっぱいいるケースもたくさんありますし、社長の持ち株がやたら低いケースもあります。

ー菅原先生がベンチャー支援をするときに気をつけていることはなんですか?

法律以外のことをどれくらい聞くかというところですね。法律以外のことを聞くようにしています。
当たり前といえば当たり前なのですが、経営者の方は法律的には素人ですので、社長が「法的にこれどうなんですか、条文どうなんですか」と言ってきたとき、意外とその質問自体が間違っていることが多いんです。本当に知りたいのはそこではないとか、本当はそこを調べたいわけではなく、彼らが実現したいことはもっと別なところにあるというケースですね。たまたま、社長がネットで検索したら気になる記事が引っかかって相談に来る。
「これがうちのサービスに引っかかりそうなんですけどどうですか?」と言うのですが、本来、社長が気にしている本質とその法律の記事は関係なかったりするわけです。
ですから、バカ正直にその法律に関する質問に答えても、ピントがズレた回答になってしまうし、それに対して高いフィーを請求されるのだから不満も溜まってしまう。
それを避けるためには、そもそもどういうサービスをやりたいのか、その背景にはどんな事情があるのかをヒアリングする必要があります。
特に新規のサービスを始めたい方がいらっしゃった場合には、スキームはどこまで確定していて、背景としてどのような世界、理念を実現したいと思っているのか、いまどこがハードルになっていると思っているのかを聞くようにしています。

ー素人が適当に検索して引っかかったところは本質とは限らないんですね。

本質ではないことが多いですよね。これはネットの良し悪しだと思うのですが、どうしてもバズワードに引っぱられてしまいがちなんです。
弁護士は法律を体系ごとに学んでいるので、基本的な部分は全員抑えていて、その上でブログに書かれている知識が上に乗るんですよね。
でも彼らは基本的な法的知識がないまま、ブログに書かれた例外的な記事を気にしてしまう。これは弁護士ではない以上、仕方のないことですので、独自に判断するのではなく、専門家である弁護士に相談して悩みを解決することをおすすめします。
さらに、その際には、サービスの全体像を背景も含めて理解してくれる弁護士に相談しないと、本当に求めている答えを引き出せないこともありますので、注意が必要ですね。

ーただ機械的に答えるのではなく、心配りが必要なんですね。

ベンチャー支援を行う際には、特にそういう傾向が強いんじゃないですかね。法律知識がどれだけあるかということも大事ですが、それは調べれば分かるんです。
それよりも、質問の意図を正確に汲み取りながら、必要な方向に導いてあげるということのほうが大切だと感じます。

ー最後に、弁護士の先生に頼むかどうか悩んでいる、経営者・起業家の皆さんに一言お願いします。

まずは気軽に相談に来てくださいというところですよね。我々に相談して損することは絶対にありませんから。変にお金を取られたりすることもありませんので、まずは聞きに来ることですよね。そうすれば、次にどうするかという話になりますから。

あとはスタートアップの場合、後戻りできないことが多いんですよね。主に資本政策周りですけれども、あとからなんとかしようとしても、面倒くさいんですよ、法律の話って。そもそも考えたくないし、本業に集中したいですしね。それは分かっているんですけれども、あとから人が入ってきたら任せればいいやと思っていると、そのときにはもう巻き戻しが効かない状態になっているケースがたくさんあるので、最初の段階からまず相談して、だいたい自分がどのフェーズでなにをしないといけないのかをざっくり掴んでおいてもらいたいですよね。
なんとなく不安なまま放置するのではなく、1時間話してみて、こんなフェーズでこんなことをしないといけないんだなと理解してもらえれば安心もできるし、ミスもしないと思いますので、それでいいかなと思っています。
特に僕はだいたい新規のお客さんはFacebookでご紹介いただいてお話を聞くようなことが多いので、気楽にご相談いただければと思います。
うちは妻もベンチャーキャピタリストなので、家に帰ってもベンチャーの話ばかりしているんです。家の内外にかかわらず、そんな感じなんですよ。ですので、友人に気軽に相談するテンションで来てほしいですね。

ー起業家、経営者をよく知っている専門家が身近にいるというのは心強いですよね。

私たちは町医者のようなものです。ある分野に特化した日本一の先生というのも素晴らしいことですが、最初からそのサービスはトゥーマッチでミスマッチです。
我々は起業から上場まで、すべてお手伝いできますので、創業する段階でまず来てほしいし、ポイントポイントで別の弁護士を使ってもらうのも構わないんです
会社を1から10まで全部知っている存在として、まず最初に門を叩いてほしいなと思いますね。

■プロフィール
菅原 稔氏
Minoru Sugawara
AZX総合法律事務所
マネージングパートナー COO
弁護士

2009年東北大学卒。2013年に弁護士登録後、AZX Professionals Groupに入所。VCに出向後、AZX総合法律事務所に復帰。2019年、マネージングパートナー COOに就任。2020年、東北大学特任教授(客員)に就任。これまで数百件を超えるベンチャー企業を支援。起業家・ベンチャー企業経営者から絶大な信頼を集める。

インタビュー前半は以下のリンクから。

あらゆる業種・業態の ベンチャー企業を支援したからこそ提供できる ユーザーフレンドリーな経営支援サービス〈前編〉